ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)

映画、旅、その他について語らせていただきます。
タイトルの由来は、ライプツィヒが私の1番好きな街だからです。

おもわず「おいおい」と思う記事(追記あり)

2023-08-24 00:00:00 | 社会時評

過日こんな記事を読みました。

ジュース1本「万引き」で逮捕、20年続く懺悔「思うような人生、僕は歩めなかった」

読んでいて「おいおい」と思いました。リードの部分を。

コンビニで盗んだ1本のジュースが原因で、20年間も苦しみ続けている人がいる。

30代の杉沢幸助さん(仮名)は中学生当時、親友だと思っていた友人から頼まれて「万引き」し、逮捕された。追いすがった店員にケガをさせた罪悪感にさいなまれ、精神疾患を発症し、思うような人生を歩めなかったという。

昨今は、いわゆる「闇バイト」に手を出した若者が強盗や詐欺などで逮捕される事件が目につく。杉沢さんは「快楽や一時の欲望から安易に一生後悔することだけはしないでほしい」と呼びかける。(聞き手:編集部・塚田賢慎)

で、記事中私が、ほんと馬鹿だなあと思ったのがこちら。

「万引き」を指示した親友が知らん顔して遠くから見ていた記憶があるそうだ。

「もし断ったら、親友が離れていくと思って引き受けてしまいました。店に入ったときから怖くてビクビクしていました」

親友だと思えばこそ、警察署の取り調べでは「出来心でやった」と友人をかばうような供述をしたという。

あとになって知ることだが、友人は「俺のことを警察にしゃべったら杉沢を殺す」と友人らに話していたそうだ。

ご当人現在

高校卒業後、定職にはついていない。発達障害も判明し、福祉作業所で掃除などをしている。

とのこと。

そういうひどい経験をしたから、精神疾患でもおこしたのか、発達障害だからこのようなよろしくない事態になったのか、そのあたりは定かでありませんが、そんなことを他人に「しろ」なんていう人間はまともではなく、そんなクズ野郎「友人」じゃないでしょう(苦笑、他人事だから笑います)。現実には、杉沢氏がこのクズ野郎のことを警察に話したところで殺されはしなかったでしょうが、それにしたってひどい話です。ていうか、私が杉沢氏なら、当時の心境という限定でも、こんなクズ野郎を「友人」「親友」だなんてぜったい表現しません。当たり前でしょう。

というようなことを考えていたら、ちょうどいいといっていいのかどうかは定かでありませんが、こんな記事がありました。

「友達のために万引きしてあげた」“家にも学校にも居場所が無い”少年院の少年たち【news23】

18歳少年「友達のために万引き」して“関係を維持できる”感覚に

(中略)

少年院送致18歳(傷害)
「ADHD(注意欠如・多動症)とLD(学習障害)という特性があって、クラスに居られなかったりして。よくわからないけど横柄な態度をとったり暴れたりしていたので。小4の時に担任の先生がみんなの前で僕のことを『悪いことで有名な問題児だ』って言ったことをきっかけに、悪い方向にしか居場所が無くなったって言うか。家でも親に縛られて暴力されて。本当に自信が無くて。モノとかで釣るって言うか、友達のために万引きするとか」

――万引きしたものをあげると友達は?

「『ありがとう』って。“これで関係を維持できる”って感覚になりました」

写真も同じ記事より。

2024年5月6日追記:この記事の動画をはっていませんでしたので、下にはります。

「友達のために万引きしてあげた」“家にも学校にも居場所が無い”少年院の少年たち【news23】

前掲の杉沢氏はなんとか警察までで済んだようですが、傷害までしてしまったから、被害者が厳しい態度に出れば少年院送致の可能性もありました。この18歳の少年も、杉沢氏の立場とよく似ているように感じます。発達障害の持ち主だったり、たかだか友人関係を維持するためにそこまでしたりする判断力の悪さなど。教師が

悪いことで有名な問題児だ

と言ったというのもどうかと思いますが、つまりはそれくらいどうしようもなく教師もまったく対応できない状況だったのでしょう。やや極端な言い方をすれば、ミニ「福岡商業施設女性刺殺事件」の加害者少年のようなものではなかったか。この加害者の少年も、あまりにひどすぎてまったく学校などでも対応できなかったようです。私の同級生にもそのような男がいました。弱い者いじめ、教室内での奇声、徘徊その他。あまりにひどすぎて、教師も同級生も呆然としていたくらいです。けっきょく学校に通えなくなり、家出、最終的に警察に保護されて、施設に移送されました。

杉沢氏は、少年院に行ったり非行少年のための施設に移送されるほどひどい人間ではなかったのでしょうが、それでも現在社会生活に対応できる人物でもなさそうです。私の元同級生が現在どういう生活をしているのかは当方知りませんが、あのままではとてもまともな社会生活ができるようには思えません。彼はおそらく何らかの治療を必要とする人物だと思います。が、現段階彼がそのようなものを受けているかは不明ですが、たぶん受けていない可能性の方が高いでしょう。それもどうかです。

ほんと世の中、杉沢氏といい、杉沢氏に万引きをそそのかしたクズ野郎、あるいはその他この記事に登場した人物みな、非常に社会に迷惑をかける連中だと思います。杉沢氏だって、最悪突き飛ばした人が頭でも打って死ぬ可能性だって、低いでしょうが、ないわけでもない。その後彼が苦しむとしても、これくらいですんでよかったということでしょう。ほんと、いろいろな意味で非常に困ったものです。


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2 コメント

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Unknown (アンドリュー・バルトフェルド)
2023-08-24 22:36:53
虐めは、断ち切れないと「その後が地獄」と言うことは強調されて然るべきですね。
杉沢氏の場合は「誰か咎める人はいなかったのかよ
という思いがあります。
彼の認知能力がどれだけかに拠らず「君は犯罪の片棒を担がされている」と指摘すべきかと。

アイドルが虐められたことのインタビュー記事を読んだことがありますが、何とか我慢してなくなったことに関しては「奇跡」と思ったことがあります。
虐められても我慢する方便として「人の噂も七十五日」という言われ方もされましたが、「相手の行為を犯罪に当てはめて指弾しなきゃどうにもならない」という思いがあるからです。
方や小学生時代に虐めていた人と中学は別になったものの、高校で再会して2年生の時に同じクラスになったことでその年の秋に上京することを決めた人の記事も読みました。
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>アンドリュー・バルトフェルドさん (Bill McCreary)
2023-08-27 17:27:52
残念ながらとがめてくれる人がいなかったんでしょうねえ。実際学校をやめた後もストーカーみたいに付きまとわれて殺されちゃったような人もいいますからね。このあたりはシビアに対応しないといけません。
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