ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)

映画、旅、その他について語らせていただきます。
タイトルの由来は、ライプツィヒが私の1番好きな街だからです。

スポーツの大きなイベントの地上波テレビ中継も、かなり厳しい時代になってきた感あり

2024-03-14 00:00:00 | スポーツ

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テレ朝 ゴルフの全英オープン中継から撤退へ 42年間放送も放映権料高騰で苦渋の決断
[ 2024年3月13日 03:00 ]

22年、セントアンドリュースの18番ホールでティーショットを放つ松山英樹
Photo By スポニチ
 ゴルフの海外メジャー「全英オープン」の中継からテレビ朝日が撤退する方向であることが12日、分かった。今季は7月18日から21日までスコットランドのロイヤル・トルーンで行われるが、5億円と言われる放映権料で折り合いがつかず、82年から42年続いた歴史に幕を閉じることになった。地上波によるスポーツ中継は他競技でも減少傾向にあり、転換期を迎えている。
 海外でのスポーツ中継は近年、放映権料が上昇の一途。複数の関係者によれば、視聴率が良くても採算が取れない状況が続いているという。ゴルフも例外ではなかった。1982年から昨年まで42年間、中継してきたテレビ朝日も5億円とも言われる放映権料がネックとなり、今回は苦渋の決断となった。

(中略)

 一方でサッカーのW杯アジア予選が同じく放映権料の高騰により地上波中継が減少。また井上尚弥が4階級制覇をするなど盛り上がったボクシングも昨年の世界戦は全てインターネット中継へと移行した。全英も流れにあらがえなかった。現時点では代理店の打診に対し、テレビ朝日に代わって中継の意向を示す他のテレビ局はなく、動画配信サービスのU―NEXTが交渉を進めている。男子ゴルフ関係者は「日本でメジャー中継が減るのはゴルフ界にとって衝撃」と明かす。今季の海外メジャーを地上波で見られるのはTBSによる4月のマスターズのみとなる。

〈中略)

 ≪五輪はNHKと民放で放映権共同購入≫スポーツコンテンツの動画配信サービスへの移行が相次ぐ中、五輪は地上波中継を維持している。NHKと民放各社が枠組みを超えて番組を共同制作する放送機構ジャパンコンソーシアム(JC)を組織して放映権を購入。国際オリンピック委員会(IOC)に支払う額は22年北京五輪と今夏のパリ五輪の2大会で440億円に上る。

 既にJCは、26年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪、28年ロサンゼルス五輪、30年冬季五輪(フランス・アルプス地方が有力)、32年ブリスベン五輪の4大会の放映権獲得もIOCと総額975億円で合意済み。NHKと民放連の放映権料の折半比率は非公表だが、7対3程度とされる。今後さらに放映権が高騰すれば、JCから撤退する民放が出る可能性もある。34年冬季五輪以降も地上波放送が継続できるかは不透明な部分も多い。

 ≪カタールW杯は地上波3局撤退≫22年W杯カタール大会では放映権料が約350億円とも言われるほど高騰、国際サッカー連盟(FIFA)とジャパンコンソーシアム(JC)の交渉がまとまらず、日本テレビ、TBS、テレビ東京の地上波3局が撤退した。14年W杯まではNHK、民放が共同で放映権を購入していたが、18年W杯ではテレビ東京が撤退するなど地上波によるW杯中継は年々、困難な状況となっている。

私はゴルフを観ないので、この件で鑑賞しにくくなったという遺憾な心境のようなものはないのですが、ただその後の解説のくだりにもありますように、


スポーツコンテンツの動画配信サービスへの移行が相次ぐ

ということに話はつきますね。もはや30年も前の話になりますが、1994年12月4日にあった薬師寺保栄_対_辰吉丈一郎戦では、Wikipediaから引用すれば、

ボクシング史上初の日本人同士による世界王座統一戦であり、日本中から大きな注目を集めた。事前に興行権入札が実施され、薬師寺陣営が落札した。両者で繰り広げられた激しい舌戦と1億7000万円とも言われた破格のファイトマネーも話題になった

入札に至った背景には両陣営のテレビ放映権がネックとなり興行権がまとまらなかったことにある。薬師寺陣営はTBS系列中部日本放送、辰吉陣営は日本テレビ系列よみうりテレビがそれぞれ放映権を持ち、開催地も薬師寺陣営は名古屋、辰吉陣営は大阪または東京、それぞれ主張し、どちらも譲らなかったためである。入札には両陣営に加え、世界的プロモーターのドン・キングも参加したことも大きな驚きとなった

試合は中部日本放送製作TBS系列で生中継され、視聴率は関東地区39.4%、関西地区43.8%、東海地区52.2%を記録した。ラジオも中部日本放送製作JRN16局ネットで生中継された。

ということになったわけです(注釈の番号ほかは削除。以下の引用も同じ。)。以上の記述で分かるように、ボクシングの有力選手の所属するジムには、テレビ局がついていました。で、そのような蜜月関係が、井上尚弥の試合のテレビ中継が、動画配信サービスに移行したということで分かるように、成立しにくくなりました。井上レベルの傑出した選手の試合も地上波での放送がされなくなり、このままではサッカーのワールドカップの今後の中継も怪しいし、オリンピックの中継すらどうなるか予断を許しません。

そう考えていくと、やはり地上波でスポーツを観るというのが、どんどん難しくなるというのはこれは避けられませんね。こんなことを書いている私自身、昨今ろくに地上波を観ていない(苦笑)。最近見ているのは、NHKのニュースとドキュメント(これは民放もふくむ)ばかりであり、あとはCSで、昔のドラマを観ることが多い。つまりは私がそんな年齢になったということでもありますが、昔ながらの無骨なドラマが面白いということもあります。

偶然読んだ井上尚弥の本から引用した記事に、次のようにありました。


ボクシングの世界でビッグマネーを手にできるのは海外のリングだ。「WBSS」や「SUPERFLY」といったイベントが誕生してきたが、世界のボクシングビジネスの世界では、軽量級はまだ市民権を得るに至っていない。中量級、重量級とは人気もファイトマネーの桁も違う。

ミドル級の統一王者、サウル“カネロ”アルバレス(メキシコ)は、有料のスポーツ通信メディアである「DAZN」と、5年11戦で総額3億6500万ドル(約390億円)のメガ契約を結んだ。

というわけです。日本のテレビ局などではちょっと手に負えない金額が動いているわけで、この傾向はたぶんこのままますます進むのでしょうから、これはペイ・パー・ビュー(PPV)など、いままで日本では必ずしも使われたがらなかったシステムも、導入、一般的になることが加速するかもしれません。とくにゴルフはそうでもないかもですが、ボクシングを始めとする格闘技は、PPVとは相性がいい。

私は、現在BSとは契約しているし、複数のCSのパッケージされたセットを業者(JCOM)と契約していますし、あるいはパッケージされていないチャンネルを、自分の観たい番組の放送予定がある際に契約したことがありますが、PPVを観たことはありません。私が観るのは、映画や昔のドラマのことが多く、いまだそれを目的に契約してスポーツ中継を観たことはありません。しかしこのままでは、私も、PPVほかの手段でスポーツ中継を観る日はそんなに遠くないかなと思います。実際テニスも、全米オープン

2021年現在、アメリカではESPNが、日本ではWOWOWが放送している。地上波では、2014年大会に限り、錦織圭が男子シングルス決勝に進出したため、NHKが録画中継した。

2015年以降、ESPNがアメリカでの独占放映権を獲得。1968年よりシングルス決勝などを放送していたCBSは、2014年大会を最後に撤退した

であり、全仏オープンは、

フランス国内ではフランス・tv(2027年まで[7])とPrime Video(ネット放送(コート・シモーヌ・マチューとナイトセッション))で、アメリカ国内ではNBCテニス・チャンネルなどで放映されている

日本では2023年現在、衛星波でWOWOW放映権を持っている。また、WOWOWオンデマンド(ネット放送)も同時に行われている

2021年までは地上波としてはテレビ東京も放映されていた。なお、民放局ではテニスの四大大会を中継していたのはテレビ東京が唯一でもあった

という状況、全豪オープンは、

オーストラリア国内ではナイン・ネットワークで放映され、男女シングルス決勝は現地時間で夜間に開催される。

2022年現在、日本国内ではWOWOWで放送されている

衛星波については、WOWOWが開局直後の1992年より保有している過去においては、地上波ではテレビ東京による民放中継が2001年まで男女シングルス決勝戦のみ行われていたが、2002年以後は取りやめになった。さらにそれ以前は讀賣テレビ放送を制作局として日本テレビ系列向けに1988年から1991年まで放送していた。2012年以降は日本放送協会(NHK)が一部試合の放送を行っていたが、2015年に地上波の放映権を獲得。原則としてミッドナイトチャンネル枠での録画中継となるが、錦織圭大坂なおみなど日本人注目選手が出場する場合、生中継を実施している。ただし、NHK総合のマルチ編成「サブチャンネル」を活用して錦織圭/大坂なおみ選手の試合を中継することもある。その後も2021年まで放送していた。

となっています。ウィンブルドン選手権(全英)は、

2018年現在、日本ではWOWOWが衛星放送権を、NHKが地上波放送権を持つ。

過去の放送権については、日本ではシングルスはテレビ朝日(~1986年。当時の放送時間は準決勝までは深夜枠にて、女子のシングルス決勝は土曜日のニュース最終版終了後の深夜枠にて衛星中継、男子シングルス決勝は「日曜洋画劇場」を休止して衛星生中継で放送していた。途中ニュース最終版などの挿入による中断あり)→NHK(1987年以降~)、ダブルスはGAORAで長年放送されていた。シングルスはNHKデジタル衛星ハイビジョンで全日程生中継され2003年まではNHK衛星第1テレビ(年によっては衛星第2テレビ)でも大半の試合を生中継していたが、年々NHKがウィンブルドン放送を担当する時間は大幅に減少していき2008年からはNHKに替わってWOWOWがウインブルドンの衛星放送権を獲得している。

NHKは地上波総合テレビのみでの放送となり、毎日24時台~4時15分の日付起点時間までの終夜体制で録画中継を行う。生中継は一旦廃止されたものの2012年から男子シングルス決勝と女子シングルス決勝の生中継が復活した。また大会終了から1週間後に衛星第1でシングルスの決勝戦を2時間程度にまとめた録画版を放送している(2009年の男子は試合が長引いたので3時間程度のものになった)。

というわけで、現状ウィンブルドンのみ地上波での放送がありですが、こちらのほうもどうも放送時間の縮小の傾向は贖えそうもありありません。いずれにせよ四大オープンを観たいのなら、WOWWOWと契約せいということです。上の引用でもわかりますように、米国ほかでも配信サービスに押され気味ですね。英国は、BBCが頑張っているようです。

個人的には、やっぱり地上波でいろいろなスポーツイベントを鑑賞できればそれに越したことはないと思うものですが、あまり先行きは明るくなさそうです。

コメント (4)
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