日本全土が戦場化
核・生物・化学攻撃を想定
自衛隊300基地2万3000棟強化
参院予算委 小池書記局長、防衛省資料示し追及
日本共産党の小池晃書記局長は2日の参院予算委員会で、防衛省が全国約300の自衛隊基地に保有している2万3000棟を、化学、生物、核兵器などの攻撃に耐えるよう「強靱(きょうじん)化」するため、ゼネコン関係者との意見交換会を昨年12月23日と今年2月2日に開いていたことを明らかにしました。小池氏は「日本全土の戦場化」を想定したものだと追及しました。
計画は「しんぶん赤旗」日曜版2月26日号がスクープ。これを受け、小池氏の求めに応じ防衛省が資料を提出しました。資料(図)には自衛隊施設の強靱化に関し「CBRNe(シーバーン)に対する防護性能の付与」などと明記。防衛省の杉山真人大臣官房施設監はCBRNeについて「化学、生物、核、爆発物等による攻撃のこと」だと答弁しました。
防衛省は5年間で約4兆円をかけ、10年後までに約300の自衛隊基地を強靱化する計画を示しています。
小池氏は、防衛省自身が「これまで経験したことのない規模の事業量だ」と書くほど、すさまじい基地強化だと指摘。「日本が敵基地攻撃を行えば反撃され、日本中が攻撃にさらされる危険があるから、これだけの基地の強靱化を進めるということだ」と迫りました。
さらに、政府が敵基地攻撃能力の保有を「抑止」のためだと言いつつ、安全保障3文書では、その抑止が破綻する可能性に言及していると指摘。「軍事に対し軍事で構えれば、無限の悪循環になる」と批判しました。
岸田文雄首相は「平和国家の歩みは変わらない。さまざまな装備は大事だが、問題はそれをどう運用するかだ」などと強弁。小池氏は「運用は政府に任せろということだ。法治国家が崩れてしまう。専守防衛を投げ捨てる敵基地攻撃、大軍拡は日本中に戦火を広げ、国民の命を危険にさらす」として、徹底した外交努力を行うよう求めました。