「英検」で思い出しましたが、「英検」と聞くたび、私は、中学校の時のある先生を思い出します。
あれは、私が中学に入って数ヶ月経ったころの話。給食の準備をしていた時間帯に、校内放送が流れました。「♪ ピンポン~ え~連絡します。‘ずずろぐえいごけんていすけん’をきぼうする生徒は、◇日までに、△△のところまで来てください。」
笑い話のようですが、本当にこういう感じだったのです。しかもダミ声で、こんな感じに超訛った話し方でした。驚いた私は、近くにいた同級生に、「この先生って、英語の先生?」と聞いてみました。「そうらしいよ。」 「あの発音で、ホントに英語教えてんのかな?」「・・・・・(笑)。」
私たちの学年は、別な先生が担当だったので、この先生に教わる機会はなかったのですが、実はその先生、風貌もキャラもとてもユニークで、その学校の名物的存在の方なのでした。苗字が「サイトウ」だったため、生徒たちは皆「モキチ」とか「モキッつぁん」とか呼んでました。
時が立って、この先生に直接教わったことがある、先輩や後輩に評判を聞いてみると、英語の発音は、さすがに.....だったけど、人情味があって、温かい先生だった、とのことでした。
更に、もう一人、忘れられないお方が...。その先生は、私が中1の時、「社会」の担当でした。しかし、後になってわかったことでは、専門は「体育」で、「社会」は免許外だったとか...。しかし、結果的には、その先生が担当だった私たちのクラスが、一番平均点が高かったようでした。
それもそのはず、その先生の場合、授業そのものは、教科書通り進めるだけで、特に変わったことはないのですが、メチャクチャ「スパルタ式?」なのでした。
まず、ノートの使い方を指定され、各ページに「予習」欄がありまして、毎授業の度に、ちゃんとやってあるかどうか、一人ひとりチェックされるのでした。それを、その先生は、一度も忘れることなく、クラス全員のを見て、ハンコを押して歩きました。そして、やっていない場合、いかなる理由でも、たとえ優秀な子でも、情け容赦なく、ゲンコツをもらうのでした。
そうなると、やはり毎回ゲンコツをもらいたくないので、どんなに勉強嫌いな生徒でも、「社会」だけは予習をすることになる。結果、授業に興味を持つようになる。やがて、授業内容も理解できるようになり、成績も上がってくる.....そういう図式になってくるのでした。
しかも、なんとなく「ビシビシ」感の漂うその先生のオーラのためか、たとえ給食後の5時間めでも、眠くなる暇などなく、みんな緊張して授業を受けていたと思います。その先生は、苗字が「イシカワ」で、風貌もイメージが似ていたので、誰からともなく「ゴエモン」というあだ名が付きました。
でも、その先生の場合、ただ怖いだけではなく、面白い話もしてくれたし、「褒め上手」なところがあったので、時間が経つと「好き」になるタイプでしたね。頑張っている生徒のことを、名指しで褒めたりするので、生徒たちは、無意識のうちに、「よ~し、自分もがんばろう!」という気が湧いてくるのでした。
私も、その一人。けっこうグータラだった私が、いろいろ頑張るようになれたのは、実はこの先生が鍛えてくれたからでは? と、今になって思います。ゲンコツもビンタも、思いっきりもらいましたが(体育も3年間教わっていたので。当時は、体罰禁止なんて風潮はなかったようだった...。)、今となっては、いい思い出ですね。
他にも、話題に事欠かないユニークな先生はいろいろいましたが、特にこのお二人は、あだ名も含めて、忘れられない先生たちです。