暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

葵祭2014年と祭り釜

2014年05月17日 | 京暮らし 年中行事
                 葵祭の斎王代 (2014年5月15日)

5月15日は葵祭でした。
正式には賀茂祭といい、賀茂別雷神社(かもわけいかづちじんじゃ:上賀茂神社)と
賀茂御祖神社(かもみおやじんじゃ:下鴨神社)の例祭です。

茶友Sさまからメールを頂戴しました。
「懇意にしている川口美術さんから葵祭のお誘いがあり、
 祭のあとに添え釜で一服もあります。ご一緒しませんか?」
今までの葵祭と一味違って、なんか面白そう!・・・
「好い思い出になると思うので、是非ご一緒させてください」



当日、葵祭の行列は10時半に御所を出発、
下鴨神社参道にある川口美術の前を11時30分頃に通過の予定です。
参道近くまで行ったのですが、道路規制で思うように通れません。
やっと事情を話して通してもらい辿りつくと、
店の前に見物用のやぐらが作られていました。

川口美術は朝鮮家具を中心に韓国骨董を扱うお店です。
前を通るたびに、密かにあこがれていた店内へ初めて入りました。
小盤(一人用足付膳)やパンダジ(収納箱)、陶器や民具などが置かれ、
土器や李朝の壷にさりげなく季節の花(リョウブ、都忘れ)が生けられています。
なんて素敵なお店なんだろう・・・骨董屋の女主人を思い出していると、
川口美術のご主人が店の中を案内してくださいました。

招待されたお客さまは総勢8名、やぐらの席へ移り、葵祭の行列を見物しました。
王侯貴族のボックス席みたいで、可愛いお稚児さんと手を振ったりしました。
最初の騎馬武者に見覚えがあります。
5月5日、上賀茂神社の「競べ馬」で、先頭をきって駆け抜けた二人でした。

             

             

平安時代そのままの衣裳や牛馬が多いのも葵祭の特色でしょうか。
藤や山吹の花で飾られた牛車がギイギイと通っていきました。
行列中一番人気の斎王代、今年の斎王代は和菓子の老舗「老松」のお嬢さんです。

             

             

無事、行列が通りすぎ、店の二階席で昼食を囲みました。
菱岩のお弁当が嬉しく、会話が弾みます、
主菓子は出町ふたばの柏餅、生姜入り味噌餡に感動です(御馳走様!)。
その後、庭の奥にある風流な片庇(かたひさし)の薄茶席へ。

             
                      5月の鴨川

突上げ窓の向うに高野川の流れと緑の土手が見える、気持のよい野点席です。
「薫風自南来」の短冊、双葉葵のかわいらしい花が添えられ、
風炉は白磁の大鉢、炭を入れ、雲龍釜が掛けられています。

半田のような大鉢(風炉)と、点前座の古材テーブルが垂涎ものでした。
Sさまお気に入りの建水は大きな甕(キムチ用??)、豪快かつ愉快!
10個ほど並べられた茶碗から好きなものを選び、
あおい着物がお似合いのSさまのお点前で、美味しく頂戴しました。

             
                    双葉葵(大田神社でパチリ)

最後の席で、雨がぽっつんと降っていましたが、
Sさま、大阪のK氏、Yさまと過ごした祭り釜、
風流の極みの贅沢なひと時でした・・・。       
                            その日は  のち 




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