MEDINT(医療通訳研究会)便り

医療通訳の制度化を目指す医療通訳研究会(MEDINT)のコラム
~みんなで 医療通訳者を増やし、守り、育てよう!~

伝言ゲーム

2016-11-08 00:00:00 | 通訳者のつぶやき
社会福祉士の授業の中で
アイスブレークとして「伝言ゲーム」をしました。

前の人の伝言を伝えて後ろの人にまわす
よくある伝言ゲームです。

メモ取りを禁止していたわけではないし、
時間を競っていたわけでもなく、
普通に前の人が言ったことを伝えるだけ。
全然難しくはありません。

なのに7人目の一番後ろの人には
季節や場所や名前などが間違って伝わっています。

これが私にはどうもわからないのです。

通訳者は言葉を発した人が言ったとおりの言葉を
短期的に記憶して、別の言語で訳出します。
日本語→日本語なら短期的に記憶してそのとおり言うだけの至極単純な作業です。
ため息や「え~と」といういい淀みまで再現してもおかしくありません。

なのになぜお話の根幹である季節や場所や名前が
間違って伝わるのか・・・・。

これはたぶん、「聞き方」の違いなのだと思います。
対話の中では細かいことを聞き漏らさずに聞くのではなくて
話を大枠で聞いてイメージするのが日常的です。
大切なことには耳をそばだてるけれど、
あまり重要じゃないときには聞き飛ばしてメモリを節約します。
つまり、聞き逃しても大変かどうかを判断しながら聞いている気がします。
よりわけて聞いているのだと思います。

しかし、通訳の場合は
通常、この言葉が大切かどうかをよりわけることはしません。
発語された言葉はすべて訳するのが原則です。
伝言ゲームのように再現することは日常茶飯事にやっているのです。

すべてを聞くから逆に、
いらない修飾語や挨拶や「事前のお断り(もしも・・たら)」みたいなものが
ごたごたとくっついているのに中身のない言葉は大きなストレスになります。

政治家の言葉はそういうものが多いですね(笑)。

最近「やさしい日本語」を医療従事者や行政窓口にという研修依頼が多いのですが、
「やさしい日本語」は通訳しやすいシンプルな日本語です。
聞いていてもイメージが浮かびやすいし、間違いがないので合理的でもあると思います。

話は変わりますが、
講師の仕事をはじめた頃、自分の話し方にコンプレックスがありました。
どうしたら聞き取りやすい日本語になるんだろうと
3年くらい悩んでいる間、落語を聞くことにしました。
結局、話している内容は同じでも話の「間」が大切だということに気づきました。
同じ日本語でも、「間」の違いで届くものも届きにくくなる。
自分も含めて、対話を仕事で使う職業人は「届く言葉」を意識しなければと思います。

余談ですが、最近では「落語」を聞くと眠くなるため、
朝の通勤ではハードロックを聴いてます!!
元気が出ますよ~。
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