宮元皮膚科クリニックのブログ

毎日の診療の中で気づいたことや気になることを書いています。
皮膚病や肌のトラブルのさまざまなアドバイスをいたします。

お子様のかゆみ

2013年12月03日 19時15分21秒 | 診断と治療
東京は、異常乾燥注意報が続いています

天気予報の週間予報では、あと一週間は晴れが続くとのことです。

空気の乾燥は、ますますひどくなると思います。

当院はまだ暖房をかけていませんが、それでも室内の湿度は30パーセントくらいです。
皆さまのお子様の通う保育園、幼稚園、小学校、中学校、そして塾などは、暖房がついているようです。
室内の湿度の低下は深刻と思います

空気の湿度が40パーセントをきると、皮膚のトラブルはぐっと増加します。
暖房の部屋の湿度はおそらく20パーセントくらいでしょうから、その部屋に長時間いるお子様の皮膚がかさかさになるのは当然でしょう。

今日も、小さなお子様の皮膚のかさつきや湿疹、かゆみのご相談がたくさんありました。
一人のお母様が、お子様の背中のぶつぶつと強いかゆみを心配されて
「食べ物のアレルギーでしょうか?」
とご相談されました。
皮膚をよく観察すると、背中に一面に細かい湿疹がみられます。
全身の皮膚はかさついて白っぽくなっていました。
かきむしって、こまかい傷がみられます。
よくお聞きすると、このかゆみは一週間前くらいからだそうです。
お子様は保育園に通っており、保育園では一週間前くらいから床暖房をつけ始め、その床暖房の上でお昼寝させるそうです。
そうです
まさにこれが原因でした。

床暖房やホットカーペットの上に寝転がったり座ったりすると、小さなお子様の皮膚は全身ひどく乾燥します。
やがてかゆみや湿疹が出現してしまうのです。

ファンヒーターの風の前に近寄ってしまうお子様の皮膚も、ひどい乾き方をします。

最近の暖房器具は、お子様の皮膚を虚弱にするばかりか、アレルギー性の皮膚炎やアトピー性皮膚炎などをひきおこす可能性があるのです

では、どうしたら、丈夫な皮膚を作れるのでしょうか。
それは。
1.シャワーでなくゆっくりと入浴をし、適度に発汗のくせをつける。
2.入浴後には、すみやかに全身に保湿クリームをぬる。
3.綿素材のぴったりとした下着を着せ、その上に何枚かの重ね着をして、汗が蒸発しにくい状態にする。
4.暖房はなるべく控える。こたつや電気ストーブ、オイルヒーター、石油ストーブなど、温風の出ないものを選び、部屋をあまり暖めないようにする。

これらを毎日行っている私の皮膚は、毎日潤っておりかゆみも出ず、静電気もおこりません。
もちもちしっとりしていると、気持ちまで優しくなりますよ

暖房の使用を控える習慣をつけている私は、重ね着が当たり前になっており、最近は暖房のついた暖かい部屋にはいられなくなりました。
気持ちが悪くなってしまうんです。
なんでも習慣だな・・・と思います。

お子様のかゆみをおこすのは、大人に原因があると思います。
学校や自宅の過剰暖房の原因は大人です。
ぜひとも、意識してください


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