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自分の点は自分でつける

2004年に現役を引退した、競泳選手・萩原智子さん。

スポーツキャスターとして取材した北京オリンピックを見ているうちに、やる気が燃え盛り、再びロンドン五輪を目指すようになる。

萩原さんは以前を振り返り、次のように語っている。

「水泳が大好きってことは変わらないんですけど、前は苦しくて苦しくて。苦しい練習を毎日どう乗り切っていけばいいのかと思いながら泳いでました。」

実は、競泳界のアイドル的な存在だった萩原さんは、いろいろ悩んでいた。

「前は、マスコミが私の選手像みたいなのを作ってしまうと、そうあるべきなのだってその姿に必死に合わせていたところがあって、自分とズレるから苦しくなってしまったのかも。自分の評価を周囲に委ねて、周りが判断していく。三位とか四位でもいい泳ぎができた時に“萩原残念”と書かれると、あ、ダメなんだって思っちゃう。今は、自分の評価は自分でする。自分の点は自分でつける。マスコミの側の経験もして、今はマスコミ嫌いじゃないです。どんな自分でも、これが自分ですってドンと出せるし。すごく楽です。」

どうしても周りの評価を気にしてしまうのが人間であるが、萩原さんのように「自分の点は自分でつける」ことができたとき、自分の仕事ができるようになるのだろう。

出所:『ひととき』2011年9月号p.40-43.
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