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映画俳優のパトリック・マクグーハン氏Patrick McGoohan(以下敬称は略)が亡くなりました。81歳で、死因は未公表です。この記事を書いているほんの数分前に知りました。
先日ちょっと記事にしたピーター・フォーク主演の「刑事コロンボ」にたびたびゲスト出演し、監督も担当したりしましたので、彼の顔に見覚えのある方も少なくないかと。最近では、「ブレイブ・ハート」での出演が知られていましたかね。「大陸横断超特急」での冷酷極まりない悪役や、「アルカトラズからの脱出」でのこれまた冷徹な刑務所長役も印象的でした。余談ですが、後者の映画では、日本のテレビ放送版の声の吹き替えでは、クリント・イーストウッドの声を山田康夫が担当して、マクグーハンの声を納谷悟朗が担当していました。これ、お分かりでしょうか。「ルパンⅢ世」です(笑)。
マクグーハンは、1928年ニューヨークに生まれました。名前からわかるようにアイルランド系アメリカ人です。生後間もなくアイルランドに移り、さらに英国に移住します。
カトリックの司祭になることも夢見ていたとのことですが、結局演劇の道にすすみ、アマチュア劇団で実力をつけていきます。IMDbによると、1954年に初めてのテレビドラマに出演、1955年にスクリーンデビューします。当然端役ですが。
1967年、「プリズナーNo.6」に出演して、英国でも最高レベルの俳優とまで言われるようになります。主演・企画・演出などもこなし、マルチな才能を開花させました。
70年代から米国で活躍することが多くなり、コロンボシリーズや前掲の映画などにも出演するようになってきます。70年代が、彼がもっとも知名度の高い映画に出演した時期でしょうか。
80年代以降はさすがに活動も少なくなってきますが、ピーター・フォークとの交友関係もあり、コロンボの新シリーズに出演、監督、脚本をしたりもしました。あるいは、フォークの認知症発症を、彼も悲しんでいたかもしれません。
俳優としての活動の最後は、2002年に声の出演をしたのが最後、それ以降は映画界から引退、カリフォルニアで余生を送っていたそうです。
正直このブログの読者の方でも、マクグーハンと聞いてすぐピンとくる方は少ないかもしれませんが、あの怜悧な表情は、個人的にはほんと忘れられません。「アルカトラズ・・・」など、実在の人物をここまで悪く演じていいのかとすら思いました。観客にそこまで思わせる凄みをもつ役者さんでした。
私は知らなかったのですが、彼はジェームズ・ボンド役の候補の一人だったそうです。が、幸か不幸か、彼はそれを演じることがありませんでした。どうも、役が彼の好みに合わないところがあったみたいです。
なんか、私が愛する役者さんがまた一人亡くなってしまい、残念な限りです。敬虔なカトリックだった氏は、いま神のもとにいるのでしょう。ご冥福をお祈りします。
1月17日追記:同じく刑事コロンボで犯人役(「闘牛士の栄光」)を演じたリカルド・モンタルバン氏も亡くなりました。同じくご冥福をお祈りします。コロンボの犯人役の役者さんもどんどん亡くなっていきます・・・。
もうまんまアイリッシュ系で、個人的には好みです。
アメリカといえば、私の好きな画家のアンドリュー・ワイエスも亡くなり本当に時代が流れていると痛感します。
ボンド役辞退は初見でしたが、以前(最新作のボンドは”別物”なので)は厳格そうでお茶目なキャラでしたので、演じなくて正解だった気がします。(笑)
>厳格そうでお茶目なキャラでしたので、演じなくて正解だった気がします
私も同感です。たぶん、彼がもしボンドになっていたら、いい悪いはともかく、かなり違ったシリーズになっていたでしょうね。