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日本人のアイデンティティを生む、日本の5つの特徴

2009-04-22 05:35:39 | Weblog
日本の独自の文化、狩野永徳展。京都国立博物館(2007年)。

洛中洛外図屏風”、看板の“唐獅子図屏風”は人気で、
入館するのに1時間待ちの長蛇の列だった。

世界の市民は、日本人の“アイデンティティ”を、
日本人は、優れた創造力とテクノロジーがあり、
国を発展させた高い能力がある”。それに、
独自の文化を育て、文化財を保護している”と、みていた。

この日本人のアイデンティティは、どうして生まれたのだろうか?
世界の市民に触れ、外から日本をみると、日本の特徴として、次がある。
改善をする遺伝子”をもっている、
子どもの教育”に力を入れている、
排他的な宗教”ではないし、偏狭ではない、
治安のいい街”で、“美しい自然”がある。そして、
民主主義陣営”に属した、ことが挙げられる。

1)改善や発明をする遺伝子DNAが宿っている
日本人は、改善、改良の思想が徹底している。
研究開発費が多く、特許の取得やノーベル賞の受賞者が多い。
創造力があり、ノーベル賞を受賞できる環境は日本の底力、品格となっている。
2)子どもの教育に力を入れている
親には食費を倹約してでも、子どもの教育には力を入れる伝統がある。
教育を受け、実績を上げれば夢が実現できるという上昇志向や平等意識がある。
3)排他的な宗教ではないし、偏狭ではない
ほかを否定したり、拒絶する宗教ではない。だから宗教戦争はない。
偏狭ではなく、異質なものや風習に興味を持ち、日本風に融合、
調和する才があって、改良や発展、文化の創出につながっている。
4)街の治安がいい、美しい自然がある
治安の悪さやテロに対して、びくびくしないですむ安全な生活や、
美しい自然は、創造的な活動や経済活動、文化活動をするのに重要である。
5)第2次世界大戦後は民主主義陣営に属した
第2次世界大戦後の廃墟から、技術開発をし、国の復興をとげた。
民主主義陣営に属して、地球規模の市場競争にもまれ、世界一を目指して、
“デファクト・スタンダード”(実質的な標準)を開発してきた。
民主主義陣営に属した例は、フィンランドでも西ドイツでもみてきた。
第2次世界大戦の敗戦国だったが、戦後は民主主義陣営に属して、
国を復興し、先進22か国の経済援助国になっている。
一方で、共産政権下にあった東ドイツやチェコなどの東欧では、
半世紀たつと、国が立ち行かなくなった。
民主主義陣営に属して、市場経済に移行し、国の復興をしていく。


ここで、宗教戦争の話。
三十年戦争”は、チェコがはじまりである。
チェコのプラハ城を襲ったプロテスタント派が、
カトリック派のフェルディナント2世(後の神聖ローマ帝国皇帝)の、
補佐官3人を、窓から放り投げて、三十年戦争がはじまった(1618年)。

ツアー・ガイドは、左に突き出た城(ルドヴィーク翼)の、
左の端、上から2番目の窓を指して、
「ここから、15メートル下に放り投げられたが、
ゴミ置き場の上で、助かりました」
と、話す。
地面に、とがったモニュメントが見える。

そのプラハ城の遠景。手前はモルダウ川。

今では、平和な眺めだが、三十年戦争当時は、
「フェルディナント2世の軍によって、プロテスタントは敗北し、
モルダウ川は、死体であふれていました」
と、ガイドは言う。

プロテスタントとカトリックは、殺戮を繰り返して、ヨーロッパは疲弊し、
1648年にやっと、講和が成立して三十年戦争は終わった。
これは、17世紀の話。

つぎは現代の話。イギリス、ロンドン北部、スタンモアの教会。

この教会の近くに住んでいて、訪ねてくる人には、
「教会の城のようなタワーを目印に来てください」
と、案内していた(1989年)。

この教会の裏にイギリス空軍の宿舎があることは、あとでわかった。
というのは、空軍の宿舎をねらったIRAの爆破で、教会の外壁が、
一部崩れて焦げ、付近は立ち入り禁止になった。IRAは、
アイルランドのカトリック系の武装組織である。

「空から、何かが降ってきた!」
昼間、家で洗たくをしていた妻は、強烈な衝撃で、
「外に飛び出して、空や周りを見まわした。
サイレンがけたたましく鳴って、騒然となった」
と言う。

――アブナイところに住んでいる。
よそ事と思っていた、宗教戦争を身近に感じた。


さて、日本の科学や技術、経営、文化、自然は、世界の市民の、
あこがれ”であり、“尊敬”である。そして、
マンガ、カラオケ、カワイイ、オタク、モッタイナイは、
そのまま通じ、世界の市民から、
cool かっこいい”、とされている。

日本の科学や技術、経営、文化を学び、身につけたいと、留学生が来日し、
アニメーションを見たい、日本のファッションを身に着けたい、
お寺や神社、城を見たい、美しい自然を見たい、登山をしたい、スキーをしたい、
スシを食べたい、スキヤキを食べたい、と観光客が押し寄せる。

松本城を訪れる市民と観光客。遠方は雪を抱く北アルプス(2009年)。

日本は独自の文化があり、美しい自然がある。

世界の市民は、
日本は安全であり、日本人は誠実であり、きれい好きである、
と、みている。それに、
魅力のある国、刺激的な国、あこがれの国、そして、国際的に重要な国、
と、みている。
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