春です.といえば浮き浮きする話題が望ましいでしょうが、おかしなことに、目につくことは、これから世界は、日本はどこへ向かうのかと怒りと悩みが尽きない.それはさておいて、3月22日(土)は、まつたけ山復活させ隊第431回活動日です.午前10時に京都市左京区岩倉 村松 香川山(自称:)にお集まり下さい.寒さ対策、マダニ対策、事故対策に気を配りましょう! 本日の活動の様子は、内田 正明さんが報告します.
前回(14日)のスナップ写真です.
どのくらいかと気温を見る仲間たち(写真1).過ごしやすくなってきました.暖かい地域では、桜の開花が話題になっています.京都御苑のソメイヨシノも25日には咲くようだ.京都市左京区岩倉のヤマザクラの葉芽・花芽もずいぶんと大きくなってきました(写真2).
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参加メンバーが比較的少なく昼食づくりを担当くださった皆さん、寒い中ありがとうございました(3、4、5、6).傷んできた設備の修理が続いています.阿閉さん、ありがとう!物置小屋の屋根の修理も済み、雨漏りがなくなりました.前回, 修繕された設備も使ってみては皆さんの『勝手な』要望をくんで高さなどの調整がなされている(7:橋本さん,8:猫田さん).
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マツタケ山づくりの話7
里山再生は必要だといわれるほどには、全国の元里山を見るにつけ、もう手遅れでないかと心配になる。 気持ちだけでなく「よぉし、今度の休みは山の手入れをやってみるか!」とあいなるには、どうすりゃ良いんだと思案するのだが。
里山が『すごいもの』を生産する場所となれば落着するのだが、その一つは、確かにまつたけ栽培である。 しかし、それは、春 種を蒔きました.秋収穫ですとはいかない.岩手や長野や和歌山などで、親しくして戴いてい,その栽培に成功している林家を見ると、マツタケやアカマツの知識のみならず粘り強さが要求される。
もちろんこのシリーズを読むと多くの林家は手入れの必要性を理解するが、そこにとどまる。 講演などを通じて、色々啓蒙を続けていかねばと思う。
今回は、高文研出版の「まつたけやま復活させ隊の仲間たち」を元に、マツタケ山づくり(マツタケの生息地・里山)を書いていきます。
私たち日本人は縄文の昔から、里山とか里山林と呼んでいる集落近くの山の資源を採取して生活を維持していただけに、里山の意味についてある程度の共通認識はあると思われる。しかし、その生態学的定義となると定まってはいない。
里山という言葉の登場はかなり古く、江戸時代中期の宝暦9(1759)年、尾張徳川藩の『木曾御材木方』という「公文書」に、「村里家居近き山をさして里山と申し候」と、現在と同じような意味で用いられている。
この里山について、植物生態学者の田端英雄さんは、次のように語っている。
『里山林は農業用水を涵養し、肥料を供給する形で農業と密接につながりをもっているので、里山林だけでなく、それに隣接する中山間地の水田や溜め池や用水路、茅場なども含めた景観を里山と呼ぶことにする。
縄文時代以来人々が利用しながら維持してきた里山は、いわば人工的な安定社会である。集落、林、耕作地ときには採草地が入り組んだ日本の農村の景観は、見る人に安定感を与える。日本人は里山との関わりの中でその感性を養い、里山との関わりの中で日本の文化をはぐくんできた。私たちにとって身近な生き物は里山に住んでいるものが多い。
調べてみると、里山は絶滅危惧種も含めて、実に豊かな生物相をもっている。植物の種類も多いが、里山にはイノシシ、シカ、ニホンザル、キツネ、タヌキなど哺乳類もたくさんみられる。鳥類も豊富で、私たちの調査区(筆者注:京阪奈丘陵)では1年間に100種をこえるだけでなく、日本のワシタカ類15種のうち12種が観察された(里山国際セミナー;1994)。』
これは、京都府と大阪府と奈良県に跨がる地域での関西学研都市構想による開発の是非を問うため、民間と大学共同でなされたアセスメントに端を発する里山研究会(1992年発足)の中間発表である。
これに対して国は、里地里山とは、都市域と原生的自然との中間に位置し、様々な人間の働きかけを通じて環境が形成されてきた地域であり、集落をとりまく2次林と、それらと混在する農地、ため池、草原等で構成される地域概念としている。
そして一般的に、主に2次林を里山と、それ以外の農地などを含めた地域を里地と呼ぶ場合が多いが、言葉の定義は必ずしも確定しておらず、このエリアすべてを含む概念として里地里山と呼ぶ、としている[日本の里地里山の調査・分析について(中間報告)環境省]。
以上に見るとおり、里山とは簡単に言えば、林と農地や小川やため池、それに住居などを含んだ環境だ。日本の絶滅危惧種の50%以上が生活する生息地は私たちの身近にあるこの里山であって、決して深山幽谷の山々ではない。劇的に環境が変化した場所は、奥山よりやはり里山であるからだ。
生物多様性を認める人は多い。 しかし、絶滅を心配せねばならない生物が、私たちの身の回りの環境に住んでいたことを意識する人はどのくらいいるのかと思う。 いわんや生物多様性保全活動に参加しようとすることにおいてをやである。 もっとも僕も、自分の将来の不安を抱えながら自然を保護せよといっても「はい、分かりました」とはいくまいと考える。
我々は、ボランティア団体である.週1回30名ほどの参加を得、活動エリアの山は、見違えるようになった。 しかし、その活動は、市民運動であるがゆえの行政の縛りもあったりし、また、その限界も感じている。 が、とにかく元気に山づくりに励んでいます。 山づくりを楽しむという気持ちで取り組んで、もうすぐ丸9年を迎える。
「人間活動がアカマツ林を生んだ」
里山の中核を占めるアカマツ林が日本に登場した歴史をみてみよう。環境考古学者の安田喜憲さんは、花粉分析から、縄文時代には瀬戸内沿岸にのみ見られたマツの花粉が、西暦500年頃になると本州とりわけ西日本、四国、九州で増加を見せることから、人間活動がアカマツ林を生んだと説明する(環境考古学事始 NHKブックス)。その通りである。
鎌倉時代になるとアカマツ林は本州一帯に特に増え、日本列島東北部には江戸時代から明治の初めにかけて増加したことを明らかにしている。毎日の薪使用、焼畑式農業、たたら式製鉄業、窯業、塩田業などが原生林をハゲ山にし、次いでそこにアカマツが進出してアカマツ林が広がったとみている。参考までだが、朝鮮半島では6500年前にはすでにアカマツ林が豊富であった。
生態学者の吉良竜夫さんは、稲作が伝わり、刈敷(かりしき)という広葉樹の若枝やササ、青草などを採取し肥料として水田に鋤き込むことで、マツ林が広がり長く維持されてきたと生態学的に説明を付けている(森林の環境・森林と環境 新思索社)。
窯業にはアカマツの薪が、たたら式製鉄業にはアカマツの炭が必要なので、アカマツ林は大切に育てられていた節がある。昔の絵地図を見ると、日本の景観はマツ林「優占」となっており、里山といえばアカマツ林という時代が長く続いていたに違いない。
一方、薪炭づくりはナラ炭を主としたため、コナラ林が育てられた。萌芽林と呼ばれるコナラ林などは、切り株から新しい枝が成長し、20年もたつと元の状態に戻り、また木を切れるので、薪炭の再生産に都合のいい林だった。日本人は過剰利用による幾たびかの森林破壊を経験しつつも、江戸時代以降、林の持続的利用を行ってきた(コンラッド・タットマン『日本人はどのように森をつくってきたのか』築地書館)。 続く
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§活動場所:京都市左京区岩倉村松町138-20 香川山 (京都バス停留所「岩倉村松」から北東へ450m徒歩6分)
活動開始は午前10時頃から、終わりは午後4時頃.自由参加可能 ただしコアータイム昼食時は必ず参加のこと.
アクセス:
京都バスの「岩倉 村松行き」に乗車.
このバスに乗車するには、
ア)JR京都駅七条口から(バス停「C6」番、所要時間約60分)
イ)阪急京都線四条河原町駅から(四条河原町交差点河原町通り北へ上ル東側)40分
ウ)京阪本線出町柳駅から(加茂大橋東詰め北へ上ル西側、約30分)
エ)京都地下鉄烏丸線国際会館から(3番出口からバスターミナル1番)約15分
(地下鉄烏丸線はJR京都駅、烏丸四条、烏丸御池、国際会館などに停車)
§参加費は無料;ただし、消耗品費は皆さんの浄財カンパで成り立つ、或いは必要に応じて徴收.メンバー参加者には、現在、食材費+消耗品費として400円を徴収.登録外参加者・見学者などは要500円(施設利用代などを含む).
§参加や見学希望の方は、ブログ画面左にあるカテゴリーから「まつたけ山復活させ隊とは」を左クリックでご覧下さる様にお願いします.
内容
まつたけ山復活させ隊の活動について
§1 我々のまつたけ山再生運動とは?
§2 まつたけ山復活させ隊に参加するには
§3 私達のマツタケ山造り(作業方法の特徴)
§4 こんな活動をしています!
§5 今年の予定と目標?
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まつたけ山復活させ隊活動
予定日 2014年3月~6月
回 開催日 報告担当者 男厨シェフ
431 3月22日 土 内田
432 3月28日 金 内田
433 4月05日 土 池内 松浦・江指
434 4月11日 金 榎本
435 4月19日 土 三輪
436 4月25日 金 宮崎
437 5月03日 土 池内 内田
438 5月09日 金 内田
439 5月17日 土 榎本
440 5月23日 金 三輪
441 5月31日 土 宮崎
442 6月06日 金 内田
443 6月14日 土 池内 川崎
444 6月20日 金 榎本
445 6月28日 土 三輪
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§カンパありがとう!
§カンパお願い: 運営は皆さんのカンパで成り立っています!
みやこ松茸・里山復活! 京都の文化・景観を守るために、里山林整備に努力しています.
カンパの振込先
氏名: まつたけ十字軍 代表 吉村文彦
銀行名: 京都銀行 山科中央支店 口座No. 普通預金 3698173
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§主 催
まつたけ十字軍運動
代表 吉村 文彦(マツタケ生態学)
京都市山科区御陵岡ノ西町38-27
090-6227-4305 redpinemushroom@gmail.com
香川理化学研究所
代表 香川 晴男
§共 催
京都大学マツタケ研究会
代表 大石 高典