柳蔭書翰

徒然なるままに、音楽関連の話題に拘らず、常ならんこの世の事々書き散らし諸兄のお耳汚しに供したく思います。

表層

2008-03-03 08:41:37 | Weblog
ソニー、ガンガン来ますね。矢沢永吉にもったいないって言わせて東芝にとどめを刺した後は、こんどは映像器です、いい画面で見なきゃと来ます。うまいですねぇ、矢沢の芝居っ気も鼻につかずにいいできですよこのCF。もう一つ、おうおうと思わせたのは渡哲也を使った第一三共製薬の宣伝です。安い薬(ジェネリックと呼ばれる薬)を使いましょうというのは医療費削減を図る国の施策、こちらのCMには高橋英樹やら加山雄三が使われてましたが、こちらは「どんな薬かだけでなくどこの薬かを確かめましょう」なんてコピーです。ジェネリック云々とは先発品後発品という区別なんです、同種の薬でも先発品には製薬会社が多額の投資をしています、特許がおよそ10年保障されます、そのあとに後発品が出てきます、値段が半分以下です。三共製薬(最近第一製薬と合併しましたから第一三共と呼称が変わりました)は名だたる先発品メーカーです。高脂血症薬のメバロチンとか痛み止めのロキソニンとか飲まれている方も多いでしょう、このメーカーです。新三共胃腸薬ってのもそのままの市販薬です。ジェネリック向きの風に逆らうべしの宣伝です。いいですねぇ、こういうのも意図がはっきりしていいですよ。そう思いました。やるねぇ、です。
 クロスカントリーの放映を偶々見ていて、高校時代からの長距離スター、東海大の佐藤を実業団の飛松がかわすを見て何だか嬉しかったことでした。飛松も箱根を走った人で、帝京大でしたかね、風貌がおっさん顔で肩いからせて前傾姿勢で走る「異様さ」は当時から有名な人でした、広島での都道府県駅伝の常連でもあり(佐賀の人でしたか)よくTVに映る人です。でも一番にならぬ人でもあって知る人ぞ知るの域を出ていない憾みがあったのですが(つまり私がこの人のファンであるだけのことなんですが)、その時はインタビュー受けてました、初めてこの人の声聞きましたが、まぁこれまた顔に似合わぬ高い声、へぇこんな声なんだと笑ってしまいました。今後はクロカン王子と呼んでくれなんても言ってました。ははは。古い漫才の突っ込みです、笑わせるは顔だけにせい!
 毎日新聞に編集委員が書いています、イージス艦事件についてです。進退と後継を巡って無責任な詮索にふけるのを観客民主主義というんだそうです。誰の命名かは知りません、この人の造語かもしれません、でもうまい表現ではあります。事の真実究明や今後の対策よりも、芸能ニュース並みの極めて表層の責任論だけを追う現況を皮肉ってのことでしょう。同じ文章で、同郷一党の連帯と組合長の穏やかな貫禄を挙げて、房州勝浦の漁師の佇まいを賞しておいて、最後にこう書きます、痛恨の勝浦漁港の静けさに比べ、さして切実でもない評論家の激高ぶりはどうか、少しは恥じるがいい、と。おお、本当に毎日新聞かい?でもTVやら新聞やらこそが表層なのです、事実を追いかけるっていう言い訳はスキャンダラスに傾くが常です。こういうときに役立つのは週刊誌です、新潮やら文春やらの硬派誌。こちらも逆向きに振れすぎる嫌いはもちろんあるのですが、でも人命最優先イデオロギィと実生活とのギャップをどう埋めるかには役立ちます。特に詳しいことを何も知らない大多数の国民にとって、表の情報でアウトラインを知っておいて週刊誌で裏を聞くというバランスは必要なものと思います。沖縄の話もイージス艦の話も表だけでは見えない(見せない)背景があるわけです。評論家こそ知識の差、思想の差、品格の差が万別です。どれが本当なのか、自分の鼻を利かせるしかないわけです。
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