柳蔭書翰

徒然なるままに、音楽関連の話題に拘らず、常ならんこの世の事々書き散らし諸兄のお耳汚しに供したく思います。

お愛想

2007-11-11 09:42:45 | Weblog
中国新聞、コラムで再び三たび新井に憾み節です。でも、泣くくらいなら出ていくなという一評論家のものとは違い、送り出してやりましょうっていう歓送会的泣きです。新井ですか?きっと黒田と同じこと考えてるんです、ここにいたら一生(と言ってもあと長くて10年のことでしょうが)うだつが上がらない、弱小チームのエース、四番で終わりだ。万年Bクラスのチームに、華のないチームに、観客が入らないチームに(去年の黒田行くなパフォーマンスは、あれは集団ヒステリーでしたから)いたいですか?。日頃のゲームの観客数見てご覧なさいな、広島も札幌も福岡も人口じゃぁ遜色ないんですよ、それがあの差。球団の営業努力が足りない?そうでしょうね。金を掛けなさすぎる?そうなんでしょうね。大投資してそれを上回る収入を得るっていう冒険ができない。つまりは負け犬根性が染みついちゃったってわけです。それとガチガチの日本人気質、司馬遼太郎が言ったように、20世紀の戦争に元亀天正時代の武器使っている、日清日露の戦勝モードがずっと通用すると思っている、変化するを嫌う、怖れる気質。さようあの何十年も前の黄金時代の夢の中に居続けたいんです。自前の選手で戦う、チームで育てる。これが広島だって言い訳します。確かにあの頃はそうだったんでしょう、たまたま優れ物が集まってました、高橋、正田、山崎と俊足スイッチヒッターが三人、山本浩二、衣笠、水谷とクリーンアップは動かず、役者達川(その前は水沼、道原)、そしてきらめく投手陣、北別府、川口、大野、川端、津田・・。巨人みたいにあちこちから集めたのではなく、自前で育てた選手ばかりという自負です。外人は必ずいましたけれど。そしてそれが意固地にも、「去る者は追わず」なんてことになって、川口先頭に江藤の金本のって出て行っちゃった。引き留めないんでしょうね、金銭闘争はしないなんていって。チームの中心を抜かれる事態が続いて今です。おまけに自前が育たない、なかなか化けてくれない。特にピッチャー。ほんとに黒田以外に勝てるピッチャーいないですから。東出がだめでしょう、梵ももう一つ化けられないです。高橋を追い出した野村のようなタマがいないんです。思い出しましたが、野村が入団した年、何年かは忘れたですがあの頃は広島にいてよく球場に行ったもんです、当時は山本浩二が監督でした、野村を使うんですが先発で使わない、ベンチスタートで途中から出てくる、サード、ファースト、外野、バッテリー以外全てのポジションです。そして何故かショートに使わない。もともとショートが専門です、ショートには高橋慶彦がいます。あれが不思議でしたね。でも、次の年はショートの先発は野村で固定でした、高橋出番がなくなってロッテ、阪神と渡ることになりました。後で考えるに、あの一年目はあるいは高橋と球団(監督)との間に今年はショートは俺だ、後は勝負するなんて約束があって、球団は高橋を切るって方針だったのでしょう、一年目は高橋の顔を立てて、って寸法。中日に立浪が入った頃でもあり、阪神のサードには掛布がいて、直に見て、おお、と思っていた頃です。いえ、野村の話じゃなかったです、新井の話。今朝のTBS番組で張本が言ってます、条件のいい方に行くんだ、マネーゲームになってしまう、だからこのFA制度自体がよくないんだなんて。つまり巨人のように金つぎ込めるチームが結局勝ってしまうから、って言います。誰でも給料高い方に行くでしょう?なんて理由です。その通り。その通りなんですが、それなら何であんな所で泣くんだ?金で動くんなら、アメリカにやってきて空港での記者会見の席、あれやこれや矢継ぎ早に質問を受けてジョンが言い放った如く「 money first!」とでも言えばいいこと。義理と人情の関係がどこまで通用するのか。これも神風信仰と並ぶ日本人気質の大きな柱の一つでしょう。「義理と人情」対「契約と金」。自分が輝いている人ならどこにいても周りから寄ってきましょうが、そこまで才能も華もない者にとっては光の当たる所へ行かねば自分に当たりません。黒田も新井も十分に気づいていたのでしょう。黒田は一応義理人情の筋を通しました、でもこの一年すっかり棒に振りました、広島にいる広島ファンと広島というチームが何も変わらないこともわかったのでしょう。例えば、観客数が倍増したとかそういうことなら、チームがせめて3位になるとかであれば、話は違ったでしょうが。自分だけが頑張ってもどうにもならない、それは野球ばかりやってきている身、骨身に沁みた原則でしょう、だからこのチームを出るんですね。そう言えばいいんじゃないんですかねぇ。給料の多寡じゃない、なんて嘘言わずに。出るのが辛い、なんてお愛想言わずに。
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