ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)

映画、旅、その他について語らせていただきます。
タイトルの由来は、ライプツィヒが私の1番好きな街だからです。

韓国(民)同様、台湾でも中国の台湾侵攻などというものを本気で警戒してはいないのだろう

2024-01-11 00:00:00 | 社会時評

なかなか興味深い記事です。


台湾 “中国 衛星搭載ロケット発射 上空通過” 混乱伝えられず
2024年1月9日 22時00分 

台湾国防部は9日午後、中国の衛星を搭載したロケットが台湾本島の上空を通過したと発表しました。住民らの携帯電話には警戒を呼びかけるメッセージが警報音とともに届きましたが、混乱は伝えられていません。

台湾国防部によりますと、日本時間の9日午後4時すぎ、中国 四川省の西昌衛星発射センターから衛星を搭載したロケットが打ち上げられ、台湾本島南部の上空を通過しました。

同じ時間帯に中国がこの衛星発射センターから探査衛星を搭載したロケットを打ち上げたと国営の中国中央テレビなどが伝えていて、台湾側が発表したのはこのロケットを指しているとみられます。

台湾国防部は、ロケットが飛行した高度は大気圏外だったとしたうえで、軍が把握した軌道などの情報に基づいて警戒システムが起動し、住民らの携帯電話に警戒を呼びかけるメッセージを送ったとしています。

ロケットの打ち上げから10分余りあと、住民らの携帯電話には「防空警報」というメッセージが警報音とともに、少なくとも2回届きました。

メッセージは中国語と英語が併記され、このうち中国語では「衛星発射」となっていたのに対し、英語では「ミサイル発射」となっていて、台湾国防部は「不注意だった」として陳謝しましたが、混乱は伝えられていません。

台湾のテレビ局TVBSは当時、南部の高雄を訪れていた蔡英文総統が、周囲の人たちの携帯電話の警報音が鳴る中、「大丈夫だ」と笑顔で話す様子を報じました。

一方で、TVBSは、2023年12月も台湾国防部が中国の衛星発射を複数回発表したのに、9日のように「防空警報」のメッセージが送られることはなかったとして、疑問を呈する記者のリポートを伝えています。

台湾の外交部長「中国の挑発に乗ってはいけない」
台湾外交部の呉ショウ燮部長は、外国メディア向けの会見の中で、「中国による発射はこれまでも定期的に行われているが、今回は、総統選挙の前という敏感な時期に行われた。台湾の人々に、中国と戦争になる危険があるということを知らせたいのだろう」と述べ、今回の発射が、武力攻撃に至らないグレーゾーンの手法で、台湾の人たちに影響を与えようとしたものだとの見方を示しました。

その上で、「中国の挑発に乗ってはいけない。我々の民主的な選挙が権威主義によって介入されたり、決められたりすることがあってはならない」と述べました。

※ショウは「かねへん」に「りっとう」

最大野党 国民党「総統選挙が近づいたら大げさに警報を出した」
一方、台湾の最大野党の国民党は「おととし8月に中国が発射したミサイルが台北上空を通過したときや、12月30日に衛星を搭載した中国のロケットが台湾上空を通過したときも、民進党政権は何もしなかったのに、総統選挙が近づいたら大げさに警報を出した」などとするコメントを発表し、与党の民進党が中国の衛星打ち上げを選挙対策に利用しているという見方を示しました。

記事中


メッセージは中国語と英語が併記され、このうち中国語では「衛星発射」となっていたのに対し、英語では「ミサイル発射」となっていて、台湾国防部は「不注意だった」として陳謝しましたが、混乱は伝えられていません。

台湾のテレビ局TVBSは当時、南部の高雄を訪れていた蔡英文総統が、周囲の人たちの携帯電話の警報音が鳴る中、「大丈夫だ」と笑顔で話す様子を報じました。

というのが興味深いですね。総統も、笑顔で対応したというのですから、つまりはそんなに深刻なものと考えてはいなかったということでしょう。

それでこれは、私がいくつかの記事で指摘した次の件と似ているような気がしますね。

無事帰国しました

もはや韓国(人)にとっては、北朝鮮は「脅威」「打倒の対象」よりもメロドラマのネタ程度のものなのだろう(たぶん日本も同じ 関川某も自分の書いたことを撤回しろとおもう)

つまりは、韓国大統領にとっても大した脅威ではないということだ

韓国も軍事政権末期ですでに、北朝鮮をさしたる脅威と考えていなかったのではないか(何をいまさらながら、拉致被害者家族会の安倍傾倒に心底から呆れかえる)

韓国でも日本でも、北朝鮮の脅威なんて、そんな程度のものだということだ

詳細については上の記事でご確認いただければ幸いとして、つまりは、北朝鮮が核実験をしても韓国民は動揺しないし、北朝鮮はメロドラマのネタになるし、自称対北朝鮮強硬派の大統領も映画を観続けるし、軍事政権末期で事実上「戦争の危機も過去のものである」という趣旨のナレーションが公の組織と思しきところから流れるし(というのは、少々意訳した解釈でありますが、そんなにひどい無理筋の解釈でもないでしょう)、韓国での防空訓練に参加者はしぶしぶつきあうし、北朝鮮がミサイルを撃っても、自民党の国会議員ですらその関係の会合にろくに出席しない始末なわけです。つまりは、そんなものは「脅威」の名に値しないという考えであるということなのでしょう。

だいたい上の国民党の指摘など、一種の「禁じ手」に近いものすらありますが、こんな話が堂々と流れるくらいで、つまりは誰も中国が台湾に統一戦争を仕掛けるなんて真面目に考えていないということでしょう。なお韓国では、北朝鮮関係のトラブルが起きたときに映画を見続けた大統領を野党側が非難しましたが、映画を見続けたかどうかはともかく、野党側が政権を握っていたとして、そんなに厳重抗議ほかの対応をしたかどうか。適当に流した可能性の方が高くないか。それで台湾はどうかといいますと、

金門島住民の状況が、中台危機(中台有事)が起きる蓋然性の実情ではないか

でご紹介したように、金門島では国会議員から一般住民にいたるまで「中国ウェルカム」なわけです。それは、中国のほうが台湾本土よりこちらに金を落としてくれるのだからそうなるのは当たり前。その記事で引用した地元住民の声をご紹介すれば、


金門島の商店店主
「私たち(金門島の住民)は、中国との緊張なんて気にしてません。一般市民は商売が繁盛することが大事です」

金門島には目立った産業がなく、経済を中国からの観光客に頼っています。

コロナ前は年間のべ200万人の中国人が訪れていたといい、島民からは中国との往来再開を期待する声も聞かれました。

金門島の商店店主
「もちろん、中国人には来てほしい。台湾の客より多いからね」


「人民解放軍がやってきて国民党軍を追い払い、“金門を解放する”と言ったら従いますか?」

 と尋ねてみると、事もなげにこう答えた。

 「もちろん。私たちの土地をきちんと治めてくれるなら、台湾でも中国でもいい。今は民進党も国民党もダメ。中国本土のほうが景気もいいからね。それで金門島の経済が潤ってくれるなら、大歓迎だね」

 市場で麺を売っていた20代の夫婦にも同じ質問をしてみた。夫は金門島に生まれ、台湾本島の大学を卒業後、島に戻って4カ月間の兵役に就いた。兵役後も島に留まり、実母が営む飲食店を手伝っている。

 「中共がここを占領したら? その時の政治状況を考えて最善の選択を考えればいいさ」

 台湾本島の彰化県出身の妻も、「台湾に戻るかどうかは分からない。まずは夫の判断に従うわ」とのこと。

というわけです。2番目の引用の夫婦の発言は、中国の台湾占領なんかあるわけないということが前提のセリフでしょう。ほんとにやばかったら、逃げ出すか、さもなければ台湾政府が強制疎開させる可能性もある。フロントの金門島住民ですらそうなのだから、その他の地区では推して知るべしのたぐいでしょう。

南北朝鮮では韓国の方が北朝鮮よりずっと大国だし、中台では、中華人民共和国のほうがもちろんはるかに巨大だし国際的にも認められていますが、そういった立場や状況の違いを超えて、韓国も台湾も、建前はともかく本音は同じようなものでしょう。そしてそれは、日本人も同じでしょう。実際朝鮮戦争が終わって(休戦のあつかいですが実質終戦でしょう)今年で71年、金門島では1958年から砲撃があり、これが70年代の終わりまで続いたとのことですがそれからだって四十何年です。ずいぶん長い時間がたっています。

なおこの記事は、bogus-simotukareさんの下の記事からヒントをえました。お礼を申し上げます。

今日の中国ニュース(2024年1月10日分)


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