花と緑を追いかけて

山を愛し、花を愛し、旅と
映画とパソコンと、好奇心も
いっぱいの主婦の日記です

レンゲツツジ咲く「五味池破風高原」

2009年06月28日 | ドライブ
梅雨の晴れ間を利用して、甲斐&信濃&越後の国々を二泊三日で駆け巡ってきました。
私の第一の目的は「レンゲツツジ咲く甘利山&千頭星山」登山でしたが・・・
「定額給付金も入ったことだし、温泉でノンビリしたいなぁ~」
「念願の別所温泉の北向き観音もお参りしなくては」
「日本海の蟹も食べたいし・・・」
主人の希望が次々と加わり、走行距離1000kmを越えるドライブ旅行となりました。


こちらの画像は長野県須坂市から東に20km入った山奥、群馬県との県境にある「五味池破風高原」(ごみいけはふう高原)に咲き乱れているレンゲツツジ
昨日、旅の最後の日(6月27日)に見て感激した風景です。

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日当りのよい草原に多く自生する鮮やかな朱色の「レンゲツツジ」を、マウスオンでご覧下さい

一日目の「甘利山&千頭星山」登山は足慣らしには丁度良く、富士山を見ながら気持ちよく歩けましたが・・・
残念ながら「レンゲツツジ」は花の盛りが終わっていて、まるでわが身を見るような切なさを感じました

ならば一度見に行ったことはあるけど「湯の丸山のレンゲツツジでリベンジかしらね~」と食事をしながら話していたら、顔なじみのホテルの支配人さんが「湯の丸高原のレンゲツツジは60万本だけど、須坂の奥の五味池破風高原は100万本で、長野県最大の群落ですよ」と勧めてくれました。
「五味池破風高原」(ごみいけはふうこうげん)、初めて聞く地名です。


宿泊地の軽井沢から、上信越自動車道に入り須坂長野東インターで降りました。
「臥竜公園」を通り過ぎ南原町東から「県道五味池高原線」に入り、狭いつづら折の急坂を17km行くのですが、大型車は通行禁止・・・
普通車でもすれ違う時はドキドキものです

急カーブが80ヶ所以上ある、手に汗握るスリル満点の道を30分以上かけて車で登ると、やがて視界が開けて駐車場が現れます。
この日は土曜日、「ツツジ祭り」が開催されていました。
駐車場の人に案内されて、管理棟やトイレの整った上の駐車場まで進みます。
(駐車場は祭りの期間中のみ有料で500円)
そしてこの道路はここで行き止まりです。


ここは群馬県との県境にある標高1,999mの破風岳の西側に広がるなだらかな高原です。
歩きだすとすぐに「大池」が見えていました。
五味池高原とは、このような池が5箇所あるので付けられた名前だそうです。
これらの池を巡るハイキングコースが整っていますが、アクセスが不便で観光バスが入らないため、「秘境」の趣が感じられるコースのようですね。


駐車場から10分、レンゲツツジの中を登ると東屋風の展望台があります。
ここからじっと目を凝らしてみると、案内板に書かれた「妙高・黒姫・北アルプス」の山々がうっすらと肉眼で見えました。
「雪の北アルプスも見えるなんて、空気が澄んだ日は素晴らしい眺めでしょうに・・・」
「レンゲツツジも終わりに近くて、せっかく来たのに残念だなァ~」


「ここから20~30分くらい登った上の破風高原のレンゲツツジが見事だよ。立派なカメラを抱えているならそこまで行かなきゃ駄目だよ」
下ってきたおじさんに言われて、炎天下の登山道を歩き始めました。

白樺とレンゲツツジのコラボレーションが目に鮮やかです。
汗だくになりながら歩いていると、登山道脇の笹がガサガサと音をたてて揺れました。
「きゃ~!熊?」(甘利山で熊を見たばかりだったのです
特別天然記念物の日本カモシカでした。
一瞬の出来事で写真を撮る余裕もありませんでした。残念


やがて砂利道の作業道に出ると、大きな牧場が広がっていて・・・
そしてその横は一面のオレンジ色に染まっていました
この付近一帯は、明治5年以来「乳山牧場」として牛が放牧されているそうです。


「レンゲツツジ」は有毒なので牛は食べないようです。ちゃんと分るのね~
「牧場を造った時、自生していたレンゲツツジを周囲に移植したので大群落が出来たのかも知れないな」と主人がつぶやいていました。

ヤッホー♪青空と緑の牧場とオレンジ色の・・
レンゲツツジに囲まれて♪♪大感激ですね~



足元には小さな可愛いお花があちこちに見られて、踏まないように歩くのに苦労しました。
※山小屋さんのご指摘に寄り、こちらは「コケモモ」ではなく「イワハゼ(あかもの)」と訂正いたします。
 山小屋さん、いつもありがとうございます


こちらの清楚なお花は「ツマトリソウ」でしょうか・・・


行きには遠くに見えていた牛さんたちが、帰路には道路に出ていました。
柵もない出入り自由な牧場です。
「逃げないのかしら?」
「牛だってここが天国のような場所だと知っているさ」


子牛もヤギもいました。
「今日は人の姿が多いなぁ~」と、皆で人間見物にやってきたのでしょうか?
そんな風に感じるくらい、牧歌的な雰囲気に満ち溢れている高原でした。

駐車場から往復1時間半、水とカメラだけ持ってノンビリ見てきた長野県で一番と言われる「100万本のレンゲツツジ」の大群落
「あの道の運転は歳をとったら無理かも、もう二度と来れそうもないなぁ~」と主人がしみじみと呟いていました。

尚、五味池破風高原の詳しい情報はこちらをご覧下さい。

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蛍のお宿と甘い水

2009年06月24日 | 日常の日記
♪ホ~タルの宿は、川ばたヤナギ♪
大都市横浜ですが、郊外の我が家近くには蛍が見られる場所が二箇所あります。
一つは、私の職場から歩いて20分で行ける円海山の一角にある「瀬上の森」
ここは数年前から、大規模開発の計画が持ち上がり、反対運動が繰り広げられていますが・・・
5年前に、研修の後に仕事仲間全員で見に行った時の、乱舞していた蛍の数の多さが忘れられません。蛍の数は横浜一と聞いたような気がします。

そしてもう一箇所が、私の両親がお世話になっている老人施設近くの「荒井沢市民の森」です。
二箇所ともボランティアの皆様の協力で、蛍に必要な清い水辺の管理がなされているようでした。

昨日は朝から諸々のことがあり、両親の顔を見に行ったのは夕方の6時過ぎとなりました。
帰路、ついでに日が暮れるのを待って、蛍の生息地まで足を延ばして蛍を見てきましたよ。


デジイチと三脚を持って、薄暗い木道を進みました。
何一つ、人工の明かりがない「荒井沢市民の森」
若い女性が後から追いついて「もう少し行った所にたくさん居ますよ」と声をかけてくれました。
誰もいなかったら引き返そうと思っていた矢先でした。

以前来た時にツリフネソウがたくさん咲いていた、鎌倉に抜ける「皆城山」の登り口に「蛍」がいましたよ

沢の縁にピカピカと、20~30個の小さな灯りが輝いています。
そして日が暮れると、ゆらりゆらり一匹ずつ舞い上がり、あちこちで幻想的な光を放ちます。

三脚で固定したカメラではとても追いかけられず、バックに入っていたコンデジで光る方向に向けてシャッターを押しましたが、画面はほとんどが真っ暗け
ボンヤリ光が入っていても、とても蛍には見えなくて
失敗してストロボがたかれた画像に辛うじて一匹の蛍が写っていました
分りますでしょうか?
私のカメラ技術では、蛍撮影は無理と悟りました。


代わりに、家庭菜園の周りに咲いている「ホタルブクロ」の画像を加えておきます。
キキョウ科・ホタルブクロ属のお花で、「ホタルブクロ」と「山ホタルブクロ」の二種類があり、ガクの形で判断するらしいのですが・・・
これは普通の「ホタルブクロ」でしょうか?


ちょうちんの昔の呼び名「火垂る袋」からこの呼び名が付いたらしいのですが、蛍を捕まえた子供達が、このお花の中に蛍を入れて遊んだからとも言われています。
日暮れになり、ホタルブクロに蛍を入れて、家路につく子供らの姿が思い浮かぶようですね。
♪ほぅ~ほぅ~ほ~たる来い、こっちの水はあまいぞ~、あっちの水はか~らいぞ♪

そしてこの6月、私は梅を使っての「甘い水」と「辛い水」つくりに追われました。


この時期、主人が仕事先でもらってくるものに「梅の実」があります。
今年もあちこち合わせて5kgくらいになりました。


私は梅酒を二瓶漬けました。左側は2週間以上前に漬けたもので、氷砂糖が大分溶けてきましたね。
右側は先週漬けたばかりのもの
こちらは伊那の大鹿村から送ってもらっている「蜂蜜」で漬けました。


一昨年の「梅酒」をデカンタに入れて、時々ロックで飲んでいます。ビール腹が恐ろしいですからね
は最小限に抑えて、お替りしたい時はこちらを飲むようにしています。
去年作った「梅酒」がまだ2瓶、2Lも残っていますからね。


去年試しに作った梅ジュースがとても美味しかったので、今年は2瓶漬けました。
こちらはホワイトリカーを使わずに、梅1kgに対して酢を100~200cc入れます。これに氷砂糖1kg、叉は蜂蜜を加えますが・・・
我が家は酢を多めに入れて甘さを控えめにしました。

主人が「焼酎わりにピッタリ」と気に入って飲んでいます。
これなら孫達も飲めそうですね
今年は更に蜂蜜のピンなどにも、梅ジュースをたくさんたくさん作りましたよ。

そして今日、マタマタ主人は黄色くなった梅の実を500gほどもらってきましたので、だんだんさんやmarriさんに教えてもらった「梅味噌ドレッシング」を作りました。
詳しい作り方は、だんだんさんの所でご覧下さい。

私、明日は早朝出発で「レンゲツツジの甘利山&千頭星山」登山なんですが・・・
今日の日中はご近所仲間と「剱岳・点の記録」「愛を読む人」の2本の映画を観て、夕食後はひたすら台所で梅を洗い、甕に手を突っ込んで、梅と味噌と砂糖をまぶしておりましたよ。





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自家製野菜でメタボ対策

2009年06月21日 | 日常の日記
「鎌倉シリーズ」が続きましたので、この辺でちょっと日常の話題です。
素朴な中にも”雅の風情”が感じられた「ヤマアジサイ」の次ぎに、いきなり泥臭い野菜の画像は気が引けますが・・・
まぁ~私の呟きを聞いてください。今日は体に良いお話です。


主人がデッキのプランターに植えたゴーヤの葉も大分延びてきました。
すぐ近くで借りている「畑」の野菜も、連日2人では食べきれないほどの量が採れています。


特にキューリはすぐに採らないと、あっと言う間に「お化けキューリ」になってしまいます
もぎたてを、「金山寺味噌」や「味噌マヨネーズ」をつけて丸ごと食べる美味しさは格別ですね

他にもヌカ漬け、サラダ、塩もみ、酢の物、中華風炒め物などに利用していますが、それでも食べ切れません。
今年初めて薄く輪切りにした塩もみキューリを冷凍してみました。
結果は如何に、キュウリの収穫が一段落したらとり出してみましょう。

我が家は横浜郊外の丘陵地帯を切り開いた分譲地のはずれにあります。
お向かいの家の裏側には「里山」と、近所の地主さんが自宅用に作っている少々の「田んぼ」が見られ、「ここが横浜?」と思われるような自然豊かな風景がまだ僅かに残っています。
そして町内の方々7~8軒がその田んぼの周辺の土地を借りて、野菜つくりをしています。
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トマトの花
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今は夏野菜の花々が次々と咲き出しています。
都会人は中々お目にかかる機会がありませんが、これが中々可愛いのです
non_nonさんのソースをお借りして纏めましたので、マウスオンでご覧下さい

私は20年前から、ご近所仲間4人で畑を借りて家庭菜園を耕していましたが、すぐに「私は好きではない」と止めた人、「蚊が怖くて畑に出られない」とご主人と代わった人、「忙しくて畑どころではない」と来なくなった人・・・
4人の中で、最後まで熱心だったのは私だけでした。

その私も「ブログ」を始めてからはとても手が廻らず、この4年間は最低限の事しか出来ませんでした。
「雑草を生やしたままにすると周りが迷惑するんだ。出来ないならもうヤメロ!」
何度主人から注意を受けたことでしょう・・・


周りは皆さん、主にリタイヤしたご主人たちが畑作業をするようになりました。
「俺をアテにするなよ。俺は自分の仕事で体力使い果たしているのだから」と言っていた主人でしたが・・・
この夏、息子一家がすぐ近くに引っ越してくると決まってからは、人が変わったように畑にのめり込んでいきました。
今では「畑が一番、仕事は二番」とまで言っていますわ

女が片手間にやるのとでは、かける時間もお金も体力も違いますから・・・
今ではトマトやナス、キュウリ、パプリカなどの夏野菜の他に、レタス、チンゲンサイ、ハーブ類、インゲン、オクラなどなど、所狭しと茂っています。


最近の私はもっぱら収穫専門・・・
ザルを持って歩いて1分の畑に下りると、時々「台湾リス」に出会います。
せっかく実ったトマトやキュウリをカラスが狙いますが、この大きなリスも要注意ですね。
可愛いなんて言ってられません
お隣の畑をやっている方は「イチゴ」をごっそりと狙われたそうです。

サニーレタスとミズナとルッコラのサラダ手巻き寿司にもサンチェ(葉レタス)を
連日採れるキュウリは様々な形にそしてここ数日はインゲン攻めです

今週は、もっぱらインゲンを使ったお料理が続きました。天ぷら、筑前煮、八宝菜、そしてベーコン炒め・・・
採り立てのモロッコインゲンは、柔らかくてコリコリしていて、アスパラにも負けない美味しさですよ。

葉野菜を採ってきて洗い、無造作に盛りつけたサラダを作るのは主人の仕事です。
これを毎朝毎晩食べているので、ご飯の量が半分以下に減りました。


自家製野菜のサラダには、主人お手製の「酢たまねぎ」をあえていただきます。
ご近所のお元気な80代のご夫妻に教えてもらった「若さと元気の源・酢たまねぎ」

穀物酢を容器にドボドボ入れて、味りんと麺つゆをテキトーに加え、スライスした玉ねぎを漬け込みます。
乾燥カットニンニクとおつまみ用のスルメを少々ちぎって加えておしまい・・・
一日漬ければOKです。

玉ねぎだけでなくこの「酢」も、主人は醤油やソースなどの代わりに使ったり飲んだりしています。
4月はもっぱらホウレン草や小松菜の茹で野菜に「酢玉ねぎ」を混ぜて山盛り食べていましたが・・・
主人はこの二ヵ月半で体重が3kg減り、血圧も薬無しで120~70台に落ち着いているとか

メタボ対策にはピッタリの「自家製野菜と酢たまねぎ」ですが、私は主人の五分の一を食べるのが精一杯
やっぱり酢漬けの野菜よりは、ご飯におしょうゆ味のおかずが好きなんですわ

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鎌倉「光則寺」のヤマアジサイ

2009年06月17日 | 鎌倉散策

「鎌倉文学館」から7~8分歩くと「光則寺」の標識が見えてきます。
大きく書かれたその先の「長谷寺」の案内表示板からみれば目立たないものですが、私はこのお寺に寄ってみる事にしました。

樹齢200年の「カイドウ」が有名な日蓮宗のお寺です。
すぐ近くにアジサイで有名な「長谷寺」や「成就院」があるせいでしょうか・・・
普段は静かなこのお寺も、大勢の人々で賑わっていました。

鉢に植えられた「ヤマアジサイ」が、山門から奥の本堂まで続いています。


特に本堂前にたくさん並んだ、千葉の清澄山に咲くという「清澄沢」と命名されたヤマアジサイが見事でした

この10日前に、「鎌倉古陶美術館」のヤマアジサイを見学して、そのあとすぐにヤマアジサイについて色々調べたのですが、今一よく分りませんでした。
でもこの日、「光則寺」のヤマアジサイを見て、感覚的に少し理解できたような気がします。
普通のアジサイより華奢で小さく、派手さはありませんが何となく素朴な風情が感じられますね

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ソロソロ終りの「ヤマアジサイ」ですが、一番印象に残ったのは赤い装飾花の「クレナイ」
長野県伊那地方に咲くヤマアジサイだそうです。マウスオンで正面からの姿もご覧下さい

このお寺には日本全国の「ヤマアジサイ」がところ狭しと並んでいました。
non_nonさんのソースをお借りして並べましたのでご覧下さい
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一枚目の白いヤマアジサイには「富士の白額」という名前が付いていて、他にも関西系の「田の字」とか、鳥取・大山の「紫変化」などの名札が付いたお花がありました。

写真を撮っていると、団体様ご一行の講師らしい人のお話が聞こえてきました。
「ここのヤマアジサイは鎌倉に住む達人が集めて増やしたものです。最初は自宅のお庭で公開をしていたのですが、大勢の人が見に来るようになり隣近所に迷惑がかかるという事で、この時期だけ光則寺の境内に置くようになったのです」
ナルホド!ナルホド!


親切そうなおっちゃんが「こっちに珍しいものがあるから覗いてごらん」と声をかけてきて、連れて行ってくれた所には、虫眼鏡付きの鉢植えがありました。
「ウサギ苔」と書かれた小さな名札が立っています。
虫眼鏡で見てみると、名前の通り耳の長いウサギのようなお花が見えました。
5mm位の大きさでしょうか・・・
苔のお花もよく見ると可愛いのもですね~


「もっと珍しいのがこのお花だよ」と、おっちゃんはその近くのナツツバキの下に咲いている赤いお花を指差しました。
「突抜忍冬(ツキヌキニントウ)というスイカズラ科のお花で、花のすぐ下の葉だけは2枚がくっついて1つの長蛇円形になり、この葉から突き抜けて花が咲くからこの名前になったんだよ」
「へぇ~」

「おじさんはこのお寺の人?」一緒に聞いていた若い娘が聞きました。
「いいや、毎日のようにここに来ている見学者さ」
「凄く詳しいですね」周りに居合わせた皆が感心しました。

こういう物知りの方、親切に教えてくださる方があちこちにいらっしゃるようで・・・
いつぞやは、ご近所仲間3人で東京谷中の下町見物に出かけた時、まるでガイドさんのように詳しく説明してくれたおじさんがいました。
一度別れても、すぐに叉自転車に乗ってどこからともなく現れて、結局午前も午後も案内してくれましたよ。


さして広くない光則寺の境内は、大勢の見物客で溢れていましたが、私は「土牢→」と書かれた標識に従って山道を登っていきました。

鄙びた感じのこのお寺が好きで、若い頃から何度か訪ねていますが、光則寺といえば「土牢」が思い浮かびます。
人の姿もまばらな山道には、やはり「ヤマアジサイ」が似合いますね。


このアジサイの葉っぱはガクアジサイのようにも見えますが、お寺に確認したら、あそこにはガクアジサイもヤマアジサイも植えてありますとのことでした。
違いはよく分りませんが、風情で感じることに致しましょう・・・
(山小屋さん流に言えば、山で咲くガクアジサイはヤマアジサイですね)


控えめなブルーのお花が続く階段を5分も登れば、緑深い中に「土牢」はありました。


こんな所に何ヶ月も閉じ込められたら、よほど強い精神力が無い限り気が狂ってしまいそうです。
流石に体がザワついて早々に引き揚げました。

日蓮上人が佐渡へ流された時、高弟子・日朗が捕らえられて鎌倉幕府第五代執権・北条時頼の重臣・宿屋左衛門尉光則の邸内の土牢に監禁されました。

しかし光則は日蓮上人が自らの不運を嘆くことなく、弟子の身の上を案じる心に打たれ、次第に日蓮宗に心を寄せる様になります。
そして日蓮上人放免後は、邸を寺として日朗を開山と仰ぎ、文永十一年(1274)にこのお寺が創建されたそうです。

日蓮上人の著した「立正安国論」は光則の父・行時から、文永元年(1260)に北条時頼に建白されました。
それが禅宗の熱心な信者だった時頼の怒りをかい、日蓮は鎌倉幕府から様々な迫害を受けるようになり佐渡に流されたようです。
そんな鎌倉時代の歴史を偲びながら、光則寺を後にしました。

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「鎌倉文学館」の薔薇

2009年06月13日 | 鎌倉散策

6月9日、北鎌倉の「東慶寺」でイワガラミを満喫してから、友人のジュンさんと軽くランチを済ませて別れました。
私は今年はまだ「バラ」の花を撮っていなかったので、鎌倉駅に出てからバスに乗り「鎌倉文学館」に行きました。

長谷の大仏様近くの緑の中に建つ洋館・・・
旧前田侯爵鎌倉別邸を改築して設けられた木造3 階建ての建物が「鎌倉文学館」です。

去年は「旧古河庭園」のバラ、3年前は音羽の「鳩山会館」のバラ・・・
何故か?古い洋館にはバラの庭園が多いのですね。


「鎌倉文学館」では、鎌倉にゆかりの深い文士たち(川端康成、芥川龍之介、里見(とん) 、高見順など)の作品や資料、記念品を集めての常設展のほか、定期的に特別展も催されています。
今回の特別展は「有島三兄弟、それぞれの青春」でしたが、私の第一の目的はお庭のバラでした。


娘時代に美術館に勤めていましたので、鎌倉は仕事を兼ねてよく訪ねました。
美術館の理事をなさっていた先生方5人の内の3人が鎌倉住まいだったのです。
著名な文化人たちにこよなく愛された「鎌倉」ですが、私はこの「文学館」を訪ねるのは初めてでした。

流石に加賀100万石・前田家の別邸だけあって、玄関までのアプローチが奥深いです。


モミジが茂る緑の中を歩いて行くと立派な門が現れて、ここで入館料400円を払って入ります。


更にトンネルをくぐって進むと、突然洋館が現れます。
1890年ごろ、前田侯爵の鎌倉別邸として建てられましたが、1910年(明治43年)火事により消失・・・
その後1936年(昭和11年)に洋風に全面改築されたそうです。


戦後はデンマーク公使や佐藤栄作総理大臣が別荘として使ったそうですが、1983年に鎌倉市に寄贈されました。
外装はそのままにして内部を改装し、1985年10月31日に「鎌倉文学館」として開館。
2000年には国の有形文化財として登録されました。


その庭園はバラ園として有名で、5月いっぱい「薔薇まつり」が開催されていました
バラの最盛期は過ぎたものの、まだまだ鑑賞に堪えられる薔薇が咲いていました。

non_nonさんのソースをお借りして、そろそろ終りの薔薇を纏めましたのでご覧下さい。
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ラスベガス
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毎年のように「バラ園」を訪ねても、薔薇の名前は覚えられません。
真っ赤な「クリスチャン・ディオール」と、我が家にあるピンクの「クィーンエリザベス」だけが、私の知っているバラの名前です。


文学館の建物とバラ園の間には芝生の広場があり、左手の木立の下にはベンチも置いてあります。
写生をする人、お弁当を広げる人など・・・
人々の憩いの場所にもなっているようでした。

そして右端の玄関の前には大きな泰山木があり、白い大きなお花を咲かせていましたが・・・
残念ながら私の望遠レンズで狙っても上手く撮れませんでした


最後に館内に入って、サササ~と見ていたら、突然大きなビデオカメラを向けられて「NHKですが、有島三兄弟の特別展の感想をお聞かせください」と問いかけられました

”いや~!私、まだシッカリと見ていないのですけど・・・”
第一、日よけ用の帽子を深くかぶり、登山用のモンベルのポロシャツを着て、カメラバックを提げた私の格好はおよそ美術館には似つかわしくないし・・・
”ロングスカート姿のお上品なオバ様たちが他にもいるでしょ!”

一瞬「困った~!」と思ったけど、「私は札幌の出身なので、北大に通った有島武郎は近親感がありますね。カインの末裔とかも若い頃読んだ覚えがあります」と応じちゃって・・・
「画家の生馬さんはよく知りませんが、里見も偉大な作家だし、こんな三兄弟を生み出した家庭環境に興味がありますね」とか何とかシドロモドロに答えちゃいました。

放送は翌日の昼か夕方のローカル版と言われましたが・・・
翌日水曜日の午前中は歯医者さんに予約が入っていたし、夕方の首都圏ネットワークを見たら、麻生総理の「地球温暖化対策の二酸化炭素削減目標」の決定記者会見が速報で入り・・・
「鎌倉文学館」の紹介がTVの画面に流れたかどうかは定かではありません。

私は「バラ」の写真を撮りに行ったので、特に有島三兄弟に興味があったわけではなく、たとえ流れたとしても見なくて正解だったかもしれませんね。
目にしていたら、きっと我が姿と受け答えに愕然として、落ち込んだに違いありませんもの・・・

尚、文学館の中は撮影禁止でした。詳しい情報はこちらでご覧下さい。

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鎌倉・東慶寺の岩がらみ

2009年06月10日 | 鎌倉散策

明け方には雨が上がって、曇り空も少し明るくなった9日の火曜日、再び鎌倉の東慶寺に出向いて、特別公開中の「岩がらみ」を見てきました。

友人のジュンさんに声をかけると、1時頃までなら時間が取れるとの事・・・
「岩がらみ」の公開はAM11時から12時までの1時間なので大丈夫ね
11時少し前に北鎌倉の駅で落ち合いました。

10日前に訪ねてイワタバコのお花を楽しんだ、縁切り寺としても有名な「東慶寺」・・・
門前のアジサイが色付き始めていていました。


本堂の前はすでに大勢の人の列、10分くらい待ってから中に入りました。


案内の女性が「アジサイに良く似ていますが、岩がらみはユキノシタ科のお花です。この一本の根から幹を伸ばし、岩全体に広がっているのです」と説明してくれました。


本堂裏の崖一面に咲いている「岩がらみ」、壮観ですね。
それでも「去年の方がもっとたくさん咲いたんですよ。去年見た方は今年のお花が淋しく感じるかもしれません」とのことでした。


本堂の廊下が一番せり出している所からアップを狙いましたが、標準レンズではこれが精一杯
慌てて300mmの望遠レンズに切り替えました。

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マウスオン・クリックで三枚のお花の部分の画像をご覧下さい
白い装飾花の部分がどうしても上手く撮れません、白は難しいですね

お花の中心部には小型の両性花がたくさんあり、周辺には1枚の花弁状になった白色の萼を持つ装飾花があります。
両性花のつぼみは、5枚の花弁が合わさっていて、帽子のように見えます。
花が開くと同時に、この花弁は開くことなく脱落し、雄しべと雌しべが現れてきます。
雄しべの花糸は長さ4.5~6mm。
装飾花の花弁状のものは萼で、基部に退化した花の痕跡があるそうです。


よく似た種にツルアジサイ(ゴトウヅル)があります。
装飾花が違うので、花が咲いていれば間違うことはないようですが、高木に登ったものでは双眼鏡がなければ判別しにくく、葉の形もよく似ているとか・・・

私は新潟県の「平標山」に登った時、その麓で「ツルアジサイ」を見ましたが、この「岩がらみ」はおそらく初めてだと思います。
案内の女性が「箱根の山の中にもあるようですよ」と言っていました。

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一回りして本堂正面に戻ると、脇の池の中にスイレンとコウホネが咲いていました。
マウスオンでご覧下さい

11時半を過ぎると人の列もなくなっていました。
ジュンさんが「イワタバコ」を見に行ったので、私はもう一度本堂の廊下を進み、カメラはやめて自分の目でシッカリと「岩がらみ」のお花を見て廻りました。


柵から遠い、お茶室横のお庭に咲いていた「ハナショウブ」・・・
この日は望遠レンズを持ってきたので写してみました。

10日前よりも人出が倍以上も増えている鎌倉「東慶寺」
土日はさぞかし混み合うことでしょう。
「岩がらみ」見学を予定している方は早めの時間に来た方が良いかもしれませんね。

尚、この「岩がらみ」の特別公開は、14日の日曜日まで行なわれています。
時間限定で、平日は午前11時から12時、午後1時から2時までの二回。
土日は午後3時から4時までの一回のみです。

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「鎌倉古陶美術館」のヤマアジサイ

2009年06月08日 | 鎌倉散策

「明月院」から北鎌倉の駅に向かって線路沿いに歩いて行くと、「円覚寺」の手前に「鎌倉古陶美術館」があります。
その入り口に”今、ヤマアジサイが見頃です”と書かれた看板が下がっていました。


横浜や福井などの古民家を移築して建てられた建物も、重厚な趣が感じられ魅力的です。
そして「アジサイの小径」という名前に惹かれて入る気になりました。


入館料500円を払って、まずお庭から見学です。
表のお庭から裏庭まで、アジサイの花が続いているらしい・・・

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早速、珍しいアジサイが出迎えてくれます。マウスオンでご覧下さい

どれがヤマアジサイなのか?、私は良く分りませんが・・・
そもそも「ヤマアジサイ」とは?、調べてみました。

「福島県以西の本州・四国・九州に分布する落葉低木でサワアジサイとも呼ばれています。ブナ林などの夏緑広葉樹林の谷筋などに生育し、高さは1~2mになるが、高いものは少ない。葉は対生し、長さ10~15cm。花は6月から7月にかけて咲き、周辺に4枚の花弁状の萼を持つ装飾花が、中心部に多数の普通花がある。花の色は薄く紅色を帯びるものから白色、紫色を帯びるもの、青色のものなど多様です」と書かれています。

この「鎌倉古陶美術館」では日本古来のアジサイが、建物に沿って狭い裏庭まで100種類以上が植えられているらしい・・・
non_nonさんのソースをお借りして纏めましたので、サムネイルにマウスオンしてご覧下さい
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これらすべてが「ヤマアジサイ」なのかどうかは、素人の私には分りませんが・・・
いわゆる「ガクアジサイ」との違いはどこなのでしょう?
交配が行なわれてハッキリしないのでしょうか?

主人の「園芸大百科」のアジサイの項をひいて見ると・・・
「アジサイは、ガクアジサイから変化した園芸種で日本原産の花木です。
万葉の時代から園芸植物として栽培され、江戸時代にオランダ人医師シーボルトによってヨーロッパに伝えられました。
以来、ベルギーやオランダで改良がなされ日本に逆輸入されたものがハイドランジアです。

それまでの日本では見られなかったピンクや鮮紅色のアジサイはヨーロッパからもたらされました。
母種のガクアジサイは周囲に中性の飾り花を持ち、花色は淡い青紫色です」
と書かれていますが、分ったような分らないような・・・?

ようするに一般にアジサイとガクアジサイに分けていますが、この分け方はあまり良いとはいえず(同じものの品種の違いといってもよい)
ガクアジサイが基本の花で、この両性花が装飾花になったものをアジサイと呼んでいるようで・・・
専門的にはガクアジサイ型をガク型、アジサイ型をテマリ型と分けているそうです。

ヤマアジサイは最近まで一部のファンを除いてはあまり知られていなかったそうです。
ガクアジサイに比べて小型のものが多く、また非常に変化も多いのが特徴だとか・・・
花色の変化もあまり大きくないので狭い庭でも楽しめ、鉢植えでも、寄せ植えでも楽しむことができるようです。

 

アジサイを見てから「美術館」に入りました。
琳派の巨匠「尾形光琳」の弟の陶芸家「尾形乾山」の流れを汲む「七世乾山・尾形乾女」の絵画展をやっていました。
詳しい情報はこちらをご覧下さい

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マウスオン・クリックで館内の画像三枚をご覧下さい

ここには他も、中世12世紀~14世紀(鎌倉時代)の素朴な感じの古陶磁器などが並んでいます。
この地で作陶に励んでいた館長さんが自らが収集した古陶磁器だそうで、お庭の手入れも自身でなさっているとか・・・


館内の窓から、アジサイや雑木の茂るお庭を眺める景色も、立派なお寺の庭園とは違った素朴な味わいが感じられました。

                                                            

晴天も昨日の日曜日だけで、関東地方はもう梅雨に入ったようなお天気ですね。
私も忙しい週がやっと終り、「イワガラミ」を見に行きたいと思いつつ、眠気に襲われてボンヤリしています。

喉も痛いし歯もまだ痛みます
イカン!イカン!、明日から気分転換に動かなくては・・・

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鎌倉・「東慶寺のイワタバコ」

2009年06月05日 | 鎌倉散策

鎌倉「明月院」のナツロウバイを見に行く前に、駅の近くの「東慶寺」に先に寄りました。
去年見て感激した「イワタバコ」に再び会いたくなったのです。

湿気た崖の一面に、今年も星型の可憐な花を咲かせていました
まだ咲き初めで蕾がたくさんありました。


葉っぱがタバコの葉に似ているので「イワタバコ」と名づけられたそうです。
でも、タバコはナス科。イワタバコはまったく別のイワタバコ科に属しています。
同じ科には園芸植物のセントポーリアがありますが、お花の感じが似ていますね。

去年は6月8日に訪ねて丁度見頃のイワタバコに出会えました。
興味のある方はこちらをご覧下さい


「東慶寺」は弘安8年(1285)北条時宗の妻、覚山尼(かくざんに)の創建と伝えられている臨済宗のお寺です。
かつては尼寺として栄え、寺内に駆け込んだ女性は3年間修行すれば夫と離縁することができたとの事。
そのため〝縁切り寺″〝駆け込み寺″の名でも知られていますね。

この日は本堂で結婚式がとり行われていました。
読経の響く荘厳な雰囲気の中でのお式も、厳粛に感じられて良いものですが・・・
「縁切り寺」での結婚式とはこれまた風流ですね。

実はこの本堂裏の岩壁にこの時期「イワガラミ」の白いお花が見られるのです。
他では見られない規模のこのお花が、この時期だけ特別公開される事を去年「イワタバコ」を見に来て知りました。
その情報も知りたくて訪れた「東慶寺」です。


私が訪ねた日の翌日の6月1日から一般公開されるようでした
時間も限定されていますので、見学をご希望の方は参考にして下さい。
今年は日曜日も公開されるようですね。

もっと早くにこの情報をUPする予定でしたが・・・
「地区センター」の仕事も忙しい上に、ここ数日、纏め上げたレポートの校正作業に追われていました。
慣れない作業に手こずり、夜なべが続きました

このブログを元にした「オーストラリア」のレポートですが、我ながら、いい加減な自分の文章にガックリきています。
寝不足で、目は落ち窪み頬はコケ・・・
ブログ仲間の皆様の所にも、中々ご訪問できずに失礼しています

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マウスオンでご覧下さい

薄暗い、ほとんど垂直に近い崖のこのような場所に、お花が咲くこと自体が不思議です。
星型のお花の直径は2~3cm、中央にある雌しべを雄しべが取り囲むように密着しています。
中央部のオレンジ色の部分は、虫達に蜜のありかを教える役目をしているのでしょうか?


「東慶寺のイワタバコ」は、本堂の先の苔むした崖地に一面に咲いていますが、どなたかが「墓地の入り口右側の石段を登った所、宮内庁の管轄の皇女のお墓の前にも咲いているよ」と教えてくれたので行って見ました。

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ここの「イワタバコ」は初めて見ました。マウスオンでご覧下さい
この場所で、立派な一眼レフカメラで撮影をしていた「あざみさん」と知り合いました。
イワタバコの写真を2人で並んで撮りながら、お花の話や高尾山の話をしました。
「東慶寺」で一旦別れましたが、再び「浄智寺」の前で出会い、一緒に「明月院」に行って「ナツロウバイ」をご案内しました。
出会ったこの日のことはあざみさんもホームぺージで詳しく紹介していますのでお訪ねしてみてください。


今年も「東慶寺」で八重のドクダミ草に逢えましたが、去年に比べるとずいぶん少ない感じです。
去年、受付の方に「一重に比べると弱いのですよ」と説明を受けましたが・・・
鐘楼横にたくさん咲いていた八重のドクダミが一輪も咲いていませんでした。
どうした事でしょう

この日の歩行は9000歩弱・・・
大好きな花々を見て心身ともに癒され、翌日は体もほぐれて楽になりました。
その後の「校正作業」でまたまた肩こりが辛くなったので、来週は是非叉「イワガラミ」を見に行きたいと思っています。

コメント (22)
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