最近、個人レベルでも「線量計」を持つ人が増えたせいか、あちこちで高い放射線量が計測されて、問題になっているようですね。
実は、我が夫は、前にも書きましたが、「原子力」の専門家でして、(一応、肩書きは「工学博士」。身分は「会社員」です。注:電力会社ではない。)放射線に関しては詳しいので、私も最近はこの問題をよく質問するようになりました。
「専門バカ」と申しましょうか、一般人の質問に対しても「専門用語の」「ナントカシーベルト、パーアワー...」とか説明するので、私もすかさず鋭くツッコミ、「もっと素人にもわかるように説明してよ!」などという会話をしております。
「シーベルト」だの「ベクレル」だの、なんだかわからない...という会話から、最近、わかりやすい表を見つけてきてくれました。
(資源エネルギー庁「原子力2002」をもとに文部科学省において作成:と書かれております。)
夫の解説を、ざっと説明すると、次の通りです。
基本的に、「放射線」というのは、地球上に自然に存在するもので、太陽からも来ているそうです。なんと、ブラジル・ガラハリで計測された放射線は、年間で10,000マイクロシーベルト(10ミリシーベルト)だそうです。原因は、南極付近にあるオゾンホールから降ってくる量が多いから、と考えられるそうな。
世界平均の、一人当たりの自然放射線量は、年間で2,400マイクロ(2.4ミリ)シーベルトだそうです。
また、東京⇔ニューヨーク間を飛行機で往復すると、高度が高いため宇宙線が増加し、浴びる量は、1往復につき200マイクロ(0.2ミリ)シーベルト。
例えば、「レントゲン」や「CTスキャン」なども、「放射線を浴びる」ことだそうで、そういう医療関係の、一般人の線量限度は、年間1,000マイクロ(1ミリ)シーベルトだそうです。しかし、「医療は除く」と書いてあるので、「治療目的」の場合は、超えることがあるのかも...。
ちなみに、集団検診などの「胸部X腺写真」の場合、浴びる線量は、1回で50マイクロシーベルト。「胃のX線集団検診」が、1回600マイクロ(0.6ミリ)シーベルト。CTスキャンになると、1回で6,900マイクロ(6.9ミリ)シーベルトを浴びるそうです。
ところで、3月に起きた福島原発事故関連の放射線が、なぜ今ごろ「離れた」場所から見つかるのか? 質問してみたところ、事故当時の「風向き」と「雨」の関係が原因だそうです。事故で出た放射性物質が、風に乗って漂い、その後降った雨に溶けて、地表に降った。その放射性物質を含んだ雨が屋根から雨どいなどを伝って流れ、その土砂が溜まってしまう箇所に、放射性物質も一緒に溜まり、そこから放射線が出るから、だそうです。
溜まった土砂などを「除染」すれば、線量は減るそうで、今後、そういう作業を地道にやっていくしかない、とのことでした。
そういう関係で、今、我が夫は、「除染」に関する仕事が超多忙で、ほとんど「休みなし」の状態で、働き続けております。「体を壊さなきゃいいけど...。」ちょっと心配。