ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)

映画、旅、その他について語らせていただきます。
タイトルの由来は、ライプツィヒが私の1番好きな街だからです。

羽生善治のいちばん長い日になるか(2022年2月4日に行われるA級順位戦で敗れれば、A級から陥落)(2月5日の追記:やはり降級でした)

2022-02-04 00:00:00 | Weblog

昨今の将棋の話題は、藤井聡太の五冠王なるかということがもっぱらですが、もう1つ、羽生善治がいよいよ順位戦でA級からの陥落の可能性がかなり強くなったというのもまさに時代の象徴かと思います。そしてその日が、本日(2022年2月4日)に来るかもしれません。こちらの記事を。

>羽生善治九段、A級順位戦で連続29期や15連勝など偉大な実績も「降級危機」 大山康晴十五世名人ら過去の名人はどうだった?

将棋界の「レジェンド」である羽生善治九段は、今期のA級順位戦で2勝5敗と負け越していて、A級から降級する危機に陥っている。名人経験者の棋士にとって、それに次ぐA級の地位はとても重いものがある。羽生九段の現状について、田丸昇九段が解説する。

記事の詳細については読んでいただければですが、A級から落ちると、実績はともかく実力は「超一流」とは言いかねるということになります。羽生が無冠になった時点で「羽生時代の終焉か」となりますが、一度A級から落ちるとなかなか復活も厳しいところがあります。それで、羽生は、残り2戦を2勝しないとA級残留はできません。こちらの記事から引用します。

> 最近の両者の調子とデータを基に勝敗と展開を予想してみた。

永瀬王座は順調

<順位戦A級成績>(丸数字は現時点の成績順。段位のあとの数字はリーグ順位)

①斎藤慎太郎八段(1)7勝0敗

②糸谷哲郎八段(4)5勝2敗

③豊島将之九段(2)4勝3敗

④佐藤天彦九段(7)4勝3敗

⑤広瀬章人八段(3)3勝4敗

⑥佐藤康光九段(6)3勝4敗

⑦菅井竜也八段(5)3勝4敗

⑧永瀬拓矢王座(9)3勝4敗

⑨羽生善治九段(8)2勝5敗

⑩山崎隆之八段(10)1勝6敗 *陥落

<永瀬王座の最近10局>

12月2日 棋王戦本戦

対豊島将之九段 ○

12月6日 棋王戦本戦

対佐藤康光九段 ○

12月10日 竜王戦1組

対糸谷哲郎八段 ○

12月17日 順位戦A級

対菅井竜也八段 ○

12月21日 棋王戦挑戦者決定二番勝負第1局

対郷田真隆九段 ○

1月13日 順位戦A級

対佐藤天彦九段 ●

1月16日 朝日杯将棋オープン戦本戦

対阿久津主税八段 ○

1月16日 朝日杯将棋オープン戦本戦

対藤井聡太竜王 ○

1月28日 叡王戦予選

対郷田九段 ○(千日手指し直し)

1月28日 叡王戦予選

対佐藤天彦九段 ●


<羽生九段の最近10局>(相手の肩書は対局当時・未放映のテレビ対局を除く)

11月9日 ALSOK杯王将戦リーグ

対藤井聡太三冠 ●

11月19日 順位戦A級

対糸谷哲郎八段 ●

11月24日 ALSOK杯王将戦リーグ

対糸谷八段 ○

12月3日 竜王戦1組

対佐藤和俊七段 ○

12月6日 NHK杯

対斎藤明日斗四段 ○

12月9日 朝日杯将棋オープン戦2次予選

対青嶋未来六段 ●(千日手指し直し)

12月15日 順位戦A級

対山崎隆之八段 ○

12月18日 ヒューリック杯棋聖戦2次予選

対木村一基九段 ●

1月7日 順位戦A級

対斎藤慎太郎八段 ●

1月26日 王座戦2次予選

対藤井猛九段 ○

(中略)

永瀬王座の直近10局は8勝2敗と順調だ。破竹の進撃を続ける藤井竜王(王位、叡王、棋聖)を破っているのは最近の充実ぶりを示していると言っていいだろう。

 対照的に羽生九段の直近10局は5勝5敗といま一つ調子が上がらない。2021年度(2021年4月~2022年3月)の通算成績は黒星が先行しており、以前はあまり見られなかった終盤での競り負けも多い。

 調子の比較では永瀬王座がはっきり優位に立っている。

直接対決も永瀬王座が大きくリード

 直接対決は15局あって永瀬王座が11勝4敗(1千日手)と大きく引き離し、しかも直近は永瀬王座の4連勝中だ。

というわけです。うーん、ちょっと羽生がきわめてきつそうですね。ところで昨年11月9日に羽生と対戦した時点では、藤井は3冠だったわけですが、それから3か月くらいですでに5冠をうかがっているわけですから、藤井恐るべしというところです。

その可能性は低いと私は思いますが、仮に羽生が2連勝して今シーズンでのA級残留を決めたとしても、来シーズンは多分ですが、今年よりもっと厳しいんじゃないんですかね。かつての羽生は、羽生という名前の顔、名前で勝つ、あるいは有利に立つことができました。しかし現在ではむしろA級の棋士たちからすれば、「今日の対局は羽生さんだから負けられない」「羽生さんだから勝つ」というところがないか。

将棋に詳しい人が何かで書いていましたが、羽生の昨今の不調は、年齢的なものだけでなく、AIによる将棋の進化に対応できていないという部分が大きいのではないかという指摘がありました。その意見がどれくらい妥当なのかの判断を私はできませんが、最先端で将棋の新しい世界を切り開いていた人物が、けっきょく時代の流れに追い付けずに一線から消えていく過程というのは、まさに一世を風靡した羽生のような人間ですとやはり少々切ないものがあります。もちろんそこからさらなる自分の世界を切り開いていくことが、羽生の使命でもあるのです。

A級残留となるか、降級となるか、なったとして引退か、B1級で指すか、フリークラスへ転出するか、どのような結果になろうとも羽生のこれからの動向には目が離せません。読者の皆さまも乞うご注目。

2月5日の追記:予想通りですが、やはり羽生の降級となりましたね。記事を。

>羽生善治九段 「順位戦」敗れる 29年間在籍「A級」から初陥落
2022年2月5日 5時24分 

将棋で史上初の「七冠」を達成するなど、数々の記録を持つ羽生善治九段(51)が4日の対局で敗れ、29年間維持してきた棋士の最も上のランク「A級」から初めて陥落することが決まりました。

棋士のランクは「名人」を頂点にクラス分けされ、このうち最上位が「A級」です。

「A級」には10人が在籍し、「順位戦」と呼ばれる総当たり戦でトップの成績を収めた棋士が「名人」への挑戦権を獲得、一方、下位の2人は「B級1組」に陥落します。

羽生九段は1993年から「A級」に在籍しこれまで1度も陥落したことはありませんが、今期の順位戦ではこれまで2勝5敗と負け越していて、「A級」残留には4日の対局に勝つことが絶対条件でした。

東京の将棋会館で行われた永瀬拓矢王座(29)との対局で羽生九段は敗れて2勝6敗となり「名人」在位期間を含めて29年間維持してきた「A級」から初めて陥落することが決まりました。

羽生九段は1985年に15歳2か月でプロ入りし、1996年には当時の七大タイトルを独占する史上初の七冠を達成したほか、「五冠」「六冠」「七冠」の最年少記録はいまだ破られていないなど、数々の記録を打ち立てています。

対局後、羽生九段は「内容も結果も伴わなかったので降級は致し方ないと思う。来期のことはまだ何も考えておらず、次の1局に全力を尽くしたい」と話していました。

今シーズンは成績も負け越しだし、やはり調子が悪いですね。他の棋士、谷川浩司や森内俊之なども、降級の際は、これではしょうがないというスタンスの談話を出しています。成績や調子が嘘をつかないゲームですから、どうしてもこのような話をせざるを得ません。早い降級となってしまったわけで、羽生もいろいろ悔しいかと思います。記事の繰り返しになりますが、今後の彼に注目したいと思います。


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4 コメント

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将棋の羽生九段がA級陥落 (bogus-simotukare)
2022-02-05 08:45:11
既にご存じとは思いますが。
https://www.sankei.com/article/20220204-KUQDRX4DXBPDLCO6QI5W4T6MNA/
 将棋の十九世名人の資格を持つ羽生善治九段(51)は4日、東京・千駄ケ谷の将棋会館で指された第80期順位戦A級8回戦で永瀬拓矢王座(29)に敗れ、名人の挑戦者を決めるA級からB級1組に初めて降級することが決まった。永世名人の資格を持つ棋士が最上位クラスのA級から降級するのは平成29年の森内俊之九段(51)に次いで、4人目。
 羽生九段は今期、A級7回戦を終えて2勝5敗で10人中、9位。成績下位2人が降級する残留争いの中、3勝4敗で8位の永瀬王座に敗れ、最終局を残して下位2位以内が確定した。
 A級(原則10人)に在籍することはトップ棋士の証しとされている。羽生九段のA級在籍29期連続は中原誠十六世名人(74)と並んで歴代4位の記録で、1位は大山康晴十五世名人の44期連続。
 羽生九段は昭和60年、史上3人目の中学生プロ棋士としてデビュー。平成元年、初タイトルとなる竜王を獲得。A級初参加で6年に初の名人を奪取、8年には全7冠を制覇した。20年、名人獲得通算5期で永世名人の資格を得ると同時に、史上初の永世六冠(永世棋聖・永世名人・永世王位・名誉王座・永世棋王・永世王将)を達成。29年には永世竜王獲得で永世七冠となり、翌年には将棋界初の国民栄誉賞が授与された。
 タイトル獲得は棋聖16期、竜王7期、名人9期など歴代1位の99期。
 A級陥落について、羽生九段は「内容も結果も伴わなかった。致し方ない結果だと思う」と語った。
返信する
>bogus-simotukareさん (Bill McCreary)
2022-02-05 09:45:44
どうもありがとうございます。先ほど私も、記事をちょっと追記しました。

予想通りというところですね。昨日の対局に勝っても、次の対局で勝てる強さでは、羽生はないでしょう。

羽生としても、来期どうするかというのは、現段階まだ心が定まっていないのではないかと思います。
返信する
産経抄(2022年2月7日) (bogus-simotukare)
2022-02-07 21:46:48
https://www.sankei.com/article/20220207-KE4P6YKTNNOBLDFEIECDB44XVU/
 大山名人はガンと闘いながら、A級現役のまま69歳で世を去った。まさに偉業である。中原誠十六世名人、谷川浩司九段ら一時代を築いた名棋士たちは、50代前半でA級から降級した。永世七冠を達成している羽生善治九段(51)もまた、最終局を待たずしてついにその日を迎えた。
(引用終わり)

 時代が違うので単純比較できないとはいえ、やはり「大山は怪物」なのでしょう。
 なお、ウィキペディア『大山康晴』によれば
『A級在籍のまま死去した将棋棋士は山田道美に続き史上2人目であり、後に村山聖もA級在籍のまま死去したが、山田と村山は将棋棋士として絶頂期と言える若い年齢(山田が36歳(特発性血小板減少性紫斑病による急死)、村山が29歳(膀胱ガン))で死去したのに対し、大山は69歳という高齢でA級の地位を維持し続けていた点が特筆に値する。大山が残した69歳4ヵ月のA級在籍記録は将棋史上最年長であり、現在も破られていない。』
(引用終わり)
だそうです。
返信する
>bogus-simotukareさん (Bill McCreary)
2022-02-07 22:06:30
やはり加藤ほかの天才も、69歳とかになるとなかなか勝てませんでしたからね。私は、羽生なら大山にこの点でも追いついて追い越せるのではないかと思っていましたが、想像以上に時代の変化が激しかったと思います。
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