柳蔭書翰

徒然なるままに、音楽関連の話題に拘らず、常ならんこの世の事々書き散らし諸兄のお耳汚しに供したく思います。

対立

2014-09-23 09:26:35 | Weblog
プーチンさんが今秋来日予定だった所延期されたそうです。新聞によればアメリカの反対があってのことだそうです。ひとえにウクライナ対立を受けてですね。ここはわかり易い。安倍さんとすればここを機にプーチンさんの歓心も買っておこうという思いがありましょう、一応西側の一員として国際法を盾に正論側に立ちながら、それでも強硬さを一呼吸二呼吸緩めておいてあわよくば北方領土問題やシベリア樺太の天然ガス供給事業も進めたい、言う所の弱みにつけ込む手です。敵もさるものです、そんなに簡単に乗ってはこないことでしょうが、NATO軍の強硬さ(さりとてその実は抑止力的には冷戦時代とは比べ物にならぬことらしいですが)の後ろでこそっと手招きするの図です。後ろでごちゃごちゃ何やってる?アメリカにすればそうですわね。こっちはイスラム国やシリアへの軍事介入もせねばならぬのです。怒りますわね。それでなくてもオバマは戦争下手ですから。プーチンさんとすれば見返りちらつかせて敵陣営をを切り崩して行く真っ当な戦略ですわね。どっちがタヌキかの化かし合いみたいなことでしょうが、今この時点でアメリカに一喝されれば言うこと聞くばかりでしょうね、日米同盟、西側同盟は対中韓戦略のど真中ですから。イスラム国問題はどうですか。まだまだ対岸の火事ですか。やってることはえげつないですが、邦人が殺されたら手を振り上げる段取りでしょうか。でも宗教ってのはすごいもんだと思いますね。いえ他人事ではありませぬ、日本人は無宗教だと、一神教ではない八百万の神の国だと、だから宗教がらみのトラブルはないのだとよく言いますが、戦前戦中の一種の狂気は人間の共通する性を露わして余りありましょう。あの時代の日本人も原理主義者だったわけですから。そして十字軍よろしくキリスト教徒が異教徒を成敗する。先の大戦の顛末も、現在のイスラム教徒の征伐機運も全く同じ構図です。ヒトの行動動機ってのは有史以来全く変わっていないわけです。春秋ローマの時代から人の考え方は変わっていないと山本夏彦翁は喝破しましたが、これを別の言い方すると歴史は繰り返すとなるのでしょう。異教徒は即ち劣等民族であるから啓蒙開化するという建前でキリスト教徒が世界を略奪征服収奪破壊してきた歴史です。中東で起こりつつあることはまさに現代版十字軍です。国連とか世界平和とかグローバルとか人の本能や性癖を抑え込む概念や装置は次々に出来上がっていますがしかし、所詮は白人(キリスト教圏)の恣意に任されているルールなのです。そうやって戦後の世界は回って来ているのです。戦後レジームからの脱却とはこういう根深いことでもあるのです。
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