ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)

映画、旅、その他について語らせていただきます。
タイトルの由来は、ライプツィヒが私の1番好きな街だからです。

人間が長生きになった大きな理由の一つが、冷暖房の整備と普及にあると思う

2015-08-18 00:00:00 | Weblog

私が住んでいるあたりは、先週になってからはだいぶ暑さも和らいだ感がありすが、しかしそれは私が暑さになれたせいもあり、やっぱりまだまだ暑い状態が続いています。

それでこの猛暑のせいもあり、マスコミも行政その他も、繰り返し熱中症の危険を携行しつづけています。たとえば、連日40度近い気温だったという群馬県館林市のHPを見てみますと、

>館林市の暑さ対策情報

というページがあり、そこには、

暑さマメ知識


一人ひとりが熱中症に関する正しい知識を持ち、自分の体調の変化に気をつけるとともに、周囲の人にも気を配り予防を呼びかけ合って、熱中症による健康被害を防ぎましょう。

 

とあります。

それで過日、非常に悲劇的な報道がされました。高齢3姉妹が熱中症で3人亡くなったという事件です。

>2015.8.8 16:37

「エアコン嫌い…」高齢3姉妹そろって死亡、熱中症か

 8日午前10時5分ごろ、東京都板橋区板橋の民家で、この家に住む無職、蔵津直子さん(90)と、湯浅登喜さん(86)、坂本登茂さん(82)の姉妹が倒れているのを訪ねてきた知人女性が発見。すでに死亡していたといい、警視庁板橋署は熱中症の疑いがあるとみている。

 同署によると、蔵津さんは寝室で、湯浅さんは玄関で、坂本さんは居間で倒れていたといい、いずれも外傷はなく、死後3~4日経過しているとみられる。

 親族に同署が事情を聴いたところ、姉妹は普段から「エアコンが嫌い」と話していたといい、使用した形跡はなかった。都内では7日に今年最高気温の37・7度を記録しており、35度以上の猛暑日が続いていた。

先々週の暑さは「エアコンが嫌い」ということで使用しないという次元ではないと思いますが、それでもこのような方々もいるということです。これも困ったことです。エアコンを使えばたぶんこの3人の方々も熱中症にならずに亡くならないで済んだ可能性が高いでしょう。

それにしてもこの事件は残念ですね。もちろん独居の方の熱中症死もあってはならないことですが、しかしご高齢とはいえ3人でお住いだったわけですからね。別に身内と付き合いがなかったというわけでもなかったようだし、本来なら熱中症死を防げる可能性が高かったと思います。しかしかなわなかった。残念ですが、しかしいかんともしがたいと思います。

さてさて、最近日本人がまた平均寿命が延びたということが報じられました

>日本人平均寿命、過去最高を更新 女性は3年連続で世界一

 2014年の日本人の平均寿命は女性86・83歳、男性80・50歳で、いずれも過去最高を更新したことが30日、厚生労働省が公表した簡易生命表で分かった。

 女性は3年連続で長寿世界一となり、男性は前年の4位から3位に上がった。13年と比べると、女性は0・22歳、男性は0・29歳延びた。

 主な国・地域の平均寿命をみると、女性は日本に続き、香港が86・75歳、スペインが85・60歳の順。男性はトップが香港の81・17歳で、アイスランドの80・8歳、日本、シンガポール、スイスが80・5歳で続いた。

これは日本人に限った話ではありませんが、私は、人間の寿命が伸びた理由の一つが、たぶん一般家庭における冷暖房設備の整備があるだろうと考えています。もちろん医学の発達、人間の健康に対する意識の向上、救急医療における救命率の向上、重労働の減少、上下水道の整備、衛生状態の改善その他は当然の前提です。

昔は今ほど都市化やコンクリートブロックなどではなかったし、ヒートアイランド現象なども今日ほどひどくなかったわけですが、それにしても冷房設備の発達は、熱中症による死や、そうでなくても身体の弱っている病人が暑さにやられて亡くなるということを大幅に減らしたわけです。よく酷暑の東南アジアなどで猛烈に冷房をきかせるということが言われますが、まさに東南アジアの人たちは、暑さに身体をやられている経験が周囲にありふれているので、冷房をがんがんにきかせているのだと思います。つまり冷房によってだいぶ人間の身体は助けられているということです。

もちろんこれは、冬の暖房も同じです。人間すぐに凍え死んでしまいますから、北の国では暖房は必ず完備していますが、これもいろいろ改善されてきて、たとえば昔は冬の明け方にお手洗いに行ってそこで脳卒中になり死亡したなんてことが多かったわけですが、これも家じゅうだいぶ温かくなってきたので、脳疾患による死亡もだいぶ減ってきました。もちろん減塩指導とかで血圧も下がってきたこともあります。

昔は、100歳まで生きるというのは、夢のようなものでした(以下、長生きが幸せかどうかというような議論はこの記事の趣旨に無関係ということでよろしくお願いします)。こちらのサイトによると、2014年時点での100歳を超える人の人数は、58,820人、人口10万人あたり42.76人です。これは、絶対数も10万人あたりの数でも世界一だそうです。2位のフランスが36.5人。100歳以上の人口については、3億人の人口がいる米国を絶対数で上回っているくらいです。

>100歳以上の日本人は、調査が始まった1963年には153人だった。その後98年に1万人を突破。 2012年に5万人を超え、年3000-4000人 のペースで増えている。

とのことですから、つまりはたった50年くらいで60,000人近く増えちゃったわけです。厚生省のHPを見ていましたら、1915年の出生数は1,799,326人だそうです。この世代は戦争で死んだ人も多いし、また移民その他で日本を出て行った人もいますから単純計算はできませんが、ごくおおざっぱに言って、1915年に生まれた人の450人から600人に1人くらいは、100歳まで生きそうだということです。私は医学には全く素人ですが、豊かで平和な時代の日本で生まれ育ち、生きてきた人たちは、たぶんこれをはるかに上回る数の人たちが100歳を超えるんだろうなと思います。100年生きるのは、もはや夢でも何でもありません。

そういった現状を支えている大きな側面が、私は冷暖房だと思うわけです。私や読者の皆さんが生まれてから100年後は、さらに日常生活は快適になるでしょう。そしてそれは、私たちの長寿をさらに後押しするのだと思います。

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 自分では気の利いたことを言... | トップ | 行くのはやめろと説得されて... »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (bogus-simotukare)
2015-08-19 19:15:21
■読売新聞『占領前文書焼却を指示…元法相 奥野誠亮さん 102歳』
http://www.yomiuri.co.jp/matome/sengo70/20150810-OYT8T50122.html
 「文書焼却」なんて「今さらの話」ですがまだ奥野って生きてるんですねえ。とっくに死んでるかと思ってました。小生は奥野のような極右は大嫌いなので言葉を選ばずに言えば「死ねばいいのに」と思いますね。

■東京新聞『「100歳銀杯」が安い代替品に 長寿化進み対象者190倍』
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2015081902000255.html
 百歳を祝い、老人の日(九月十五日)に首相から贈られる純銀製の「銀杯」(八千円相当)について、厚生労働省は来年度から安価な代替品にするなど見直す方針を決めた。贈呈は一九六三年度に始まったが、長寿化が進み、半世紀で対象者は百五十人余りから約二万九千人に激増。昨年度の予算は約二億六千万円に達し、財政負担が大きすぎると判断した。

150人が29000人ですからねえ(絶句)。
返信する
>bous-simotukareさん (Bill McCreary)
2015-08-20 23:45:51
そうなんですよね。奥野はまだ存命です。私も大っ嫌いな人間ですが、しかし100歳超えてインタビュー受けているのは、すごいといえばすごい(苦笑)。それにしても、Apemanさんのところのコメント欄でも指摘がありましたように、奥野がその件を全然反省していないというか、自慢しているのがなんとも(呆れ)。まあ死ぬまでクズです。

>厚生労働省は来年度から安価な代替品にするなど見直す方針を決めた。贈呈は一九六三年度に始まったが、長寿化が進み、半世紀で対象者は百五十人余りから約二万九千人に激増。昨年度の予算は約二億六千万円に達し、財政負担が大きすぎると判断した。

これは致し方ないというか当然ですよね。とてもやっていられないでしょう。これからは、120歳なら・・・なんて時代になるかもです。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。