つかこうへいの追悼記事が各紙に載ります。私はこちら(演劇、観劇)に全くの無知門外漢で、別役実とか野田なんとかとかこのつかこうへいとか名前だけ知ってる素人ですが、一度だけ芝居を見たことがあります。光市民ホールでつかこうへい劇団(大分劇団だったかと記憶してますが、違うかもしれません)の売春調査官だったかの芝居でした。女房が学生時代にかじっていて、一家言ある人、評論家の目で見られる人なので、解説聞くには適当な環境なのですが、しかし観て、解説なんかいらない、びっくりしたこと覚えてます。まさに百聞は一見に如かずです、圧倒されました。まず声がでかい、みんな叫んでます。そしてセリフのテンポの速いこと早いこと、一人のセリフの言葉尻にどんどん次を重ねて行く速さです。テンポのいい漫才のあれです。どっちがまねしているのか知りませんが、この二つに圧倒されて、口あんぐり開けている間に一幕が終わってました。正直言って内容がどうのこうのじゃないんです、内容を味わう以前の圧倒です。はぁ、これが芝居かい・・NHK中継される商業演劇(こういう区別も後で女房に解説受けたものですが)しか知らぬ、もっと端的には藤山寛美や吉本新喜劇ばかり見て大笑いしてきた身にはまさにカルチャーショックでした。はぁ、こういうのが東京には溢れているのね、という感慨でした。興味のあるなしがまず第一であるにせよ、そういう芝居を簡単に観に行ける環境のあるなしの差は甚大なりやと感心した次第でした。大阪、名古屋、博多などの都会でもそれに準じた環境は見いだせるのでしょうがそこはやはり東京に敵うものではないでしょう。況や田舎町をや。追悼記事を味わうにはこの人の芝居を多く見ている必要があるのでしょうが、私はただの一回、しかもおそらくはフルキャストではない芝居を見ただけなのですが、これほど強い印象が残ってます。やはり只者ではない、のでしょう。ちなみに女房は、風間杜夫や今は亡き三浦洋一たちの熱海殺人事件を観たそうです。はぁ、花の東京なんですねぇ。少しだけ悔しいことです。合掌。
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