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半生をリフレクションに費やす

宮本武蔵が実戦で戦ったのは、若いときだけである

「武蔵は二十代でその生涯のおもな勝負をしとげたが、三十代になると兵法というもののおそろしさを知った。そのおそろしさをどう克服すべきかということが彼の三十代以降の課題になるのだが、それほどに考えているかれからみれば、生兵法の剣客が軽々に勝負、試合ということばを吐くのが、殺してやりたいほどに腹だたしかったにちがいない」(p.42-43)

ということは、10~20代の実践を「リフレクション」していたのが30代以降ということになる。

13歳で有馬喜兵衛という兵法者を打ち殺し、62才で亡くなった武蔵。

ほぼ半生をリフレクションに費やし、そこから武蔵流の哲学をひねり出したのは凄いことだな、と思った。

出所:司馬遼太郎『宮本武蔵』朝日文庫


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