通訳者や学生、医療従事者で外国語の出来る方から、「どうやったら医療通訳者になれますか」という質問を受けます。実はこの質問はとても大きな問題を抱えています。今回は少し事例を離れてこの質問に対する私なりの回答をしてみたいと思います。
医療通訳は人の命にかかわり、その責任は重大です。絶対に間違えられないし、難しい専門用語も出てきます。専門的な知識と高い語学力だけでなく、クライアントのプライバシーを守る倫理観を兼ね備えていなければできません。ですから、医療関係者の中には、医療通訳者も当然、公的な資格を持っていると考える方が多いようです。
しかし、「私が医療通訳です」といえば、医療通訳者というのが現実です。
公的な資格もなければ、弁護士や医師のように、資格がないのに仕事をすることで罰せられることはありません。日本における語学の資格は種類が非常に少なく、それだけで医療通訳者としての資質を示すことのできるものはありません。ですので、少数言語の場合、まだ初心者であっても、通訳ができるというだけで、深刻な病気の告知や手術や輸血の説明などの非常に難易度の高い通訳をせざるをえない場面に遭遇することがあります。誤解されないように付け加えるならば、通訳者は最初から万能ではなく、様々な経験をつみながら育っていきます。ですから、その能力も様々で、能力にあった通訳現場でなければ、クライアントに迷惑をかけてしまうことだってあります。
また、逆にベテランのプロの通訳なのに、ボランティアと思われたり、きちんと報酬を払ってもらえないということもおこります。また、そうした問題を話し合ったり、社会に対して問題提起する医療通訳者の団体や組合もありません。
英語以外の医療通訳者が圧倒的に不足している中で、活動している医療通訳者を振りわけてしまうと、ますます足りなくなると危惧する声も聞こえてきます。
私たちは、この問題とみなさんと一緒に考えていきたいと思っています。
医療通訳は人の命にかかわり、その責任は重大です。絶対に間違えられないし、難しい専門用語も出てきます。専門的な知識と高い語学力だけでなく、クライアントのプライバシーを守る倫理観を兼ね備えていなければできません。ですから、医療関係者の中には、医療通訳者も当然、公的な資格を持っていると考える方が多いようです。
しかし、「私が医療通訳です」といえば、医療通訳者というのが現実です。
公的な資格もなければ、弁護士や医師のように、資格がないのに仕事をすることで罰せられることはありません。日本における語学の資格は種類が非常に少なく、それだけで医療通訳者としての資質を示すことのできるものはありません。ですので、少数言語の場合、まだ初心者であっても、通訳ができるというだけで、深刻な病気の告知や手術や輸血の説明などの非常に難易度の高い通訳をせざるをえない場面に遭遇することがあります。誤解されないように付け加えるならば、通訳者は最初から万能ではなく、様々な経験をつみながら育っていきます。ですから、その能力も様々で、能力にあった通訳現場でなければ、クライアントに迷惑をかけてしまうことだってあります。
また、逆にベテランのプロの通訳なのに、ボランティアと思われたり、きちんと報酬を払ってもらえないということもおこります。また、そうした問題を話し合ったり、社会に対して問題提起する医療通訳者の団体や組合もありません。
英語以外の医療通訳者が圧倒的に不足している中で、活動している医療通訳者を振りわけてしまうと、ますます足りなくなると危惧する声も聞こえてきます。
私たちは、この問題とみなさんと一緒に考えていきたいと思っています。