「明月院」の次は「東慶寺」に行ってみる事にしました。
”もしかしたら、イワタバコのお花が咲いているかも”という期待を胸に・・・
特に何も調べず、「夏ロウバイ」見たさにカメラバックを抱えて家を飛び出した私ですが、予感は的中
赤紫色の星型の可愛い「イワタバコ」のお花を、バッチリと見ることができました
「東慶寺」は弘安8年(1285)北条時宗の妻、覚山尼(かくざんに)の創建と伝えられている臨済宗のお寺です。
かつては尼寺として栄え、寺内に駆け込んだ女性は3年間修行すれば夫と離縁することができたとの事。
そのため〝縁切り寺″〝駆け込み寺″の名でも知られていますね。
尼寺に相応しいこじんまりとした総門をくぐりました。
拝観料の200円を払ってすぐの所の小さな石垣に、数輪のイワタバコが見られました。
「奥の崖にたくさん咲いていますよ」と、受付の方に言われ心が躍ります
その前に、鐘楼のすぐそばの隅に白い小さなお花がたくさん咲いているのを見つけました。
葉は見覚えがありますが何のお花かしら???
ナント!「八重のドクダミ」だそうです
「一重は強くてどんどん増えるけど、八重は弱いので珍しいんですよ」と教えてくれました。
東慶寺の受付の方々はとても親切です
本堂の横に、柏の葉っぱに良く似た葉を持つ「カシワバアジサイ」が咲いていました。
マウスオン・クリックで、色の綺麗なガクアジサイの2枚も同時にご覧下さい
仕事を兼ねて娘の頃から何度も通った「東慶寺」・・・
学校を卒業してから石油会社に就職しましたが、配属されたのが美術館。
正しくは入社した年の秋にオープン予定の美術館の準備室でした。
最初の仕事はこの「東慶寺」に付属する松ヶ岡文庫の創設者、有名な仏教学者鈴木大拙先生のご葬儀の写真の整理でした。
美術館の顧問の先生のお一人が大拙先生のお弟子さんで、松ヶ岡文庫の文庫長をしておられたのです。
私の結婚式では主賓を務めていただいたその古田紹欽先生も、6~7年前にお亡くなりになりました。
仏教の事、禅の事等をじっくりお聞きしておくべきだったなぁ~と、悔やまれてなりません
数え切れないくらい訪ねている「東慶寺」・・・
やはり今の季節が一番お花が多いですね。
ツツジやシャクナゲ、ホタルブクロ、白のシモツケ、ハナショウブ、そしてイワタバコ
大拙先生や、私が勤めていた会社の創始者であり美術館の館長でもあった会長達が眠っている墓地手前の崖の斜面に、紫ピンクの可愛いお花が咲いていました。
葉っぱがおタバコの葉に似ていることから「イワタバコ」という名前が付いたそうですが、繫がりはないそうです。
イワタバコはイワタバコ科、セントポーリアも同じ仲間と聞いています。
何となく似た感じがしますね。
直立に近い、苔むした崖の斜面に咲いている不思議なお花です。
マウスオン・クリックで三枚の画像をご覧下さい
花びらの真ん中のオレンジ色の部分には甘い蜜が集まっていました。
虫たちをおびき寄せるのでしょうね。
イワタバコのお花の側には、古い仏様の石像が・・・
周りの山々に咲き乱れている「ヤマボウシ」が添えられています。
辺り一帯にひんやりとした空気が流れ、悠久の人々の息遣いが聞こえてくるようなひと時でした。
思い出多い「東慶寺」・・・
去りがたい思いで、総門に戻りました。
門の前の階段はアジサイに囲まれています。
8日はまだアジサイは早かったのですが、今週末は色付いているかもしれません。
こちらが「東慶寺」の総門横に咲いていた、開き初めのアジサイです。
この週末はお天気にも恵まれて・・・
イワタバコもまだまだ楽しめそうです。
東慶寺は明月院ほど混んではいませんでした。
北鎌倉散策をご計画の方にはお勧めです。
お出かけになってみては如何でしょう。