柳蔭書翰

徒然なるままに、音楽関連の話題に拘らず、常ならんこの世の事々書き散らし諸兄のお耳汚しに供したく思います。

賛否

2015-07-05 09:44:57 | Weblog
oxi と nai。何度も何度も映像が流れます。オヒー、ネと呼ぶんだそうです、反対、賛成です。これまた最近TVでアメリカの議会の映像もよく流れて、こっちの賛成反対は yea と nay です。yes,no の慣用語ですね。小難しく言い換えるやつです、諾と否と言ったニュアンスですか。はい、いいえを賛成反対、同意拒否と言い換えるような。yea は辞書見るとイェイの発音です[jei]、英語の歌聞き慣れてる者には馴染みのある yeah とは違うんでしょうが、この系列ですね。高島忠雄の決まり合いの手だったイェエ~とも違いますか(古っ!)、でもyesの意ではあります。こっちでなくてnaiです。てっきりnayのギリシャ語表記だと思いますよね。ドイツ語もフランス語も皆同じラテン語起源でしょう、na-とくればnoと思いますよね。じゃなくて賛成です。ややこしい。そしてさらに何に反対かと言えば、EUやIMFの勧告、財政再建提案に対してという二重否定のような提示です。普通は暫く辛い暮らしをさせるけれどここは再建のために辛抱してくれと政府が言うべき(筈)です、そうじゃなくて今の首相はEUの言いなりになるな!反対してくれと言ってるのです。さらにややこしくしてます。ここぞとばかりに専門家達が解説してます、どんな分野にも専門家がいるんじゃのうと雲霞の如く湧き出て来る態には感心することですが、ギリシャの研究家、EUの専門家、経済学者やら歴史家やらが好き勝手言ってるの感です。ギリシアはヨーロッパじゃなくてオスマントルコの一部であってイスラム文化圏なのだという話を聞いてその地政学的な意味、歴史的経緯に改めて感じ入ったり、無理矢理にヨーロッパに組み込んできた側面もあるのだ(米ソに対抗するヨーロッパ連合の意)との話、そして古代文明発祥の地としての国民性云々。EUから離れる筈もないこと、首相はチキンレースを仕掛けているのだと高をくくっている論が大勢のようですが、借金は大きければ大きいほど貸した方が立場が弱いとどの解説者も口を揃えます、踏み倒されるとまずいという理屈です。だからチキンレースを仕掛けられるというわけですが、普通は借金した方がしおらしくするものですけれどね。でもショックドクトリンという本で明らかにされているようにIMFや世界銀行はサンダーバードのような正義の味方、善意の救援者を装ってますが、その実はその国の財産を根こそぎ引っ剥がし、富の分配という美名の下に社会インフラを民営化し大資本グローバル企業が美味しい所をごっそり持って行って、あとは借金の返済ばかりが残るという絵に描いた如き弱肉強食の強欲資本主義の先鋭です。IMFの経済立て直し策をそのまま受け入れた日には南米や韓国のようなひどい目に遭うとわかっての反対ならば、の理ではあるのですが、さらばとて余所からの援助がなければ本物のデフォルトになり、経済だけでなく治安も乱れましょう、国家の体をなさなくなる、するとどこを利しますか、すぐ目と鼻の先で係争しているロシア、そして中国でしょう。アメリカやEUを敵に回しているのはこの二国です。EUは、特にドイツはギリシアを潰せません、ヨーロッパから追い出せません。その弱みをギリシアの首相は見越しているのではあります。多くの専門家達の話の共通点はここのようです。でもこの首相、我らがルーピーのように何を言い出すかわからぬ奴らしいです、それも共通の認識のようです。国民投票に責任転嫁したその先に、のドラマです。他人の不幸なんですがねぇ。気の毒でもあります。
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