最初の喫茶のご縁は二日目の第六番札所・安楽寺。
本堂に入ると内陣の入り口があり、
一人のお坊様が現れました。
「内陣で献茶をしても宜しいでしょうか?」とお尋ねすると、
「どうぞ上ってください」とすぐに許可がでました。
茶箱の準備の間、先ほどのお坊様は忙しく働き、
供物を新しいものに取り替えています。
一段落したようなので、思い切って声を掛けてみました。
「あの~宜しかったら、献茶の後に抹茶を飲んでいただけませんか?」
「えっ! 私が頂いてよろしいのですか?」
「ぜひお願いします」
お坊様は正座して、茶箱の雪点前をじっとみつめています。
利休緞子の古袱紗に点てたお茶をお出ししてから
「ちょっとだけ待ってください。
般若心経を唱えて、お大師さまに召し上がっていただきます。
そのあとで宜しいでしょうか?」
「それなら私も一緒に般若心経をお唱えしましょう」
若いお坊様の声は低く、太く、朗々として力強く、
もたもたしている私を待って唱和してくださいました。
「お服加減いかがでしょうか?」
「とてもまろやかで、久しぶりに美味しいお茶をいただきました。
ありがとうございます」
お待たせして、ぬるくなってしまったのに・・・
「こちらこそ、ありがとうございました。
とても良い思い出になりました」
あとで、その方は安楽寺の若住職と知りました。
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本堂に入ると内陣の入り口があり、
一人のお坊様が現れました。
「内陣で献茶をしても宜しいでしょうか?」とお尋ねすると、
「どうぞ上ってください」とすぐに許可がでました。
茶箱の準備の間、先ほどのお坊様は忙しく働き、
供物を新しいものに取り替えています。
一段落したようなので、思い切って声を掛けてみました。
「あの~宜しかったら、献茶の後に抹茶を飲んでいただけませんか?」
「えっ! 私が頂いてよろしいのですか?」
「ぜひお願いします」
お坊様は正座して、茶箱の雪点前をじっとみつめています。
利休緞子の古袱紗に点てたお茶をお出ししてから
「ちょっとだけ待ってください。
般若心経を唱えて、お大師さまに召し上がっていただきます。
そのあとで宜しいでしょうか?」
「それなら私も一緒に般若心経をお唱えしましょう」
若いお坊様の声は低く、太く、朗々として力強く、
もたもたしている私を待って唱和してくださいました。
「お服加減いかがでしょうか?」
「とてもまろやかで、久しぶりに美味しいお茶をいただきました。
ありがとうございます」
お待たせして、ぬるくなってしまったのに・・・
「こちらこそ、ありがとうございました。
とても良い思い出になりました」
あとで、その方は安楽寺の若住職と知りました。
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