(「杜若」の御軸と花は「一尺アヤメ」です)
窓を開けると、爽やかな(ここのところひんやりした・・・)風がジャスミンの花の香りを運んできました。今年のジャスミンは花付きが悪いのがちょっと心配・・・。
さぁ~!5月5日から風炉の稽古が始まります。それに見学者がいらっしゃいますので、ちょっとお支度も風炉らしく頑張らねば・・・。
初風炉にふさわしい待合や床の掛物を何にしようかしら? と考えましたが、待合は短冊「薫風」(紫野・総見院 久祐師筆)にしました。
床には昨年は掛けずに終わった「杜若」(栖鳳画)を掛けることにしました。京都暮らし中に出逢った扇面「杜若」を表装して御軸に仕立ててもらったものです。
丁度、真MLのバーチャル香会「杜若香」へ久々に参席させて頂いたので、主催者T氏へのお礼の気持ちも込めています。
5日にIさんが唐物と薄茶(棚)を、6日にはM氏が初炭と薄茶(棚)、T氏が真之行台子を稽古しました。難しい唐物や真之行台子を風炉の最初の稽古でするわけは、14日に許状式があり、IさんとT氏が唐物と真之行台子の点前を披露するからです。
初風炉にふさわしい花が何か咲いているかしら? 庭のあちこちでひっそりと、雪ノ下、二人静、都忘れ、壷珊瑚、紫つゆ草、定家葛が咲いていて、シモツケや撫子も蕾をつけています。
5日の待合のお花は、鮎籠(訂正:賀茂川)の掛け花入へ定家葛と都忘れを入れましたが、定家葛の水揚げが悪く、薄紫の花(名前が?)に変えてみました。
(「薫風」の短冊とお花・・・待合にて)
翌日の朝、「一尺あやめが咲いているよ」とツレが教えてくれました。早速、初花の一輪を切り、古銅唐銅(尊式)の花入へ生けました。御軸とダブってしまいましたが、まあ~よろしいでしょう。
(5月の或る日の薄茶の点前座)
5月の稽古科目は風炉の基本点前(薄茶、濃茶、初炭)です。
2科目を稽古して頂くので、薄茶でも平点前と棚を使った薄茶点前になります。たくさん茶道具を揃えているわけではありませんが、限りある中で生徒さんが選んだ道具組がとても楽しみです。
そんなお稽古の合間に根津美術館の特別展「国宝・燕子花図屏風ー光琳の生きた時代1658-1716」へ出かけました。会期が5月14日までだったので駆け込みでした。
(国宝「燕子花図屏風」・・・ポスターを撮影しました)
何年ぶりでしょうか、本当に久しぶりの「燕子花図屏風」との対面でしたが、音声ガイドのお陰で作者・尾形光琳のこと、構図や色づかいの特徴、使われた貴重な絵の具など、改めていろいろな視点から鑑賞することが出来ました。とにかく間に合ってヨカッタ!です。
美術館庭園の「弘仁亭の燕子花」は終盤を迎えていましたが、それでも健気に咲いていてくれました。
(弘仁亭の燕子花)
新緑の力みなぎる楠の大木が見下ろし、青楓に囲まれた茶室・披錦斎で、「燕子花」のお菓子で薄茶一服いただけたのも良い思い出です。
(「終始一誠意」(青山書)の御軸・・・披錦斎にて)
カキツバタづくしの5月の前半でした・・・。