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強みを軸に仕事を広げる

『ワインズバーグ、オハイオ』(上岡伸雄訳、新潮文庫)の訳者あとがきによれば、著者のシャーウッド・アンダーソンは、短編が高く評価されているのに対し、長編作品はあまり評価されていないらしい。しかし、短編作品だと、なかなか後世に残りづらい。

では、なぜ『ワインズバーグ、オハイオ』がアメリカ文学において重要な位置づけにあるのか?

それは、この作品が短編集ではあるものの、同じ町で起こった出来事を、中心人物であるジョージ・ウィラードを絡ませながら描いているからである。つまり、短編と長編を組み合わせた小説になっているのだ。

ドラッカーの本を読むと「強みを生かせ」という言葉が何度も出てくるが、シャーウッド・アンダーソンは自分の強みである「短編」を前面に出しながら、長編としても読める小説を書いたからこそ、後世に残る作家になったといえるだろう。

あらためて、「自分の強みを軸にして、仕事を広げる」ことの大切さを感じた。

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