ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)

映画、旅、その他について語らせていただきます。
タイトルの由来は、ライプツィヒが私の1番好きな街だからです。

「マン・オン・ワイヤー」 空前絶後の試み

2009-09-11 00:01:51 | 映画
先日、閉館になった映画館の話を書きました。そこで上映されていた映画について本日は書きます。「マン・オン・ワイヤー」です。(IMDb)

そういえば今日は9月11日じゃないですか。チリでクーデータがあったり、世界貿易センタービルが崩壊したり、郵政選挙で自民党が大勝したりといろいろあった日ですが、この映画はその世界貿易センタービルを舞台にしています。



1974年、フランス人の綱渡り師が、ニューヨークの世界貿易センタービルの双子ビルを綱渡りで渡るという前代未聞、空前絶後(まさに絶後になりました)な冒険を行いました。彼は、もちろん命綱などつけていません。



この空前絶後の大冒険を三十数年後に関係者が舞台裏を語り、再現フィルムや当時のアーカイヴ画像を使用して振り返ったのがこの映画です。

個人的な話をさせていただきますと、私は1996年にニューヨークを訪れており、このビルも昇りました。

真冬でしたので、澄んだ空気の中、美しいニューヨークの街を見下ろすことができました。

そして2001年・・・私たちがあのビルに昇る機会は、もはや永遠にありません。



綱渡り師は、たとえばオーストラリアのシドニーの橋に出現して、いきなり綱渡りをして見せます。たちまち、警察に逮捕、国外に追い出されます。



そして綱渡り師は、少年時代建設計画を知ってから夢だったという世界貿易センタービルの綱渡りに挑戦することにします。

しかしそのためには、ビルの構造、警備体制、さまざまな事情を調べなければなりません。綱渡り師らメンバー(当たり前ですが、個人で手に負えるものではありません、さまざまな仲間たちが必要です)は研究を重ねます。ビルの内部にも協力者を見つけ、着々と準備します。偽造IDなども用意します。

で、当時の様子がアーカイヴ映像や再現映像などで説明されるのですが、しかしすごいですね。いわば名誉(本人たちの主観的な名誉)のために行われるわけですから。



彼(女)らの行為は当然ながら「犯罪」ですが、しかし良心の呵責がないものです。そしてついに実行の日が来ます。



当然ながら、街ゆく人は口あんぐりになってしまいます。しかしこの光景を生で見ることのできた人は運がいいかも。



当然本人は逮捕されます。しかし、彼はほんのわずかな間かもしれませんが、「英雄」になります。女の子とやっちゃったり、ちやほやもされます。世界中の新聞が彼のことを報道し(日本の読売新聞の紙面も映画に出てきました)、いろいろな人から声をかけられます。

が・・・・その後の彼の人生は、ある意味抜け殻のようなものかもしれません。これ以上のことをなかなかできるわけではありませんから。

この映画のキャッチコピーは、

>空に、夢に、近づきたかった。

です。彼は、まさにそれを成し遂げました。が、すごいことをやってのけることって、必ずしもその後の人生を充実させるものではないのかもしれません。

面白い映画ですので、見る機会がありましたら是非どうぞ。
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4 コメント

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すごい! (anupam)
2009-09-11 21:33:31
すごすぎて訳がわかりません。

こういうことに挑戦しようと思う気持ちはどこから生まれるのか?

高所恐怖症のワタクシは、命綱をつけていてもお断り・・ですが。

世の中にはそれぞれ「燃える」対象があるんだな~
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股の間が・・・!? (えちごっぺ)
2009-09-11 21:42:28
こ、こんばんは!

こんなこと、やっちゃう人がいるんですね!
フランス人というところが・・・(笑)

こういうことに真剣に取り組む事はある意味、素晴らしいと思うのですが、何が彼らをここまで駆り立てるのか知りたいです。
返信する
>anupamさん (Bill McCreary)
2009-09-11 23:37:08
あれ、anupamさん高所恐怖症?

正直、あのビルの高さは半端じゃなかったからですからね。私が行ったのは冬だったので、風もすごかったし。

>挑戦

スパイダーマンもいますよね。
返信する
>えちごっぺさん (Bill McCreary)
2009-09-11 23:39:25
>フランス人というところが

上のコメントにも書いた「スパイダーマン」の人もフランス人です。彼もそこら中のビルに素手で登って毎度おなじみで警察に逮捕されています。

>何が彼らをここまで駆り立てるのか知りたいです

これは私もよくわかりませんでした(笑)。登山や学問研究同様、当事者にしかわからない内的衝動でしょうね。
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