暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

十三夜の茶事 (2)

2009年11月27日 | 思い出の茶事
 (つづき)

初炭が終り、布製?の座箒の登場に一同ため息です。
白鳥の舞のように軽やかに掃いてくださいました。
これまた手作りの「月見兎」をいただいて中立です。

中立のベランダで月はまだ見られませんでしたが、
後座の席入りで月とススキの画賛に出会い、
最初の「月」を見ることができました。

大樋の茶碗で練られた濃茶を美味しくいただきました。
茶銘は「嘉辰の昔」。

続き薄で、絵唐津の茶碗で薄茶をいただきました。
ご亭主は高取がお好きなようですが、
私は瀬戸肩衝の茶入に心惹かれました。
鹿の子まだらを連想される釉の景色に魅入りました。

繊細な「月のしずく」というご自作の茶杓、
茶平一斎作の豪華な蒔絵の中次など
優雅でしなやかなお道具組はご亭主のお人柄そのものです。

席中でいろいろな月を眺めることができましたが、
帰りにもう一度ベランダへ出てみました。
月の光は見えるのにビルに邪魔されてまだ見えません。

帰りの玄関で仙崖和尚の絵が「月はどこから・・」と
にこやかな顔で指差していたそうです。
(残念!見損ないました)

満月に少し足りない十三夜の月を指差し愛でながら
ご連客さまと帰途につきました。




母が亡くなり、しばらく気落ちしていましたが、
日が薬でやっと外出する気になりました。
「どうなることかしら?」
と、実は心配しながら出かけたのですが、
たくさんの元気をいただいて感謝しています。

私にとって心に残る、忘れられない茶事です。 

ご亭主のHさま、水屋のHさま、ご連客のWさま、Yさま、
とても楽しかったです。ありがとうございました!


                    
                    

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