柳蔭書翰

徒然なるままに、音楽関連の話題に拘らず、常ならんこの世の事々書き散らし諸兄のお耳汚しに供したく思います。

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2007-11-17 08:43:20 | Weblog
承前。混合診療の話です。どこかの訴訟で、地裁が混合診療を禁ずる法的根拠に乏しいなんて理由で国を退けて(原告勝訴)、舛添厚労相は原則は原則だと控訴したという記事がありました。保険の利かないところだけ自費負担する、それでいいじゃないか、という論です(現行の保険診療の仕組みについては昨日の拙稿見て下さい)。別に問題ないようですが、これを許すとどうなるか。今それでなくても医療費破綻と喧しいご時世です、国は何とか医療費削りたいんです、そこに持ってきて混合診療許すとなると役人はどう考えますか?削りたいでしょう?つまり自己負担分をこれを機会に増やしていけ!って計算になるでしょう?簡単ですよ、保険の利く範囲を狭めればいいんです。ちょっとずつ、今まででも連中提案してきたんです、例えば風邪薬とか湿布薬とかビタミン剤とか、こういう薬局でも買えるような薬から保険適応から外していこうという魂胆。そんなところに混合診療解禁してご覧なさい、血圧の薬、コレステロールの薬などがすぐに対象になります、ここは数の多いところですから余計ですが、未だ病気にない人の、予防に係る薬は保険適応外ですなんて言って。そして鎮痛剤とか眠り薬の類。そして検査料金。今三割負担ですが、あっという間に逆転しますよ、自己負担7割。今の倍です。きっとそこから始まって、結局は高額先端医療にだけ保険が利くって形になる、すれば毎月毎月給料の一割近くを天引きされている保険料が馬鹿馬鹿しくなる、少々の日常の病気や怪我には保険が利かなくなれば保険料収めるのが馬鹿馬鹿しくなる、保険制度が破綻する。そういう図です。日本の医療における皆保険制度は世界に冠たる理想的な制度なのです。癌患者の薬に対する不満はよく理解しますが、混合診療解禁ではなくても対応できることでしょう。改革という名の明らかな改悪、制度破綻は避けねばならぬ事です。目先に囚われてはなりませぬ。そう強調したいことです。
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