ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)

映画、旅、その他について語らせていただきます。
タイトルの由来は、ライプツィヒが私の1番好きな街だからです。

羽生善治ですら、50歳くらいになるとなかなかタイトルを取るのが難しくなるということだろう

2021-07-09 00:00:00 | Weblog

先日報道された記事を。

>藤井聡太二冠が棋聖戦五番勝負3連勝で初防衛 史上最年少でのタイトル防衛と九段昇段を果たす
2021年7月4日 00:12

 愛知県瀬戸市出身の将棋の藤井聡太二冠が、棋聖戦五番勝負で渡辺明名人に3連勝し、史上最年少でのタイトル防衛と九段昇段を決めました。

 藤井二冠と、三冠を保持する挑戦者の渡辺明名人との対戦となった棋聖戦五番勝負は、藤井二冠の2連勝で迎えた第3局が3日、静岡県内で行われました。

 対局は、両者1分将棋に入る熱戦となりましたが、最終盤で藤井二冠がリードを奪い、勝利しました。

 これで、藤井二冠は、18歳11カ月で自身初のタイトル防衛を果たし、屋敷伸之九段(49)の19歳0カ月を抜き、タイトル防衛の最年少記録を更新しました。

 藤井二冠は、「『タイトルを防衛して一人前』という言葉も将棋界にはあるので、防衛という結果を出せたことはよかったのかなと思っています」などと話していました。

 また、藤井二冠はこれでタイトル通算3期となり、最上位の九段に昇段し、渡辺名人が持っていた21歳7カ月の九段昇段の最年少記録も更新しました。

 一方、藤井二冠の地元、愛知県瀬戸市にある「せと銀座通り商店街」では、市民が勝負の行方を見守りました。

 午後7時すぎ、藤井二冠の勝利が決まると、大きな拍手が沸き起こり、市民らがくす玉を割り、タイトル初防衛と九段昇段を祝いました。

3連勝というのはなかなかすごいですね。特に防衛する側が3連勝というのは、挑戦者よりもすごいといえばすごい。やはり挑戦者は勢いがありますから。つまりそれだけ藤井という人が強いということです。もちろん相性もあります。渡辺は、あまり藤井と相性がよくないのも事実です。もっとも藤井と相性のいい棋士などそうはいません。

前に私は、次ような記事を書きました。

これも時代の曲がり角なのかも(将棋の羽生善治が無冠になったことについて)

羽生は、2017年12月に、竜王位を失い、その後も20年の竜王戦に挑戦して3-4で敗北、最近

羽生善治九段敗れる「作戦に問題あった」藤井聡太王位への挑戦権獲得ならず
[2021年5月24日18時51分]

藤井聡太王位(棋聖=18)への挑戦権を目指す、将棋の「おーいお茶杯第62期王位戦」挑戦者決定戦、羽生善治九段(50)対豊島将之竜王・叡王(31)戦が24日、大阪市「関西将棋会館」で行われた。

対局は110手で豊島が勝ち、挑戦権を獲得した。タイトル獲得通算100期目を目指す羽生の、昨年秋の竜王戦以来のタイトル戦登場はならなかった。

敗れた羽生は終盤、劣勢を意識して右手で頭をかきむしりながら指し手を考える。最後は、攻防ともに見込みなしと判断したか投了して、じっと首をうなだれていた。終局後、「2筋の歩の突き捨てが問題だったのかもしれない。作戦の組み立てに問題があったような気がします。ちょっとずつ攻めが細くなり、苦しくなってしまった」と絞り出した。

今回の挑戦者決定リーグ白組では、永瀬拓矢王座に敗れたものの、長谷部浩平四段、池永天志五段、近藤誠也七段、佐々木大地五段と若手を下して、4勝1敗のトップ。紅組を4勝1敗で制した豊島との決定戦に勝ち上がった。「どの対局も大変だった。そういう意味では充実したリーグだった」。まだまだ、タイトル戦の挑戦者争いに絡んできそうだ。

といった感じで、記事自体勝った豊島より負けた羽生の方を大きく取り上げているわけでそれもどうかですが、ともかくなかなかタイトル挑戦権の獲得も厳しいという感があります。いや、私も正直藤井と羽生のタイトル戦には大変興味はありますが。中原誠と羽生のタイトル戦も、けっきょく実現しませんでしたし、こういうのも巡り合わせもあるので難しいところはあります。

ところで何回も引用しますように(上の記事でも引用しました)、谷川浩司がA級から降級した際、前出の中原が

>大山康晴先生も私も、50歳を過ぎるととたんに苦しくなりました。

と語っていました。私は上の過去記事で、この中原の言葉を羽生は

>打破できるか、例外になれるか、私もこれから羽生の動向を見守っていきたいと思います。

と書きました。時効ですからもう書いてしまいますと、私は「やっぱり羽生だから、また近いうちにタイトルは取るのではないか」と考えていました。中原発言の引用のすぐ前で

>もちろん上の記事にもあるように、このまま羽生が黙っているということもないかと思います。これで彼が二度とタイトルを取れないとも思わない。

と書いているのはそういうことです。が、実際には難しかったということであり、今日にいたるまでタイトルを取っていません。

中原は1947年生まれ、羽生は1970年生まれ、藤井は2002年生まれです。中原と羽生は23歳差、羽生と藤井は32歳の年齢差があるわけで、10歳弱の年齢差の違いはだいぶわけが違います。私としてはぜひ羽生と藤井のタイトル戦というのは観てみたいのですが、なかなか実現も難しいですかね。あるいは可能性としては、藤井が持っているタイトルに羽生がチャレンジする可能性のほうがありうるかもです。中原の場合、1993年の名人戦で名人を失位、その年度の王将戦で谷川浩司に挑戦して敗北、これが最後のタイトル戦登場となりました。その後2008年8月に病気となり翌年の3月31日にて引退をしてます。つまり中原とはいえ40代半ばまでしかタイトルに関われなかったわけです(ただしかなりいい線までは、何回かいっています)。羽生は今年52歳です。正直タイトルと関われる時間がそんなに長いわけでもないでしょう。

なおこちらのサイトによると、2021年7月3日現在で、この2人の対戦成績は、藤井からみて4勝1敗とのこと。羽生がタイトル戦で藤井に勝つのは現状むずかしそうですが、ここはぜひ実現してほしいと思います。それにしても天才・羽生ですら50歳を過ぎてタイトルにかかわるのはとても厳しいというのは、やはり考えさせられますね。昔と比べればプロの将棋指しのレベルも格段に上がっているし、将棋に対する姿勢も現在の棋士の方がはるかにシビアです。そういう点で50歳でタイトル戦に挑戦した羽生はそれだけでもすごいですが、タイトル奪取というとまた次元が違いますからね。その厳しさはさらに上がります。

なかなか羽生も、今後の棋士生活は過去のようにはいろいろうまくいかないと思いますが、しかし彼にはあともう何タイトルかは取ってほしいですね。やはり藤井と戦って羽生に負けていただいて、時代の変化を明らかにしてもらえればいいのではないか。もちろん羽生が勝って藤井の壁になってもらえばそちらの方がおもしろいかもです。

これからも折に触れて将棋の話は書いていきます。


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