ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)

映画、旅、その他について語らせていただきます。
タイトルの由来は、ライプツィヒが私の1番好きな街だからです。

このような人物が成人したらどうなるか、想像するだけでもひどいものだと思う

2023-06-21 00:00:00 | 社会時評

先日こんな記事を読みました。

現場の教師は戦々恐々……発達障害の子も、クラスも大荒れする「魔の月」をご存じですか?

非常に興味深い記事ですが、本日は、一部抜粋したこちらをお読みになってください。

チェックするべきは「筆算(ひっさん)」
(1)前学年の学習内容の習得率が30~40%以下の子どもの把握

前学年の内容の達成度が30~40%を切ってしまう子どもは、「勉強が苦手」以上の「困難性」を抱えている場合が多いので、できるだけピックアップしておきます。

(中略)

(3)カタカナ・漢字の書きをチェックする

小学2年生の4月の段階で、カタカナの読み・書きの習得率が80%を切ってしまう場合は要注意です。また小2に限らず、漢字を書くとき次のような傾向の書字をする子どもについても、できるだけ早く見つける必要があります。

(1)字が罫線やマスから大幅にはみ出している
(2)漢字の部首などの配置が逆転するなどのミスがある
(3)線の過不足のエラーがある
(4)そもそも存在しない漢字を書いてしまう
(4)漢字のテストをやらせても空欄が多く、思い出せない

テストなどを実施して、解答や、解答している様子全体の50%以上をこれらの傾向が占めている子どもには、苦手さ以上の強い「困難性」を抱える可能性を含めて学習をスタートさせる配慮が必要となります。

算数と国語でつまずく子は、将来ほかの教科でも絶対に困る
ところで、なぜここで、ことさら「算数」と「国語」だけにフォーカスするのでしょうか。理由はいろいろあります。

◇指標になる科目だから

まず、算数と国語は、小学校1、2年のときから始まり、どれだけ達成できたかを点数にしてはかる「テスト」も行われる教科です。低学年の段階ではっきり「できる・できない」が表示される教科です。「できない」と、そのことが子ども自身にもはっきりわかるので、自己肯定感が損なわれてしまいますが、逆に力を伸ばして「できる」ように支援すれば、成長していることが子どもにもはっきりわかります。サポートが成功しているかどうか、わかりやすい「指標」になる教科だから重要なのです。

◇生活に必ず必要な力だから

俗に「読み書きソロバン」と言うように、読んで、書いて、四則計算をするのは、生活に必須の能力です。ある高名な精神科医からうかがった話ですが、将来自立して生活するためには、小学校4年生レベルの国語、算数の力が欠かせないそうです。たとえば市役所に置いてある申請書などの書類は小4レベルの国語力があれば書けますし、小4レベルの算数ができれば金額が計算できるので、一人で買い物もできます。数感覚が身に着かず、計算もできない子は、スーパーでレジスターを見ても、下手をすると何をしている機械なのかすら、理解できない場合があります。

◇すべての学習の基盤

生活に必須なだけでなく、将来、あらゆる学習をするために必要なのが、国語と算数です。たとえば算数の文章題は日本語で書かれていますから、国語力がなければ読み解けません。中学校にあがると、理科や家庭科などで数式、数字を扱う場面も出てくるでしょう。基本的な算数の力がないと、仮に小学校を卒業できても、いずれ遅れてしまうことになります。

長い引用で恐縮ですが、ここには、勉強の必要さと重要性の真髄が書かれていますね。特に私が注目したいのが、

◇生活に必ず必要な力だから

俗に「読み書きソロバン」と言うように、読んで、書いて、四則計算をするのは、生活に必須の能力です。ある高名な精神科医からうかがった話ですが、将来自立して生活するためには、小学校4年生レベルの国語、算数の力が欠かせないそうです。たとえば市役所に置いてある申請書などの書類は小4レベルの国語力があれば書けますし、小4レベルの算数ができれば金額が計算できるので、一人で買い物もできます。数感覚が身に着かず、計算もできない子は、スーパーでレジスターを見ても、下手をすると何をしている機械なのかすら、理解できない場合があります。

というところです。

私が中学生の時、知的に問題があり、精神障害が明らかに認められて、さらには家庭環境が悪いという三重苦の男がいまして(知能と精神に障害があり、家庭環境に恵まれない人物というのは、本当に救いがありません)、この人物は授業中奇声を上げて教室内を徘徊したり、不規則発言をして授業を妨害したり、弱い者いじめもひどく、最後は学校に(理由は知りませんが)来れなくなり(登校拒否というより家出です)、ついには警察に保護されて教室に戻ってきませんでした。どっかの施設に行ったのでしょう。

で、この男は中学二年生にもなって助詞の「は」も「へ」も書けず(「おれわ」とか「がっこうえ」などと書く)、おそらく四則演算もできなかったはずです。試験はほぼ0点だったはず。それで私は、こんな人間がどうしていわゆる知的障害者のいるクラスでなく一般の生徒のクラスにいるのかさっぱり理解できなかったのですが(現在でもさっぱり理解できません)、どう考えても彼は、中学の授業についていくだけの知能はなかったと思います。小学校なり中学校なりで、最初に知能テストのたぐいを受けるはずだし、彼に70を超える知能指数があったとは思えませんね。あるいは境界知能(71~84)だったのかもしれませんが、それにしたってとても低い頭の能力しかなかったのでしょう。まともな知能テストを受けたのかと疑問に思います。教師その他も、まったく手に負えない人物でした。

それで、このような人物が成人して、上の引用にもあるように、役所の手続きなどがまともにできるかも怪しいですね。数感覚の低い境界知能の持ち主の苦労については、こちらの記事を参照してください。

なぜ何もかもうまくいかない? わたしは「境界知能」でした

(前略)

「実は買い物で困ることが多いんです」と及川さん。

私たちは、スーパーでの買い物に同行させてもらいました。

この日、買いに来たのは乾電池。

値段の異なる2種類の乾電池を手に取ると、及川さんはその場でしゃがみ込んでしまいました。
2本で329円と4本で398円、どちらが割安か…

外出時には常に持参しているというメモ帳を使って、計算を始めました。

「2本で329円だから、4本だと600円と…」

電池の購入を決めるまでに、約8分かかりました。

(中略)

及川さんが、周囲との違いに最初に気づいたのは、小学校低学年のころ。

算数が苦手で、授業についていくことができなくなりました。

そのため、障害のある子どもたちのクラスに入ることになった及川さん。

しかし、周りに比べると、学習に支障がないと見なされ、すぐに通常のクラスに戻されました。

(後略)

この女性は、IQが73の境界知能と判明したとのこと。境界知能については、拙ブログでも以前記事を発表したことがあります。

「累犯」ではないのかもだが、これも障害者ならではの犯罪の側面がありそうだ

また、この記事で扱った男性も、境界知能の可能性があるかと思います。

精神疾患か発達障害か境界知能かそういうこととは関係ないのか定かでないが、この伯父も生きづらさを抱えて孤立していたのだろう

犯罪の内容については、この記事では説明を省略しますので、興味のある方は過去記事を参照してください。

いうまでもなく境界知能であることが犯罪への第一歩ということはありません。引用記事でご紹介した及川さんは、たぶんそのようなことはしていないでしょう。しかし何らかの理由で精神がよろしくない私の元同級生のような人物は、こういっては失礼ですが、大人になったら相当ろくでもない人間になる、あるいは何らかの理由で若く死んだりする可能性すらありませんかね。警察に逮捕されるくらいは序の口、しまいには重大犯罪をして、当分刑務所にぶちこまれる可能性もありそうです。ともかく、他人に迷惑をかけまくりの人生になりそうです。こういっては何ですが、頭の悪い佐藤忠志氏のような人物にならないか。佐藤氏は、そのすべての財産を彼が食いつぶしたとはいえ実家はそれなりに裕福だったようですし、また彼は頭が良かったので長期間それなりに食っていけましたが、けっきょく最後は、不動産などの物理的な財産ばかりでなく、奥さんばかりか社会の信用という無形の財産にいたるまですべてなくしてしまい、孤独死してしまったわけです。佐藤氏は、最晩年で奥さんへのDVで逮捕された以外は刑事事件には関係なかったでしょうが(交通事犯を除く。ただしご当人は否認)、この人物が成人してから警察にまるで厄介にならない人生を送るとは考えにくい。佐藤氏のような運命をたどるのは、たぶんこの人物の方がはるかに容易なはず。そうなったら全く救いがない。

私が下の記事で紹介した累犯障害者は、中度の知的障害ということで、今あげた人たちとは次元が違いますが、しかしどうみてもこの人物に一人暮らしをするだけの能力はありませんでしたね。その結果が、刑務所に繰り返し出入りして、最後は2人を強盗で殺して、死刑確定です(現在未執行)。この事件など、この人物の問題というより、社会全体の問題でしょう。遺憾ながら、こういう人間をもう少しまともに行政が支援していれば、ここまでひどい事件にはならなかったはず。

行政その他の支援がなかったことが非常に悪い事態をもたらした大きな要因と思われる強盗殺人事件の実例

ほかにも知的障害や発達障害が事件に何らかの影響があると思われる死刑事件というのはあります。すでに死刑執行済みの事件として、香川・坂出3人殺害事件など。そこまで行きつく人間がそんなに多いわけでもありませんが、そういった人間は、最悪の事態に行く可能性が、そうでない人よりだいぶ高いでしょう。死刑とまではいわずとも、刑務所への定期的な出入りは珍しくない。累犯障害者とはそういうことです。刑務所には、知能テストを受ける能力もない人が大勢います。

いずれにせよこのような人間は、社会にひどい迷惑をかけるし、本人も苦しみます。まったく困ったものです。


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