ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)

映画、旅、その他について語らせていただきます。
タイトルの由来は、ライプツィヒが私の1番好きな街だからです。

ウディ・ガスリーの伝記映画(ウディ・ガスリー/わが心のふるさと)と息子のアーロ・ガスリーの主演映画(アリスのレストラン)のソフトが再発される

2023-05-31 00:00:00 | 映画

いわゆる名画座である早稲田松竹で、ハル・アシュビー監督の特集上映をしています(6月2日まで)。

早稲田松竹クラシックスvol.202/ハル・アシュビー監督特集

作品は、

さらば冬のかもめ 』(1973)

ウディ・ガスリー/わが心のふるさと』(1976)の2本立てで、レイトショーとして

ハロルドとモード 少年は虹を渡る 』(1971)が上映されています。最後の映画については、このブログでもご紹介していますね。

バッド・コートの主演映画が2本公開されている

「ハロルドとモード/少年は虹を渡る」がDVD化される

この3本とも、まるっきり個性が違って、ほんとアシュビー監督って、この時代はすごい人だったのだなと驚かんばかりですが、同時に、でもなぜ今彼の映画を? とも思いました。そうしたら、『ウディ・ガスリー/わが心のふるさと』のソフトが発売されるのですね。

珠玉のアメリカン・ニューシネマ・セレクション ウディ・ガスリー わが心のふるさと [Blu-ray]

この映画自体は、VHSビデオが出た後DVDでも発売されたのですが、廃盤後プレミアがつくくらいの人気がありました。以前私もこれを買いたいと思ったのですが、価格は失念しましたが、かなりの高額でとても買えたものではありませんでした。

ウディ・ガスリー わが心のふるさと [DVD]

この記事を書いている時点(2023年5月30日)ですら19,980円の価格がAmazonPrimeでついていますし、その他の中古品も17,299円もの価格です。今回は、よりよい画質でしかも新品ですから、もちろんこちらのほうがずっといいに決まっています。

この映画は、伝説のフォークシンガーであるウディ・ガスリーの自叙伝を映画化したものですが、史実というわけでなく、登場人物もガスリーの仲間のミュージシャンであるオザーク(ロニー・コックスがいい演技を見せてくれました)も、架空の人物です。以上の情報は、この映画の英語版Wikipedia より。モデルになった人がいるのかは、当方勉強不足で知りません。なお原作の自叙伝は、原題を『Bound for Glory』で、これは映画の原題と同じですが、日本でも翻訳されています。

ギターをとって弦をはれ

翻訳されたのは1975年であり、やはりこの映画の製作と公開が前提だったんですかね? 私も未読ですが、これはやはり読まないといけません。

なおこの映画は、映画の撮影にステディカムが初めて使われたものとしても知られています。スタンリー・キューブリック監督の『シャイニング』での使用がきわめて印象的でしたが、ステディカムを派手に使うのでなく自然な撮影としての使い方がとても絶妙です。この映画の撮影監督をつとめたハスケル・ウェクスラーは、アカデミー撮影賞を受賞しています。ちなみにウェクスラー氏は、ダリル・ハンナのおじです。この映画での撮影はまさにすばらしいの一言に尽きます。

というわけで、この映画は内容も技術もすばらしい映画ですので、金がかかることにめったなことは言えませんが、読者の皆さまもぜひご購入いただいて鑑賞していただければと思います。ぜひぜひ。

さてウディ・ガスリーには子どもが何人もいますが、その1人がフォークミュージシャンのアーロ・ガスリー(英語版Wikipedia)です。彼の唯一の主演映画であるのが『アリスのレストラン 』(1969)です。アーサー・ペン監督作品であり、『俺たちに明日はない 』(1967)の次の作品で、アカデミー監督賞にノミネートされましたが、受賞にはなりませんでした。ペン監督は、『俺たちに明日はない』と1962年の『奇跡の人』で監督賞にノミネートされましたが、ついに受賞にはいたりませんでした。この映画が、彼の最後のノミネートです。それで、この映画も同時にソフトが再発となります。

珠玉のアメリカン・ニューシネマ・セレクション アリスのレストラン [Blu-ray]

内容は、つまりは主人公の青年の徴兵時における叙事詩みたいなものでして、もともと彼のアルバム『アリスのレストラン』に収録されていた曲が原作です。

アリスのレストラン

たぶん日本では、アーロ・ガスリーって、ウディの息子、あるいはウッドストックコンサートに出演した人(映画にも登場しています)として知られているでしょうが、この映画の主人公としても印象に残ります。

Alice's Restaurant - Original 1967 Recording

正直この映画も、やや同時代で観ていないといまひとつわかりにくいものでしょうし、鑑賞していても、なかなか感情移入が難しいところもあるかと思いますが、当時の「ヒッピー映画」の典型的なものであろうかと思います。残念ながら『ウディ・ガスリー/わが心のふるさと』ほどには、後世に残る映画ではありませんが、これも歴史の証言の作品になるかと思います。

というわけで、この映画についてはさすがに私も、『ウディ・ガスリー/わが心のふるさと』ほどには他人様にすすめることはできませんが、よろしければこちらもご覧になってください。


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