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『紙の動物園』(読書メモ)

ケン・リュウ(古沢嘉通 編訳)『紙の動物園』(早川書房)

表紙のイラストがかわいかったので買ってみた。
(ちなみに、このイラストは著者の奥さんが書いたもの)

著者のケン・リュウは、中国に生まれ、11歳で米国に移住し、ハーバード大で英文学とコンピューターサイエンスを修めてプログラマーとなり、その後、ハーバード・ロースクールで法律を学んだという。現在、特許関係の弁護士をしつつ短編小説を書いているらしい。

収められている短編は、どれも「哀しさ」と「優しさ」が絶妙に織り込まれた作品である。

表題の「紙の動物園」は涙なしでは読めない名作であるが、個人的には「文字占い師」が良かった。

どの作品も、「中国」「IT」「法律」といった軸に沿って描かれているのが印象的である。どの軸も著者の出自・仕事・関心とつながっているので、作品に迫力がある。

本書を読み、良い仕事をする上で軸を持つことの大切さを感じた。

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