1月最後の日曜日に水清き庵のご亭主より
新春を祝う茶事へお招きいただきました。
珍しい三つ輪の結び柳が飾られている待合床に
布袋の墨絵が掛けられていました。
ユーモラスなタッチですが、あとで会記をみると
「見上げ布袋 松花堂」とあり、びっくりです。
千成瓢箪の唐胴火鉢が用意されていました。
衛士の炊くかがり火台のような細工物があり、
遠火で薫香を漂わせています。伽羅かしら?
席入すると床に「富貴無双」。
小堀宗慶筆で、宗家初釜の福引で引き当てた
思い出のお品だそうです。
真台子に唐胴皆具が飾られ、釜を拝見して胸が高鳴りました。
責紐釜でした!
端正な形、柚子肌、小さな鐶付、バランスの好い釜に
紅白の水引が正月の華やぎを添えていました。
名越浄越造で、江戸中頃の作だそうです。
「いつどのようにあの紐が切られるのかしら?」
と、心待ちにしていました。
聞けば
「昨夜に○○宮家より使者が来られて
暁庵姫が初釜へお越しになるので粗相のないように・・・云々」
との心憎い口上です。
恐縮しながらも嬉しく拝聴しました。
姫という歳ではありませんが、苗字が○○宮家なのでお許しを・・・。
流暢な真の炭手前の後、さりげなく小刀で紐(水引)が切られました。
たしか、炭台が引かれて香合の拝見中だった(?)ように思いますが、
他のことに気を取られて前後がはっきりしません(駄目ですね・・)。
責紐釜が忘れられず、家に帰ってからもあれこれと
茶事シュミレーションを楽しんでいます。
懐石の終りには松風が聴こえてきました。
濃茶を熊川(こもがい)で、たっぷり美味しく頂戴しました。
ハゼの風情と目跡が印象的な、優しく温かな茶碗でした。
正午に白湯で始まった茶会は早や四時を過ぎると陽も翳り、
短罫や座敷行灯が用意されました。
拝見した濃茶器は尻ふくらのような唐物茄子。
元節の茶杓は細身のすっきりとした形で、時代を経たあめ色でした。
紹鴎の茶杓師、羽淵宗印の作だそうです。
帰りの待合では布袋の掛物が鳳尾扇に代わり
「不老門前日月遅」とありました。
門先で見送ってくださった灯りの揺らぎが忘れがたく
「不老門前日月遅」の茶事へまたいつかお伺いしたいものです。
姫という歳にあらねど責紐の
春を寿ぐ色に染まりて
新春を祝う茶事へお招きいただきました。
珍しい三つ輪の結び柳が飾られている待合床に
布袋の墨絵が掛けられていました。
ユーモラスなタッチですが、あとで会記をみると
「見上げ布袋 松花堂」とあり、びっくりです。
千成瓢箪の唐胴火鉢が用意されていました。
衛士の炊くかがり火台のような細工物があり、
遠火で薫香を漂わせています。伽羅かしら?
席入すると床に「富貴無双」。
小堀宗慶筆で、宗家初釜の福引で引き当てた
思い出のお品だそうです。
真台子に唐胴皆具が飾られ、釜を拝見して胸が高鳴りました。
責紐釜でした!
端正な形、柚子肌、小さな鐶付、バランスの好い釜に
紅白の水引が正月の華やぎを添えていました。
名越浄越造で、江戸中頃の作だそうです。
「いつどのようにあの紐が切られるのかしら?」
と、心待ちにしていました。
聞けば
「昨夜に○○宮家より使者が来られて
暁庵姫が初釜へお越しになるので粗相のないように・・・云々」
との心憎い口上です。
恐縮しながらも嬉しく拝聴しました。
姫という歳ではありませんが、苗字が○○宮家なのでお許しを・・・。
流暢な真の炭手前の後、さりげなく小刀で紐(水引)が切られました。
たしか、炭台が引かれて香合の拝見中だった(?)ように思いますが、
他のことに気を取られて前後がはっきりしません(駄目ですね・・)。
責紐釜が忘れられず、家に帰ってからもあれこれと
茶事シュミレーションを楽しんでいます。
懐石の終りには松風が聴こえてきました。
濃茶を熊川(こもがい)で、たっぷり美味しく頂戴しました。
ハゼの風情と目跡が印象的な、優しく温かな茶碗でした。
正午に白湯で始まった茶会は早や四時を過ぎると陽も翳り、
短罫や座敷行灯が用意されました。
拝見した濃茶器は尻ふくらのような唐物茄子。
元節の茶杓は細身のすっきりとした形で、時代を経たあめ色でした。
紹鴎の茶杓師、羽淵宗印の作だそうです。
帰りの待合では布袋の掛物が鳳尾扇に代わり
「不老門前日月遅」とありました。
門先で見送ってくださった灯りの揺らぎが忘れがたく
「不老門前日月遅」の茶事へまたいつかお伺いしたいものです。
姫という歳にあらねど責紐の
春を寿ぐ色に染まりて