「七事式偈」 (両忘庵拙斎和尚の御筆です)
令和4年3月24日(日)に弥生の花月の会をしました。
廻り炭之式、廻り花之式、平花月の順で、Iさん、Kさん、Tさん、NYさん、KTさんが参加しました。
お軸は「七事式偈」、両忘庵拙斎和尚の御筆です。
廻り炭の偈は「端的底看贄」(たんてき ていに にえをみよ)
廻り花の偈は「色即是空凝思量即背」(しきそくぜくう しりょをこらせば すなわちそむく)
そして花月の偈は「互換機鋒看子細」(ごかんのきほう しさいにみよ)
それぞれの式の修練の指針を示唆しているのですが、いずれをとっても奥の深い偈で、七事式だけでなく人生の教えのように心に迫ってくるものがあります。
(廻り炭之式・・・亭主が炭台を持ち出したところです)
百花繚乱の春になると花がたくさん集まるので、以前はよく花寄之式をしていました。
でも今は・・・・廻り花之式が心に叶うようになりました。
廻り花之式では亭主が花台を持ち出し、1つの花入に正客から順次花を入れていきます。
(花台には持ち寄ってくださった花がいっぱいです)
正客Iさんが花台の花を選んでいます。初めての廻り花之式で迷っているようだったので、
「「七事式の偈」にあるように、あまりあれこれ考えずに選びなさい。花の方から話しかけてくれるかも・・・」と。
すると、さっと選んで萩焼の耳付花入へ生けてくださった花のなんと!ステキで瑞々しいこと!
(馬酔木、伊予ミズキ、アケビ・・・Iさん))
せっかく正客Iさんが生けた花を次客Kさんが上げさせて頂き、次の花を生けました。
こちらも赤い椿が空間を引き締めて、息を呑むように新鮮です。
花が花入に生けられて皆で鑑賞するのはほんの数分ですが、その瞬間を皆で精一杯鑑賞し、花もそれに応えます・・・廻り花之式のなんとも素晴らしい時間です。
このはかなさ、その瞬間を生き切る花の崇高な美が皆の心を揺さぶりました。
(赤い椿と利休梅?・・・Kさん)
(クリスマスローズ(雪起こし)、椿・・・KTさん)
(春蘭、伊予ミズキ、利休梅?・・・NYさん)
(白椿、木瓜?・・・T氏)
最後に亭主(東)が生け、正客から「どうぞお水を」の声が掛かり、水を注ぎました。
廻り花之式が終わってから平花月を2回しました。
お菓子は空也の最中と、もう一つも最中でした・・・それで、各服点で全員が薄茶を飲めるようにしてもらいました。
4月の花月の会は、炭付花月、香付花月、平花月または濃茶付花月を予定しています。