柳蔭書翰

徒然なるままに、音楽関連の話題に拘らず、常ならんこの世の事々書き散らし諸兄のお耳汚しに供したく思います。

機微

2022-06-07 08:27:43 | Weblog

東名高速でのあおり運転の末の死亡事故、高裁からの差し戻し審で懲役18年が出たとの報道です。あれは世論を煽るには十分な事件でした、ワイドショーがこれでもかとやってたのを思い出します、ドライブレコーダーの売れるきっかけでもありましたね。2017年の事件と聞いて、ああ、もう5年も経ってるの?との驚きもありました。高速道路上で車を止めるなんてとんでもないと誰でも思うし、果たしてそんなことつゆ思わないで走ってきたトラックに追突されて両親を亡くした二人姉妹の気の毒な事。さぞや怖かったことだろうと皆思い遣ったこと。危険運転罪が適応されるかどうかが争点だと、当初から弁護士たちが話してました。今回も犯人は「事件になるような危険な運転はしてない」と嘯いてるそうです、もちろんそれは弁護士の戦略ですが。車を止めて路上に降ろしてという行為が「運転」なのかという解釈疑義です。三百代言たちの面目躍如ではあります。法律の文言の読み方です。事故の因果関係は明らかにしても、その罪状が該当するか否かです。こいつが直接に撥ね飛ばしたのではないですから殺人罪は当たらない(殺人罪ですけどね状況的には)、ましてや殺そうとしたのではないと言えばそれまでのこと。未必の故意ってやつを言い募るしかないのですが。今次の差し戻し地裁審の裁判長は、差し戻しですから前回同様の判決は出せないわけでしょう、ならばと世論に沿った答えを出して、控訴上告と続いていくその道標を打ち立てたのでした。高速道路上で車を止めさせる行為は「運転」ですわね、車外に降ろす行為はまた別の行為でしょうけれど。と、素人もあれこれ思うこと、裁判の機微ではありますね。

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