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『嵯峨野花譜』(読書メモ)

葉室麟『嵯峨野花譜』文春文庫

『蜩の記』が良かったので読んでみたが、本書のほうがさらに良かった。

主人公の胤舜(15歳くらい)は、大覚寺の花務職(花を生ける職)広甫の弟子。実は、老中水野忠邦の隠し子(側室の子)であるという設定は、どこか一休さんっぽい。

すごいと思ったのは、花を生ける「華道」を題材にしている点である。

師匠の広甫から、毎回、生け花のテーマが与えられ、それをクリアしながら成長していく胤舜。

生け花の持つ精神性が伝わってくる作品である。

本書を読み、自分も花を生けたくなった。
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