暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

茶筅荘  水無月の稽古

2011年06月27日 | 稽古忘備録
                    ( 額あじさい  季節の花300提供 )

「江上数峯青」(こうじょう すうほう あおし)

江上の大河は長江でしょうか?
河霧が立ちこめる河にいくつかの峯が青く重なっている、
幻想的な風景が目の前に浮かんできます。文浄和尚筆です。
露を含んだ額あじさいが三友籠に生けられていました。

水無月最初の稽古は小習と四ヶ伝でした。
Kさんが唐物と茶碗荘、私は初炭のあと、台天目と茶筅荘をご指導頂きました。

茶筅荘は水指などが由緒、伝来のあるものを用いたときに行う点前です。
茶事で万が一水指の拝見を乞われた場合
スムースに身体が動けるよう、昨年に続きお願いしました。

水指の上に、茶杓、茶巾に茶筅をのせて荘り、
水指前に茶入を入れた茶碗を置きました。
茶筅荘の場合、前席(待合)の床に何も荘られていないので
席入りして初めてお客様は茶筅荘ということに気がつきます。
それで、何故、茶筅荘にしたのかをお客様へお伝えしなくてはなりませんが、
二つの仕方があるとのことでした。

一つは亭主から申し上げます。
茶道口で建水を下座に置き、襖を開けて一礼し、
亭主から何故茶筅荘にしたかを話します。
「茶室披きの折に、菩提寺の興福和尚より
 お祝いに頂戴いたしました水指を使わせて頂きましたので
 茶筅荘とさせていただきました」

もう一つは、柄杓を引いて総礼のあとに、正客からお尋ねします。
「茶筅荘のようでございますが・・・」
「はい、還暦の折に菩提寺の興福和尚より
 お祝いに頂戴しました水指を使わせて頂きました」
「古格のある水指でございますね。水指は?」
「・・・」

・・・と亭主は答えてから、建水をすすめ、居ずまいを正します。
点前が進み、茶入、茶杓、仕覆を拝見にだします。
最後に拝見物について問答のあとに
正客より
「ご造作をおかけしますが、なにとぞ水指の拝見をお願いいたします」

亭主は一礼して茶入など拝見物を持って水屋へ下がり、
水指の水を空けて拭き清め、
白布(さらし)に載せて正客前に持ち出しました。
一膝下がって一礼して茶道口に下がり控えています。

正客は白布からはずし、水指を縦に少し寝かせて
茶壷を転がすように拝見し、白布に載せて次客へ送ります。
戻された水指を水屋へ引き、茶道口で一礼して終わります。

蓋の扱いについてお尋ねすると
「蓋は通常、水指の拝見に出しませんが、
 特に・・と所望されれば、別にお出しすれば良いでしょう」
「先生、お教え有難うございます」

                   

現実に帰れば、由緒、伝来のある水指などを持っていないので
茶事で茶筅荘はとてもできませんが、
茶友Hさんに新しいさらしを分けて頂いて、万が一に備え、
白布の用意だけはしております・・の(汗)。

                            



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