数日前に、メレンドルフさんの訃報が届いた。( ˘ω˘ ) まあ80歳は超えていたから、「大往生」とも言えるだろう。
メレンドルフさんは、ドイツ人で、我々がドイツに滞在していた頃の、夫の勤め先の上司だった方。
お名前の最初に「フォン」と付いてたから、たぶん「貴族」なんだと思われます。^_^
ドイツ滞在中は、「職場の仲間と、仕事帰りに一杯」とかいう習慣は無いようで、夫は毎日、定時で帰宅してました。(^.^) それは、ウチの夫ばかりでなく、職場の全員が、そういう習慣のようでした。
現地で知り合った日本人女性(医学博士)が、面白いエピソードを教えてくれました。(^-^) 「職場では、居眠りばかりして、ろくに仕事もしない人が、5時になると、シャキッとして『仕事があるんだ!』と、意気揚々と帰宅する。」そういう人が、けっこういるそうです。(^^;
まあ、そんな感じで、ドイツ人の男性は、家に関することで、とにかくよく働きますネ。(^。^) 私が住んでた住宅の下の階のオジ様は、当時既に75歳だと聞いてましたが、いつも「トンテンカン」と音がしていたから、大工仕事をしていたようです。
時々訪問させてもらってましたが、ウチと同じ間取りのはずなのに、内装が凝ってて素晴らしく、インテリアのセンスが抜群なので、それはそれは「素敵なお住まい」となってました。(*´∀`)♪ そして、それらを見せてくれながら、奥様はいちいち「私の夫が、全部やりましたの。」と自慢してました。
でも、「自慢」と言っても、決して「嫌味な感じ」はせず、むしろ「微笑ましい」感じでしたね。(^_^*) どうも、ドイツ人男性は「大工仕事が出来て、一人前」みたいな感覚があるようでした。
どこの家庭も、クリスマスが近づくと、「壁紙の張り替え」が忙しくなるようで、3年に一回は張り替えるそうです。
話が逸れました。(^^;) そういうことで、仕事帰りのコミニュケーションは無い代わりに? 家族を「お茶に招待する」習慣がありました。(^^) まず、上司側から招待して、招待されたら、お返しに?招待する、といった感じです。
我が家も、そんな感じで、3軒のお宅に「行ったり」「来たり」しましたネ。
そういう場合、おもてなしには「手作りお菓子」を振る舞うのが普通らしいので、思いがけず、私が中学生の頃からハマっていた「お菓子作り」の趣味が、そんなところで生かせて、良かったと思いました。( ^ω^ )
でも、招待された先では、我々が思うほど「気張った」様子は無く、「アスパラガスを茹でただけ」のお宅もあったし、特に「お茶菓子」にはこだわらず、「お昼も食べていけ!」とばかりに、ご主人が、目の前で肉を焼いてくれたりしたケースもありました。
メレンドルフさんのお宅は、奥様が医師だそうで、手作りお菓子を作る暇も無いようで、特に印象的なお茶菓子は無かったように思います。
でも、印象的だったのは、お家とご趣味。♪( ´θ`) お家は、築200年くらいのモノを○○マルクで買った…とのことで、とにかく「味のある」感じでした。それを内装などに手を加えて、素敵な感じのお住まいになってました。
1階の部屋で、しばらく談笑した後、2階の部屋へ案内されました。するとそこには、なんと「チェンバロ」が置かれてました。(°_°)
「チェンバロ」とは、ピアノが登場する前の古楽器で、普通は「演奏会場」とか「音楽大学」くらいにしか置いてないと思われます。
私が興奮していると、弾いてみてもよい、とのこと。そこで、「バッハ・インベンション」1番のさわりの部分を弾いてみると、私が音楽関係者である予備知識?は無かった様子のメレンドルフさんが、いたく感心されて、アンサンブル用のバッハの楽譜を持ってきました。(^-^) ちょっと弾いてみたものの、さすがに初見では無理があり…。
その楽器に関しては、その日はそこまでで終わり、なんとその後に、再度招待されました。(^_^;) その時は、一緒に活動している?お仲間も呼んであって、早速アンサンブルを聴かせてくれました。
メレンドルフさんは「リコーダー」を。もう1人の男性が「チェロ」を。そして「チェンバロ」は女性が弾いてました。
「リコーダー」を趣味で吹く人がいることに、まず感心し、(学校の教材としての認識しか、ありませんでした。)それと、チェロとチェンバロの響きが、とても柔らかい感じでマッチしていて、しかもバッハの曲だと、なんとも優雅なひと時を味わえました。♪( ´θ`)ノ
特に音楽関係者でもなく、普通の一般の方が、ご自宅でバッハのアンサンブルを楽しむ…そういう習慣があることに、「さすがはドイツ」と、改めて別の意味で、大いに感心した私でした。
そして、言葉はあまり通じなくても、「音楽」と「楽譜」は、「通じる?」から、「万国共通」というか、凄いものだと、別な意味でも感心しましたネ。♪( ´▽`)
そんな楽しい思い出をくれたメレンドルフさんは、我々が帰国した後も、クリスマスにはカードやメールを、ずっと送ってくれてました。
謹んでご冥福をお祈り致します。(ー人ー)
写真は、内容に全く関係無く、やっと飾った、我が家のお雛様と「桃の花」。