まつたけ山復活させ隊運動ニュース

 松茸は奈良時代から珍重されてきたが、絶滅が心配される.松茸山づくりは里山復活の近道であり里山の再生は松茸復活に繋がる.

まつたけ「十字軍」運動NEWSLETTER-450-

2009年10月20日 |  マツタケの林地栽培 
まつたけ十字軍運動は、このような地道な活動にもささえられている.活動場所の整備をすすめる仲間達


まつたけ復活・里山再生市民運動

 
 今年のマツタケの発生は、まだ終わっていないが、西日本では様子が変わっているという生産者が多いが、東北の8月の激しい冷夏(山背)-宮沢賢治のいう「寒さの夏」-に慣れていると、当然あり得ることに見える.
 関西では、今年の9月半ばに最低気温がかなり低くなっている.その低温刺激で何%のシロにマツタケ原基が形成され、その後の気温上昇による高温障害で今年伸びた菌根(マツタケ発生部位)がどのくらい死んだかを予測するには地温の測定が必要になる.
 高野山富貴にある岩田山で、4本のマツタケが今までと異なる場所(シロ)で確認された.その発生が継続してなおかつ発生数が増えるようだと嬉しいかぎりである.現地のマツタケ山づくりと発生調査と気象観測装置を取り付けて見たい.

次の開催日は10月23日(金)岩倉に10時です.

450号<目次>
作業区と作業内容の紹介
お知らせ 
 まつたけ十字軍運動紹介番組放映日
 るり溪やぎ農園収穫祭の誘い 
 高野山富貴でマツタケ狩り実施
メール便り
 丹波篠山の桑形広司さん
 ポスト民芸活動報告(三木さん) 
カンパお願い!
まつたけ十字軍運動に参加するには
開催予定日 2009年10月―12月
まつたけ十字軍運動とは?
連絡先など

作業区と作業内容の紹介
山づくりエリアや作業内容を変更するときは、事前に連絡下さい.
1)香川山皆伐区も予定どおりに再生が進み、アカマツ幼樹の群落が美しい.斜面の
地掻など補整作業を実施している.マツのザイセンチュウ病による枯損木が周辺に目立っている.伐倒焼却の要あり.

2)澤田山は、この秋にでも、まつたけの発生調査をするつもりであるが、アカマツ林でマツタケの生息地を再生するというエリアとコナラ林を整備するエリアとがある.各整備地ごとにネライを定めて各班ごとに独自に作業を進めている.

第1整備地は、村上班(第1整備区)と阿閉班(第2整備区)で精力的にマツタケ山づくりが行われている.第1整備区は京都府のホンシメジ接種試験が相当前に行われ、そのとき整備もされたが、菌根性のきのこの発生には土壌上の問題があるのかもしれない.補整の手入れが必要な状態になってきている.
 その南側は、やはりアカマツ林帯で、阿閉班の担当で第2整備区と呼んでいる.やがて第1整備区につなげるという.エスケープした檜・杉など大径木の処理が進んでいる.

第2整備地は、ヤマガラの里と新しく愛称がついた.以前から整備を始めているところは「ヤマガラの里A地区」と呼び整備が完了している.その西に当たるところを尾根部(アカマツ林を再生)、傾斜地部(コナラ林にする)など3区に分け、それぞれ生態的特徴を生かした整備を進めている.ここは「ヤマガラの里B地区」と呼ばれる.分からないことなどは前田・小原さんにお尋ね下さい.

第3整備地の作業エリアでは、アカマツ林再生を考え、適切なエリア探しが続いているように見える.どのような林づくりがなされるのか注目をしているところである.

3)玉城山は、昔は、山全体がマツタケの発生に適したアカマツ林であったが、林道が造られたためにその下のエリアからマツタケが消えた.岩泉まつたけ研究所の向林試験林内で、全く同じことを経験している.林道を一つ通すだけのように考えがちだが、周りの環境ががらりと変り水の流れも変化する.
尾根筋には、アカマツ林密度が比較的高く残っているので、榎本班と三品班で上部と下部からマツタケの生活するアカマツ林の再生作業に取り組んでいる.
地表の堆積物を堆肥化し、冬には水田に鋤き込む.マツのザイセンチュウ病害木の伐倒焼却活動が一旦終了したように見えたが、再開している.
ここは、市民によるマツタケ山づくりのお手本として有名になった.今まで、プロによる
手入れで、マツタケ発生の復活は、「有から有は簡単である」と実証されている.
しかし、市民による手入れでマツタケ発生の成果が出たケースはここが日本初の地
である.撒水実験にも取り組むという意欲的作業が見られる.

<お知らせ> 
1)10月20日フジテレビ系列 19時~「わかるテレビ」、マツタケのことが紹介
 11月8日 午後11時 テレビ朝日系列「地球号食堂 エコめし」 にまつたけ十 字軍運動の活動が紹介.

2)るり渓 やぎ農園 収穫祭の案内
 今年も10月25日(日)午前11時~午後3時、やぎ農園の収穫祭を行います。仲間 の皆さんもお誘いの上、是非ご参加ください。楽しい催しが一杯あります.
 問い合わせは:るり渓 やぎ農園(Tel/Fax 0771-65-9010)
 E-mail office@ruri-yagi.com (http://www.ruri-yagi.com)
 場所は京都府南丹市園部町大河内小田仮4

3)マツタケ狩り(10月27-28日)参加者募集
 高野山富貴の岩田山でマツタケが出始めたので(ただし、続いて発生があるよう なら)、現地でマツタケ山づくり作業と発生調査を実施します.  詳細は次回 活動日に猫田さんにおたずね下さい.

4)近藤高弘展 金と銀 をテーマに開催される
   名古屋展 10月14日~10月20日   JR名古屋高島屋10階 

<メール便り>
1)丹波篠山の桑形広司さんから
いつもニュースレターをお届けいただき恐縮です。
先日、朝日放送のラジオの番組「元気一番 芦沢誠です」で先生のグループの取り組みを取り上げていました。ご努力の成果が上がっているようでなによりに存じます。
 さて丹波篠山も(季節的に)マツタケシーズンとなりましたが、我が家の松山は残念ながら、この春から次々と松が枯れだし、夏前にマツタケのシロあたりの松が全て枯れてしまいました。松が枯れるとマツタケ菌もダメになるのはわかるのですが、枯れてすぐにダメになるものでしょうか?
 かくなる上は20~30年後のマツタケ山を目指し、一度一山すべて伐採する予定でおります。地面には小さな若松が育ち始めていますので、これを大事にしていこうと思っております。
今後とも、ご指導のほどよろしくお願いいたします。

2)三木 恵子さんから
昨日の研究会は出席率が良く、法事で参加出来なかった1名のみの欠席で、前回参加してくれた9名でした。手びねりの紐作り・細い湯のみ筒茶碗でしたが筒にならず、皆さん苦闘しながら広がり気味の少し大きめ作品に自分のサインをし、もう一つはたたらで引いた湯のみの練習。これには十字軍のサインを入れ4時ごろ終了。橋本さんがたたら、削り道具など必要なものを皆の為に作って来てくれました。感謝、感謝。
 来月は近藤先生が忙しく時間が取れず、11月22日〔日〕奈良県・天川村に新しく築いた穴窯の火入式後22-23日薪焚きの練習をしては如何かと提案されました。多分皆で行く事になると思います。民宿、どろ川温泉もあるとの事。内田さんがまとめてくれると思います。活動資金は取敢えず5,000円集める。今回はまだ集金しておりません。
 12月はわれ、ひびのある作品に試し釉薬をかけて練習。そのあと出来上がっている素焼きの作品に本格的に釉薬をかけて焼き上げる。
 1月は寒いので近藤先生のアトリエでどうですかと提案されました。
心配しておりました人数も今のところ10人位で、これでずっと続けられると一番良いのですが。初めに参加を申し込まれた2人の方が参加されておらず、メールで一度連絡を取って見ます。今後を楽しみにしておりますのでよろしくお願い致します。

                     
<カンパ! お願い>
氏名: まつたけ十字軍 代表 吉村文彦 
銀行名: 京都銀行 山科中央支店 口座No. 普通預金 3698173

<まつたけ十字軍運動に参加するには>
下記の1から7を了承の上、参加下さい.また、 “まつたけ十字軍運動とは?”も併せてご理解下さい.尚、初めての方は事前に連絡が必要(連絡先は下記主催者).
1)参加資格は問わない. 参加時間は自由、ただし、コアタイム(昼食時)の参加は必須.
2)事故を起こさないように各自勤めること.傷害保険等は各自加入のこととし、事故の責任は当事者に帰するものとする.

3)服装等:山で軽作業できる服装(運動靴か長靴か地下足袋、雨具、タオルなど).ノコ・ナタを持参が望ましい.
4)降水確率(京都府南部、午前7時)が60%以上の日は、原則的に山づくり作業は中止.しかし、山や畑にも、「雨の日には雨の、雪の日には雪の景色がある」といって、皆さんは補修や軽作業などされます.
5)持参するもの:昼食は作るので、MY皿と椀と箸、コップなど、料理の持ち帰り容器、飲料水(お茶があるので水筒)など.
6)道具類や備品は、個人購入のものや皆さんのカンパで購入したものです.大切に扱うよう願います.汚れを洗った後、保管場所に戻すこと.また、使用した食器やコップ類は洗って戻すこと.出したゴミ等は各自持ち帰ること.

7)参加費は無料;ただし、消耗品費は皆さんの浄財カンパで成り立つ、或いは必要に応じて徴收.食材費(実費)+消耗品費として現在 400円を徴収.

<活動拠点へのアクセスなど>
8)集合場所:京都バス「岩倉 村松」行き終点「村松」.あるいは現地アカマツ林(京都市左京区岩倉村松町138-20バス停「村松」から北東へ450m徒歩6分).
叡山電鉄「岩倉」駅から現地アカマツ林へ2.3Km(徒歩30分)
アクセス:
京都バスの「岩倉 村松行き」に乗車.このバスに乗車するには、
ア)JR京都駅七条口から(バス停「C6」番、所要時間約60分)
イ)阪急京都線四条河原町駅から(四条河原町交差点河原町通り北へ上ル東側(40分)
ウ)京阪本線出町柳駅から(加茂大橋東詰め北へ上ル西側、約30分)
エ)京都地下鉄烏丸線国際会館から(3番出口からバスターミナル 1番、約10分)
(地下鉄烏丸線はJR京都駅、烏丸四条、烏丸御池、国際会館などに停車) 

9)<皆さんの活動の様子を見ることができる>
ブログ画面左下ブックマーク(Bookmark)中のNikonまつたけ復活・里山再生運動を左クリックすると、Nikon Onlinegalleryにはいる.akamatsurinさんのホームとなっている.アルバム一覧からお好きなものを左クリックすれば写真一覧が出てきます.スライドショーなどお楽しみ下さい.写真を印刷したり保存したりできます.

開催予定日 2009年10月―12月
活動場所は岩倉香川山. 活動開始は、午前10時頃.終わりは午後4時頃.
第212回10月23日(金)ブログ報告:三輪
第213回10月31日(土)ブログ報告:吉村
第214回11月07日(土)ブログ報告:榎本
第215回11月13日(金)ブログ報告:宮崎
第216回11月21日(土)ブログ報告:三輪
第217回11月27日(金)ブログ報告:榎本
第218回12月05日(土)ブログ報告:池内
第219回12月11日(金)ブログ報告:宮崎
第220回12月19日(土)ブログ報告:三輪 大忘年会 感謝祭
年末年始で休み
第221回01月09日(土)ブログ報告:榎本

まつたけ十字軍運動とは?
今、1年間に40,000種もの生物が絶滅(約13分に1種)していると推測されている.生き物1種の絶滅は、10種から30種の生き物の絶滅を呼ぶという.
日本で、802種の動物が絶滅危惧種とされ、7000種の維管束植物の24.1%(4種に1種)が絶滅危惧種に挙げられている(2007年).
環境省によれば、絶滅危惧種の50%強に当たる生物の生息地は、人里離れた奥山でなく里地里山と呼ばれる私たちの生活の場である.緑が豊かになって生き物が追われている!
私達の周りにありふれた生き物であったフクジュソウやヒメシャガなど、メダカやチョウ類やニホンウサギなど、またオオタカやイヌワシなどが、消え続けている.マツタケも、京都府では絶滅危惧種に指定されている.
生物の保全・多様性上危機に瀕する里山(アカマツ林)をマツタケ山に戻すことが目的である.私たちのマツタケ山づくりは、山-川-畑・水田(-海)のつながりを重視する.マツタケ山づくりで生まれるバイオマスの利用を、「自然」との共生型すなわち徹底した有機物循環型「農林業」に組み込む.また、我々の成果は、情報として正しく発信し、全国に230万haあるアカマツ林に普及させることを願っている.
近代マツタケ学発祥の地、京都市左京区岩倉を活動拠点として、我々は循環型農林「業」を楽しむ.「楽しむ」ということにおいて、いわゆる農林業的作業と異なる.
時折のイヴェントや開催日のコアタイムに集まることによって、作業の情報などを共有し、互いの知恵や技術を学び、また、里山復活の喜びをともにする.
運動は、食事を作る人、木を伐る人・運ぶ人、薪をつくる人、病害木を焼却する人、畑や水田を守る人、設備を造る人、道具類を整備する人、多機能窯を守る人、拠点を整備する人、道路を補修する人、バイオトイレを守る人などすべての参加者が、互いに対等で支え合い助け合って維持運営されている.
まつたけ十字軍運動全体は、アリストテレス風に言えば、個の参加者の総和以上の意味を持つ.それ故、参加者はこの運動の全体性を見失わないようにしたい.

主 催 
まつたけ十字軍運動
代表 吉村 文彦(マツタケ生態学者)  
京都市山科区御陵岡ノ西町38-27
090-6227-4305

共 催 
京都大学マツタケ研究会
代表 大石 高典
080-6123-4706

香川理化学研究所
代表 香川 晴男
コメント
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