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つながりの中で形作られてきた自分

川北稔氏の『砂糖の世界史』は、世界システム論に基づいて書かれている。世界システム論とは、近代の世界を一つの生きもののようにみなし、その成長や発展をみていこうとする立場だという。

ちなみに、歴史の入門書に必ず書かれているのは「なぜ歴史を学ぶのか」ということ。川北氏は「あとがき」で、次のように述べている。

「歴史を学ぶということは、年代や事件や人名をたくさん覚え込むことではありません。いま私たちの生きている世界が、どのようにしてこんにちのような姿になってきたのかを、身近なところから考えてみることなのです。みなさんがこの本を読んで、一見したところ、おたがいに何の関係もないような世界各地の人びとの生活が、相互に深くかかわりあっていることを理解してくだされば、著者としてはとてもうれしく思います」(p.208)

つながりや関係の中で現在が形作られていくということは、個人にも言えることである。自分の人生を振り返って、どのような関わりの中で育まれてきたのかについて考えることは、今の自分を理解する上でも大切であると感じた。

出所:川北稔『砂糖の世界史』岩波ジュニア新書

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