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課題ボード(村田製作所)

セラミックなどの電子部品の世界的メーカーである村田製作所では、風土改革に取り組んでいる。従業員サーベイをして、現場に閉塞感が広まっていることがわかったたためだ。「会社は成長しているが、自分は成長していない」など、それまでの軍隊式トップダウン経営の弊害が出ていたという。

問題はそうした不満を現場の管理職が把握してなかったこと。同社では、組織風土変革や現場でのものづくりのあり方を見直しているが、その中で面白い試みを一つ紹介したい。

それは「課題ボード」と呼ばれるもの。
(1)生産現場の社員が、終業1時間前にチーム単位で集まり、それぞれが気づいた製造ラインの課題や問題点を話し合う。
(2)そのとき、管理職や関連スタッフに対する改善要求が出たら、紙に書いて「課題ボード」に貼り付ける
(3)管理職は、「誰がいつまでに解決する」と回答して対応に乗り出す
(4)管理職から出された対応策は、作業者によって5段階で評価され、評価が3段階に満たない場合は再検討として差し戻される
という仕組みである。

この仕組みのすごいところは、活動を「見える化」している点と、管理職が現場のサポート役であることを明確にしている点だ。「ふだん言いたくても言えなかったこと」を堂々と上司に述べることができるし、改善活動によって自分が成長していることも感じることができる。


改善度合いを数値化して活動の進捗状況を明らかにし、評価制度に組み込めばマンネリ化を防ぐことができるだろう。生産現場だけでなく、オフィスの改善活動にも応用できそうだ。

出所:日経ビジネス2007年9月10日号「村田製作所:風土刷新への10年計画」
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