柳蔭書翰

徒然なるままに、音楽関連の話題に拘らず、常ならんこの世の事々書き散らし諸兄のお耳汚しに供したく思います。

専門バカ

2008-07-23 08:43:19 | Weblog
大分の教員採用に係る贈収賄事件、あれもこれもと底抜けの様相ですが、何を今さらのように大仰に驚いてみせるんですかねマスコミ。こっちに口利きがきいて、昇進やら異動やらに口利きがきかないわけがないじゃないですか。同じ奴が決定権を持っていたというのも組織的な怠慢ではあるのでしょうが、元々がそういう構造であればその地位につくことが利権ですから。あの手この手でその地位を得るわけですわね。それこそ任命権者への賄賂諂い接待作戦。膿を出し切れなんて言うのは簡単ですが、膿を出しても(目の前の小悪を切っても)また膿は溜まります。誰がやっても同じことなんですから。清廉潔白が服を着たような石部金吉の登場を待つしかないのですか。人格者を待つよりは早いことでしょうか。
 竹島の次は(調子に乗って)対馬です。韓国の退役軍人の集団が今度は対馬に乗り込んでるんですって。何年も前から韓国人が大勢で対馬にやってきて漁場を荒らすわ無体をやるわで色々報道されています。北朝鮮に射殺された事件はどうなったんだ?朝鮮人というのはとにかく反日じゃないと気が済まないというわけです、北も南も。日本が嫌いなのはそれはそれで構わないのですが、歴史を手繰ってあれこれ言いがかり付けるなら中国やロシアの属国化植民地化していたかも知れぬ自らの来し方を、翻弄されるしかなかった自国の来し方を人の所為にしないで考えてみたらいいことと思うことです。
 映画監督の大林宣彦が日経で話しています(7/21)、専門家意識が国を滅ぼすという見出しで。専門家の物知らずが日本をおかしくしているという論です。専門家と言われて何でも分かったような気になると人の話を聞かなくなる独善独断に流れていくという筋です。賛成です。というか、これは昔から識者に指摘されていることで、司馬遼太郎は、日本の専門家はまず「そんなことはできません」から入るという意味のこと言ってました。これもグサッと刺してるでしょう?素人があれこれ聞いたり文句言ったりしても「専門家達」はまず言いますね、薄ら笑い浮かべて、それができれば世話ないんですができないんですよ・・って。身近にいくらでもこんな例あるでしょう?典型は役所。役人やら法律屋達は決まりを盾にできませんと言う。医者やら技術者達は自分の技量ではなくて一般論、教科書的な知識を振り回して、できませんと言う。自分が工夫して何とかしましょうなんて言わないでしょう?まずできませんと言ってから始まるんです。その通りですね。それに通じる看破ですが、評論家の渡部昇一は、専門家の誤りを見抜けるのは素人の素朴な疑問だという意味のことを言ってます。これ初めて読んだときに(若い頃でしたが)感動しましたね、専門家になってましたから自分が。最も単純な(素朴な)質問にドギマギすることが多いのです。慣習という独善を繰り返しているだけですからね専門家達は。そこにグサリと気づかされたこと思い出します。一方で、昨夜NHK特集でやってました、山口県下松市の板金職人、新幹線のあの顔をハンマーで叩き出す職人物語です。その道何十年のベテランが言います、工夫しないと前に進めない、辛抱して続けないといい仕事なんかできない。人からの要求にできないと言ったらそれで終わりだと。こっちは「できないと言わない」です。どちらも専門家に違いないんですが、もちろん職種が違うし、「できない」で済む専門家とそれじゃ現状も維持できないという職人とでは比べようもないことですが、日々の工夫、人と違った視点技術というところには強く惹かれます。バカ専門家にならぬ為には職人気質の爪の垢が必要なんでしょう。昨夜はこのコントラストの鮮やかさに見入るばかりでした。
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