近くの公園のケヤキが色づいてきました
(新しいカメラを使いこなせず、写真アップに苦戦しています )
11月10日の炉開き&口切の会では台天目で濃茶を点てます。
これは恩師N先生の口切の仕方を順守しています。
なぜ口切に台天目の点前をするのか、暁庵は今一つ分かっていないのですが、
お家元の口切の式に従っているのではないかと思っています。
今年の会ではN氏に台天目で濃茶を点ててもらうので、先だって炉でお稽古をしました。
実はN氏は素晴らしい天目台と天目茶碗をお持ちです。
出来たら口切の会へお持ち出しいただいて、それらの鑑賞をお願いしました。すると
「先生、よく覚えていてくださいましたね。
仕舞ったままで忘れていましたが、皆さんに見ていただけるのは光栄です」
以前の印象では、古い時代(鎌倉?)のもので、天目台に散りばめられた細密な螺鈿模様が素晴らしく、それを使うなど考えられないほど繊細な台だった・・・と思い出しながら
「本当はそれで台天目のお点前が出来たら最高でしょうね・・・」
「・・・考えてもみませんでしたが、一度使ってみるのも良いですね」
・・・そんなわけで、思いがけず台天目はお持ち出しということになりました。
天目台に添った天目茶碗は、小ぶりの灰かつぎ天目でした。
「濃茶3人分の予定ですが、茶碗を変えますか?}と私。
「いえ、これで点ててみたいと思います」と頼もしいN氏。
台天目のお稽古が始まりました。
客は3人、暁庵、Kさん、Uさんです。
いつも通り、きれいなお点前のN氏ですが、足運びを含め、全てゆっくり丁寧に・・・とご指導しました。
特に繊細な天目台の上に小さな天目茶碗をのせたまま3人分の濃茶を練るのは大変だったと思います。客も内心ドキドキしながら見つめました。
濃茶が点ち、天目台が鐶付に出されました。
緊張しながら左右と天目台を取ると、羽の薄さ、繊細な肌触り、思いがけないほどの軽やかさを感じます。そっと持ち、低い位置で丁寧に運びました。
小ぶりの天目茶碗にたっぷりと練られた濃茶・・・濃さも丁度飲みやすく、3人で美味しく頂戴しました。
「先生、お道具を丁寧に扱うように・・・と言われていたことが実感できました」
茶道点前の三要素の一つの所作、時代のある天目台と天目茶碗とのお出会いは自ずと丁寧な扱いの所作となり、何よりの経験となったみたいです。
「素晴らしい天目茶碗と天目台で濃茶を美味しく頂戴し、ありがとうございました。
小ぶりなので心配でしたが、あの台にはあの茶碗がぴったりお似合いですね」
「まさか実際に使う日が来ようとは思いもかけないことでした・・・」
・・・なんか、N氏も天目台と天目茶碗も、とても晴れやかで嬉しそうでした。
きっと炉開き&口切の会でもステキな時間になることでしょう・・・。
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