ポテト姫の気まぐれ雑記 part2

つれづれなるままに、気ままに綴るエッセイ集

「モノゲン」の思い出

2007-04-25 | 日記・エッセイ・コラム

 「モノゲン」と聞いて、品物がすぐ浮かぶ人は、今や少なくなってしまったでしょうか。「モノゲン」とは、ある洗剤の名前です。製品としては「アクロン」や「エマール」と同じ種類ですね。

 私は、毛糸でできたモノや、オシャレ着洗いには、この「モノゲン」を、ずっと長いこと愛用してきました。「アクロン」や「エマール」ではなく、なぜ「モノゲン」かと言うと、一番の理由は「匂い」ですね。実は、小さい頃の、母との思い出の匂いがするわけです。

 私が小さい頃、私の実母は、機械編みで近所の人たちのセーターなどを作る仕事をしていました。その当時は、セーター類は「買うもの」ではなく、毛糸を買って「編む」時代だったんですね。母は腕がいいと評判で、お客さんの途切れることがなかったようでした。

 セーターばかりでなく、ベスト(当時は「チョッキ」と云った。)、カーディガン、和服コート、と、頼まれれば、何でも作っていました。あとは、古くなったセーターの編み直しもしていました。その場合、全部解いて、ほどいた毛糸を輪にして束ね、よく洗って陰干しし、その後、機械にかかりやすいように、一本一本ロウをこすり付けてから、機械に掛けました。

 今考えれば、ずいぶん手間のかかることをやっていたんだと、気が遠くなる気分です。

 その、「毛糸洗い」に使っていたのが「モノゲン」。その当時は、「粉状」のものでした。匂いはずっと同じだったので、「液体状」になってからも、私は引き続き「モノゲン」を愛用していました。

 しかし、最近、ないのです。始めは、近くのホームセンターから姿を消し、その後、近所の薬局にあったので、ずっと使っていましたが、ついになくなりました。薬局の方の話では、もう作らないとのことでした。「アクロン」と「エマール」に押されたか...?

 しかたなく、最近は「アクロン」を使ってますが、「モノゲン」のあの匂いが、やはり懐かしいですね。

コメント (6)
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