MEDINT(医療通訳研究会)便り+

医療通訳だけでなく、広く在住外国人のコミュニケーション支援について考えていきます。

いろいろ考える秋・・・

2013-11-04 00:00:00 | 通訳者のつぶやき
11月になりました。

去年の今頃は朝から晩まで社会福祉士の受験勉強だったので
それから考えるとずいぶん時間が過ぎた気がします。

嫌なことは早く忘れる・・・
これは人間が生きていくための本能かもしれません。


10月は神戸市外国語大学・神戸市看護大学の医療通訳・コーディネーター講座
大阪大学大学院の医療通訳コースの授業に行きました。

どちらも参加者は熱心な方々でしたが、
やはり痛感するのは、看護系学生と語学系学生の医療通訳に対する温度差です。

看護系学生は、実習などで外国人患者に遭遇しており、
困った経験やこうすれば良かったという後悔などをすでに体験しています。
外国人患者は他の配慮の必要な患者と同じように
今後、必ず看護をする対象者の中に位置づけられています。
だから、医療通訳は避けては通れない、とても身近な存在でもあります。

かたや語学系学生は
地域のボランティアをしたり、学習支援をしたりといった体験がないと
在日外国人の人達を身近に感じる経験はあまりありません。
自分からコミュニティに飛び込んでいったり、
興味をもってその言語の人々に近づくことがなければ、
言語にもよりますが日本の中の外国人に目を向ける機会は少ないと感じます。

なので医療通訳講座の参加者では
やはり看護系の方々の方が熱心で参加者も多いと感じています。

でも私は語学系の立場にいるので、
語学系の学生に頑張って欲しいと願っています。

なぜなら、その言葉ができるということで、
ご近所で、病院で、保健所で人助けをする機会があるかもしれないから。
言葉は、ただ単に情報を集めたり、発信したりするだけのものではなくて、
困っている人を助けることができるものだから、
その言葉を専攻していることに誇りを持って欲しいからです。

できれば、私は語学を学ぶ人の嗜みとしてみんなに医療通訳を学んで欲しいとも思います。
語学が出来る人を医療通訳に育てるのは難しくないけれど、
看護系学生が英語以外の言語を今から勉強するのは本当に大変です。
やはり高度な通訳は言語系学生から出てほしいというのが本音なのです。

参加していた数名の言語系学生はちょっと肩身の狭い思いをしたかもしれません。
でも、私は皆さんに期待しています。

また、愛知県立大学の医療分野スペイン語・ポルトガル語講座でも感じましたが、
看護系と語学系を一緒にトレーニングするのはなかなか難しいです。
選択科目と共通科目に分けて、苦手分野を克服する形が望ましいですね。

PS:5日(火)ラジオ関西の三上公也の情報アサイチ!に出演させてもらいました。
医療通訳研究会の活動とコープともしびボランティア財団からの助成の感謝を述べてきました。
様子は三上さんのブログに書かれてあります。  
こちら

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