2023年6月17日(土)
大軍拡推進 負担は国民
共産党反対 軍拡財源法が成立
井上氏が討論
安保3文書に基づく大軍拡予算を捻出するための軍拡財源法が16日の参院本会議で、自民、公明などの賛成で可決、成立しました。日本共産党、立民、維新、国民などは反対しました。
同法は、国立病院機構と地域医療機能推進機構(JCHO)の積立金や、外国為替資金特別会計繰越金などの税外収入を複数年度にわたって軍事費に充てる「防衛力強化資金」を創設するためのものです。
共産党の井上哲士議員は討論で、違憲の敵基地攻撃能力保有を含む大軍拡を推進する法案だと指摘。同能力は米軍指揮下で計画立案から攻撃目標分担、攻撃などを繰り返すのが実態であり、「米国の際限のない戦争に巻き込まれかねない」と強調しました。
また、米国の要求を受け、FMS(有償軍事援助)による米国製兵器の爆買いが急増していると指摘。無人偵察機グローバルホークなどFMSで購入する兵器は価格が大幅に増大しており、「FMSが青天井に膨れ上がるのは必至だ」と批判しました。防衛省が発注前にゼネコンの意向を聞くアンケートを実施しており「談合の動きが復活している。事業を抜本的に見直すべきだ」と迫りました。
井上氏は、東日本大震災の復興特別所得税や国立病院積立金などの転用は許されず、「大軍拡のために将来にわたり国民に負担が押し付けられるのは重大だ」と強調。防衛省が複数年度にわたって使える防衛力強化資金は「予算の単年度主義、財政民主主義を壊す」と批判しました。
維新、国民は反対しましたが、討論で「(政府は)核抑止戦略が欠落している。核は最大の抑止力だ」(維新の梅村聡氏)、「防衛産業の収益性改善をしなければ防衛力強化は実現しない」(国民の大塚耕平氏)などと述べ、いっそうの軍拡をけしかけました。