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『わが家の母はビョーキです』(読書メモ)

中村ユキ『わが家の母はビョーキです』サンマーク出版

著者の中村さんが4歳のときに、家庭内のストレスから統合失調症になってしまったお母さん。「死んでしまえ」「殺せ」といった幻聴が聞こえたり、夜中に叫んだり、包丁で娘を追いかけまわしたりしてしまうお母さんと30年以上も過ごしてきたユキさんが描いたマンガエッセイが本書。

リアルな統合失調症の実態が伝わってきた。

この本を読んでわかったことは、統合失調症は100人に一人の割合でかかる脳の病気であること。早めの治療が大事であること。定期的な服薬が欠かせないことなど。

そばで支援するユキさんの苦労は半端ではないのだが、そこに現れた救世主が、大らかな旦那さん(介護士)と地域生活支援センター。特に、地域生活支援センターは、統合失調症の仲間が集い、専門家が支援する場。ここに通うようになったお母さんの病状は大きく改善すると同時に、ユキさんの気持ちにも変化が。

「誰かに苦しい胸の内を聞いてもらえるというコト…困ったときに相談できるというコトがこんなに心を軽くしてくれるなんて!!」(p.110)

悩みを聞いてあげることの大切さが実感できた。

ちなみに、『わが家の母はビョーキです2』では、旦那さん、ユキさん、お母さんとの関係が描かれており、夫婦の関係や家族の絆について考えさせられた。



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