ドイツの「大晦日」というか、「年越し」のことを、「シルベスタ」と呼びます。現地の発音通りだと「ズィルベスタ」と呼ぶべきかな...?
私たちがドイツに滞在して、数ヶ月経った、秋のある日、外から、鉄砲のような音が聞こえました。その後、その音を、ひんぱんに聞くようになったので、遊びに来た、現地で知り合った日本人に、そのことを尋ねてみると、「ああ、‘シルベスタ’に向けて、この時期だけ‘花火’が売り出されて、それを子どもたちが、試しに鳴らしちゃうらしいですよ。」とのことでした。
「シルベスタ」? 「花火」? 何のことやら、イマイチわからなかった私でしたが、その件はそのままに、月日は流れ、大晦日を迎えました。
外国に滞在中ってことで、おせち料理を作るわけでもなく、「紅白歌合戦」を見られるわけでもなく、いつもと同じように過ごしていると、夜中の12時になったとたん、周りからけたたましい「歓声」と共に、花火の音が聞こえてきました。
「なんじゃ~こりゃ~!」 うつらうつらしていた私は、飛び起きて、外の様子を覗き見、夫は、「これがドイツの年明けです。」とか、しゃべりながらビデオカメラを回してました。
今でこそ、「カウントダウン」が、「当たり前」のようになってきましたが、その当時は、何だか面食らった感じでした。ドイツの冬は「底冷えする寒さ」。大晦日くらいには、氷点下になってたはずでしたが、皆さん、「寒さ」なんか感じないようで、約15分~20分くらいは、外で花火を鳴らし続けていました。
そこで使う「花火」は、「音」がメインで、見た目にはあまりキレイな感じはしません。新年に向けて、「悪魔祓い」をする意味で、鳴らすんだそうです。というと、「節分」の豆まきに似てる...?
実は、ドイツ人にとっては、「クリスマス」こそが、日本の「お正月」のようなもので、クリスマス休暇のフィナーレを飾るのが、「シルベスタ」というか、「大晦日・年越し」の瞬間なのでした。そして、その翌日、つまりは元日までが休暇で、2日からは平常勤務となります。
クリスマスツリーや、窓飾りは、年末にそそくさと片付けて、お正月飾りに替える日本と違い、そのまま飾っておきます。「♪ ウィ~ ウィッシュ ァ メリークリスマス エンド ハッピーニューイヤ~!♪」という歌がありますが、まさしく、そのあたりのことを表現してるわけですね。
と、いうわけで、今年もいよいよ大晦日を迎えました。皆様、よいお年を。(^^)v